森見登美彦氏の人気小説が元となっている。
個人的にはこの作品が森見氏の最高傑作じゃないか?と思います。
さえない大学生の「先輩」が後輩の乙女をなんとか射止めようと涙ぐましい努力を重ねる。そしてそれぞれの視点で物語は進行するのだがそこに一癖も二癖もある人物がからんでくる。不思議な小道具も満載で、ある意味ほとんどファンタジー。
作者のほかの作品『四畳半神話大系』からの人物も登場し、ファンはにやりとするような描写もある。
そもそも森見作品はテレビで見た『四畳半神話大系』がきっかけだった。あの独特の文体をこれまた独特のカラーで上品にアニメ化した作品は非常にクオリティの高いものに仕上がっていた。
一時期この作品にハマって副読本などを結構買ったりしたっけ。
作品の中身をくだくだしく言っても仕方がないので実際読んでもらったほうがいいんだけど、一風変わった作品ではあります。青春SFパラレルワールド?
僕はエンディングのやくしまるえつこ×まりんという組み合わせにも驚いた。
それで『夜は短し~』なんだけど、同じスタッフが作っているらしいので同様のテイストが期待できる。
『四畳半~』で好きだったのは、端役の人物、例えば新興宗教の教祖とか、飛行クラブの先輩とかの声がなんだか素人っぽい(わざとなのだろうが)喋り方で妙にへんなリアリティがあったところだ。唯一現時点で発表されている「先輩」の声はなんと星野源。タイムリーだね。
ちなみに森見登美彦ってペンネーム、『古事記』『日本書紀』に出てくるナガスネヒコという豪族の長の別名「登美毘古」からとっているようだ。ナガスネヒコって神武天皇に撃たれちゃうんだよな。