MASTER OF PUPPETS (REMASTERED) [CD]
- アーティスト: METALLICA
- 出版社/メーカー: BLACKENED RECORDINGS
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
前回までのあらすじ
大学生になり、バンドサークルに入った僕だったが、一緒にメタリカをやってくれる仲間が見つからないまま一年生を終わろうとしていた・・・。
僕は二年生になり、新人勧誘の時期がやってきた。その日僕はサークルにあてがわれた場所で大音量でメタリカを流して受付をやっていた。そのおかげでサークルの他のメンバーからは、「うるせー!」とか「これじゃ人来ないよ」などと言われたりもした。ジェームスが「バテリー!」と叫ぶところではみんなが爆笑していた。
当時のメタリカの扱いはそんなものだった。しかし、めぐりあわせというものは面白いもので、メタリカが流れていたから、という理由で二人の一年生が入ってきたのだ。彼らの一人とは今でも親交があるから人生わからない。
新人の彼らは高校生の時にすでにメタリカのバンドを組んでいたという。
僕は「へぇー!メタリカやってたんだ!いーなあ!いーなあ!」と、まるで小学生が友人の超合金のおもちゃをうらやむよううな調子で話を聞いていた。僕らはすぐに意気投合した。すぐにでもバンドを始めたかったが、僕はその頃パートはベースで、彼らはギター・ベース、しかもドラムをたたける人材がいない。
しかたなく次の一年間もそれぞれ別のバンドで我慢をすることになった。ベースが二人いても仕方がないので僕はギターを練習し始め、ジェームスヘットフィールドとしていつかステージに立つことを夢見て一生懸命歌詞を覚え始めた。
さて、その折も折り、深夜で「ピュア・ロック」という伊藤政則氏が出演するメタル系の番組が開始された。あのころのメタル好きはみんな日曜深夜を楽しみにしていた。まだまだ情報の少ないあの頃、僕もご多分に漏れず毎週録画しては食い入るように見ていたのだが、初めてメガデスの「WAKE UP DEAD」が放送され、衝撃を受けた。
ああ、いい曲だなあ!
よくこんな曲を思いついたもんだ。1987年の曲!
当時、僕はメガデスについて、元メタリカのデイヴ・ムステインのやっているバンドとしてしか名前を知らなかったのだが、これを聴いてすぐにCDを買った。
また、アンスラックスを初めて聞いたのもこの番組だった。
そしてスレイヤーを加えていわゆるスラッシュのBIG4となる。
間違いなく彼らは新しい潮流だった。これ以降、僕と同じような道をたどった人は多いはずだ。次々にスラッシュ系のバンドをあさり始めるのだ。
テスタメント
TESTAMENT - The Legacy [Full Album]
いわゆるあのザクザクという音、すなわちベイエリア・クランチの親分。
Exodus - [1990] Impact is Imminent [Full Album]
ギターの音!すっこんすっこんという子気味良いドラム。バカすぎるジャケット。ベストオブスラッシュメタル!ギターのゲイリーホルトは今やスレイヤーに加入。
Heathen "Victims Of Deception" (FULL ALBUM) [HD]
少しマイナーになるがヒーゼン。ピュアロックに出演していた和田誠氏に教えてもらった。当時僕はこのバンドが一番ギターの音圧がすごいと思った。とにかくスラッシュメタルはギターの音質によってアルバムの出来が左右されるのだそのあたりはかなり重要な要素だ。
オーバーキル
うわー懐かしい。よくこんな曲を出したよ。
キリがないので止めるが、当時他にもこの手のバンドが雨後のタケノコ状態。ラーズロキット、フォビドゥン、ヴァイオレンス、VOIVOD、デスエンジェル、DRI・・・まだまだたくさんいるがとにかく貪るように聴いた。
さてそんな風にスラッシュメタル漬けの毎日を過ごしていた僕だが肝心のバンド活動の方は、先輩にベースの腕を見込まれたディープ・パープルバンドという渋い世界で行われていた。
ハイトーンヴォイスが出せる人材がいない。
・・・仕方がないので女の子を使ってごまかす。でもやっぱりなんか違う。
ギターはやたらといる。
・・・しかも早弾きに命をかけるような奴らが多い。長髪が多い。
そもそもドラムが少ない。
・・・それでもってさらにツーバスを踏めるやつとなるとレアメタル並みの扱い。
僕を取り巻く状況も似たようなものだった。当時メタリカを聴いている人間は異端視されていたので更に状況は困難だった。後輩二人と早くメタリカやりてぇな!と酒を飲む毎日。
そんな中、後輩の1年生の上手いドラマーが突如としてメタリカに目覚め、ついにメタリカバンド始動!
その頃2月に泊まりがけでバンド合宿をする予定があり、そこでメタリカバンドお披露目となったのだが、そのドラマー、その合宿に参加できないと言いだした。仕方がないので、急遽腕の落ちる、しかも少し変わり者の後輩Wに代役を依頼。
正直なところ、その後輩Wはあまり上手ではなかったので彼には悪いが内心僕らは不本意だった。しかしWは僕らとバンドができることを異様に喜び、僕らが合宿で酒飲んでゴロゴロしている時もずうーっと曲をひとり聴いてシャドウドラムをこなしていた。
ドラムの力量に難はあったものの、2年越しの念願のメタリカバンド。さて曲はなにをやったか。バッテリー?マスターオブパペッツ?いやいや、リーダーたる僕が最初に選んだ曲はこれです。
Metallica - The Call of Ktulu (HD)
当時、いや今でもかなりの僕のお気に入り曲。アメリカの伝説的怪奇小説作家H.P.ラヴクラフトの有名な小説「コールオブゥクトゥルー」を冠した曲だ。ちょうど僕はこの当時ラヴクラフトにはまっており、それもあって選んだのだ。
速いわけでもなく、ましてやインスト。それやる?しかし我ながらいいチョイスだ。
実際バンドでやってみたら楽しくて仕方がなかった。後半のエイトビートに入るところなど全員で激しくヘドバンしたものだ。
そしてもう一曲はこれ。
【日本語訳】 メタリカ Metallica - Whiplash
誰が字幕付けたのか、面白いね。
僕らが初めてこれを練習したとき、最初のドッタンドッタンドッタンドッタンというドラムのスネアとフロアタムを同時に叩くパートで後輩Wは両腕を機械的に上下させて叩いていた。それがまるで鳥が羽ばたくように見えて爆笑。「お前トリか!」と笑ったものだ。
練習が終わったあと、W以外のメンバーと話した時に、「Wってさあ、練習中に飛んで行きそうだよね」とかそのまま飛んでっちゃって「助けてください!とか言いそうだよね」などとさんざん鳥ドラムギャグで笑っていた。
あの頃がとてつもなく懐かしい。
いつものこちらもよろしく