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地方都市における「大人の休日」

驚いた。

何が驚いたかって、まあ、勝手に自分で驚いているのですが。

つまりこうだ。昨日妻の友人が来るというのでその時間僕は家を出ることになった。ちなみに平日の休み、僕は普段何をしているかというと、何もしていないのだ!本当の昭和の漫画に出てくるお父さんみたいに生活に疲れて家でゴロゴロするだけなのだ。まあ、実際にはコタツでぬくぬくしながらテレビでモヤさまとかを見ているんだけど。そうやってじわじわと一日が過ぎ、すべての細胞を老朽化させてゆく。

僕は余程のことがない限り最近は外出しない。お金もないしね。前日からあれこれとどうやって時間を潰すか考えた。一番手っ取り早いのは映画なのだが、ちょうど今見たい作品が上映されていない。ネットカフェ?いやあ、それもどうかなあ。ショッピングモールに行ったところで買うものなどない。ドライブとも考えたがあいにく雨だ。まあ、コペンコンバーチブルにしたところで花粉がすごい。アウトレットモール等、小一時間で行ける場所はいくつかあるのだが、服は大量に持っている。新しい服を買ったところでいつ着るというのだ!

地方都市なので娯楽が少ないのだ。結局何も思いつかないまま、あてもなく車を走らせ着いた先はブックオフ・・・。なんか僕20年くらい前の独身時代の休日の過ごし方と同じことしてる。しかし一軒目は特にめぼしい物もなく、さらには、こんな時間にここをうろついているという己の境遇に疑問を持ちはじめ、どうしようもなく遣る瀬が無くなる。小説200円コーナーでふと、山内マリコの『ここは退屈迎えにきて』が目に留まる。

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫) | 山内 マリコ |本 | 通販 | Amazon

 

この小説が以前話題になったとき、気になって僕は本屋で立ち読みをした。一度上京をした30歳の女性があまりに退屈な地方都市の生活にあえいでいる。テーマがいかにも現代的なのと、シチュエーションとしては男性である僕にも刺さったので読んでみたのだ。ただ、結末は僕の思いとは別の方向で終わっていたのでその時は買わなかった。200円だしどうしようかな、と思ったがなんだかトイレに行きたくなり、しかしそのブックオフにはトイレがなかったので結局買わずに店を出た。もう一軒ブックオフあるからそこで買おうと決め、途中ドンキホーテでトイレに寄る。山内マリコの小説さながら、店にはマイルドヤンキーと外人しかいない。店の空気に滅入ってしまいそうなのですぐに脱出し、次に道すがらユニクロに寄る。何も買わない。ただの時間つぶし。まさにここは退屈迎えに来て!

結局もう一件のブックオフ万城目学の『偉大なる、しゅららぼん』を200円で買い、二三ヶ月前のビギンや2NDといったファッション雑誌をこれも暇つぶしのために100円で購入。山内マリコは売っていなかった。

 

で、結局、何に驚いたのかといえば、あまりに自分の貧相な時間の潰し方に驚いたのだった。スターバックスで本でも読めばよかったのか。またはパソコンを持ち込んで小説を書けばよかったかもしれない。今度はもう少し生産的なことに時間を費やそうか。彫刻掘るとか。

とかいいながら、帰ってきてアマゾンプライムビデオを観る僕。これが一番楽ゥ!ちなみに最近見た作品は「ヒックとドラゴン」(拾い物だった。まあ、展開がやや強引だったけど)「月に囚われた男」(デビッドボウイの息子の監督作。低予算とは言えかなり渋めのSF。いくつかつじつまの合わないところも感じられたが概ね楽しんだ)「ワイルドなスピード!AHO MISSION」(邦題が最高。中身はよくあるアメリカのパロディ映画。ギャグがくだらない)など。他にもつまみ食いのように見ているのだが、とにかくワンクリックで色々な作品が見られるのでいつまでも見ちゃうよ!そんな中、最近ハマりかけているのがこちら。「TOP GEAR」

 

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最近配信されはじめたのだがイギリスではかなりの人気番組らしい。3人のエンスーオヤジがあらゆる車(時には船や自転車)を使って走り、旅し、ぶっ壊す。三人とも歯に衣着せぬ物言いなので見ていて面白い。なんだか「水曜どうでしょう」みたいなノリもあってついつい、いつまでも見てしまう。車好きでなくとも面白い。ちなみにワーストカーナンバーワンは日本のある車でした。

 

「大人の休日」なんて聞こえはいいが、先立つものがなければ、実際はこんなもんだ。

 

今週、完結します

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