音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

マイナーレーベル発掘/主にエモ系 バンド青田買い

 夜家に帰り、僕は必ず寝る前にYOUTUBEを毎日見る。音楽関係ばかり見ているので、その系統からYOUTUBEが僕に色々と紹介してくれるのだ。でもたまになぜか(多分)タイのバラエティ報番組みたいのが表示されたりするので油断がならない。

 

 いったいYOUTUBEのプログラムはどういうつもりでこれを僕におすすめしたのだろう。なんとなく見てしまうではないか。

 内容はというと日本のタレントたちがどっかにロケに行ってトークする、というものと同じような印象。結構しょうもないのだが、見るとEP129ってあるのできっとタイでは人気番組なのだろう。

 ただ、お国柄か、この番組の特徴なのか、しゃべる言葉にいちいちタイ語の字幕がついて少々うざったい。日本でもセリフにテロップがよく付けられるが(この文化、なんとかならないか?)それどころではない。テロップ付ける人大変そう。タイ語の勉強にはいいかもね。

 タイは十数年ほど前に新婚旅行で行ったことがある。プーケットバンコクを訪れたがアジア独特の活気といかがわしさや物価の安さが今でも強く印象に残っている。

 プーケットではパンさんという名のタイ人のガイドがついてくれた。1年くらい日本語を勉強したとのことで、日常会話はほとんど支障なし。

 ただ気になったことがひとつあった。それは彼が日本語で話すときに、なぜか一番最初の枕詞として

 「でもー、なんかー」

という言葉が来るのだ。

 「でも、なんかお客さん、フロントへドウゾ」

 「でもー、なんかーお客サマ、3時に迎えに来マスよ」

 「でもお、なんかあ、バナナの天ぷらオイシイデスヨ」

 のべつまくなしこんな調子だった。

 妻もうすうすそれには感づいていたらしく、僕が

 「でも、なんか。プール行く?」

 とか言うと

 「パンさんのマネでしょ」

 と答えていた。

 「デモー」という逆接で話し出すのでそのあとの発言の意味がよくわからないことが多かったが、それでも彼は色々と良くしてくれた。

 ただ、マージンがとれるからなのか、オプションの営業が容赦ない。例の調子でガンガンいろんなものを勧めてくるのが多少面倒だった。

 「でも、なんかお客様、サンセットディナーオススメですよ」

 「いやーいいですよ。遠慮しますよ」

 「でもー、なんかやっぱり、サンセット見た方がいいですよ。」

 「いやだからそんな行く気ないけど」

 「でも、なんか、どうします?」

 結局サンセットディナーに行くことにした。

 サンセットディナーは屋外でとるのだが、巨大な蛾が飛んできて妻のビールのグラスにうまいこと飛び込んでビビったことしか覚えていない。しかも女の店員を呼ぶと、苦笑しながらそのグラスをそのまま手で塞いで片付けていった。

 「でも、なんかサンセット良かったデショ」

 いや、別に・・・そしてすかさずパンさんは言う。

 「でも、お客さん、なんかー、明日はゾウに乗りますか?」

 デモナンカ攻撃が面倒になってきたので5000円ほど払ってゾウに乗った。

 プーケットを去る日、送迎にパンさんは来られないとのことで、他のガイドさんに従ってバンコクに移ることになった。

 最後にパンさんに挨拶したかったな、と思っていたら、部屋を出る前に電話がパンさんからかかってきた。

 「ああ、パンさん!どうも色々とありがとう!」

 するとパンさんは神妙なトーンで言った。

 「でもなんか、お客様、ありがとうございました。お気を付けて」

 

 ええと、表題のマイナーレーベルの話に一向たどり着きません。こっちの話がメインのつもりだったんだけど。

 YOUTUBEの話に戻るが、昨今のネットの発達は日進月歩でいったいどういうしくみでそうなっているのかわからないがとにかく視聴者の志向にあわせて映像や広告が次々と表示される世の中である。

 それでその志向にあわせて無数にバンドのPVが紹介されるのでありますが、最近のお気に入がこちら。


That Night Forests Grew - So Tell Me (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

 That Night Forests Grewというハードコア/エモ系バンド。

 PVが結構ドラマティックでイイ。よくできた短編映画のよう。主演のメガネのさえないあんちゃんがヴォーカルをとっている。基本スクリームスタイルなのだが、この曲はクリーンな声とスクリームを組み合わせて徐々に曲の盛り上がりと共に入れ替わるようなアレンジを施していてなかなかカッコイイ。

 このバンド、ほとんど知る人はいるまい。アルバムはかろうじてアマゾンで最近出たミニEPがDL販売(またか!)されているだけ。

 こういうバンドはこれからだと思うんだけど、今はこれだけじゃ食っていけないだろうなあ。ライヴの映像もあるんだけどカリスマはまだ足りないし、客の盛り上がりもそれほどではない。2~3年後には化けてるかもね。

 あと、思うんだけどこのバンドみたいに、最近のバンド名って長いの多くない?もう文になっているという。昔メタリカのラーズがバンド名がすべてだ!と言っていたけど、最早なんだかわかりません。日本のバンドもそんな感じの名前多いよね。

 ちなみにこのバンドはDREAMBOUNDという正体不明のレーベルに所属していて、そのレーベル、メロディックハードコア系を主に抱えている。

https://vk.com/dreamboundmusic

たくさんのバンドのPVや音源があるのだが、その中からいくつか他に気になったものをあげてみます。


Jarhead - From the Buried to the Fool

だいぶクセのある曲を展開。デリンジャーエスケイプ・プランか!いいんだけどちょっと詰め込みすぎな印象。前半と後半で全く別の曲。そんな終わり方するの!?という気持ちになれる。


Vacant Home - Shiver (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

こちらはだいぶストレートなメロコアぽい。みんな若そう。


New Design - I've Never Seen The Ocean (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

この絵だと女の子が写っているのだが、実際PVが始まるとギター/ヴォーカルの風体に衝撃を受ける。曲はけっこうメロウなんだけどね・・・

とにかくこのレーベル他にもたくさんバンドを抱えていて押さえきれません。