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休日は『聖なる怠け者の冒険』を読み、THE 1975を聴く

 ようやく今日6日ぶりの休みです。すぐ明日また仕事。

 新職場で2ヶ月目に突入し、ようやく少し慣れてきた僕だけどやはりストレスは大きい。絶対痩せたね。だって以前ちょうど良かったスラックスが結構ゆるゆるになって、ベルトの穴もゆるゆる。多分体重60キロ切ったんじゃない?

 

 そうしてまた後6日連勤ですよ。土曜の休みは月2回で後は29日以降が休みになるという特殊な環境なので休みの恋しいこと!GW10連休とか関係ねえ!ああ、明日仕事いくのが嫌だ・・・。

 

 とはいえ休むわけにもいかぬ。何とか今日一日で精神の回復を図ろうとして一日家にいました。まあ寝てるのもなんとなくもったいないのでこの間ブックオフで100円で買った森見登見彦氏の『聖なる怠け者の冒険』を一気に読みましたよ。

 スイスイと読めます

 森見氏の作品は『四畳半神話体系』から読んだけど

 一時期アニメ版にもはまった

四畳半神話大系 Blu-ray BOX

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そのペダンティックな言い回しと構成の妙、そして個性的なキャラクターが独特の森見ワールドを構築しており、それは夜は短し歩けよ乙女でもいかんなく発揮されていた。

 結局映画まだ見てない

 まだ有名な『ペンギンハイウェイ』とか『有頂天家族』などを読んでいないので作品をそう語ることは出来ないけれど、この『聖なる怠け者の冒険』はいつもの安定の森見ワールド作品だった。『きつねのはなし』というまじめなホラー話もあるんだけど、僕読むの途中でやめてしまった。やはりどこかユーモラスで浮世離れしたキャラクターに世売るファンタジーが安心して読める。

 ストーリーはいつものとおり京都が舞台で、一応主人公である生粋の怠け者、小和田(こわだ)君を中心に進むのだけれど実際彼はその表題どおりほとんど何もしない。いや、要所では活躍しますよ。でもむしろもう一人の主人公として日々京都で善行をかさねる狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」なる人物が物語を引っ張っていく。そして困った人を助けずにいられないぽんぽこ仮面はなぜか怠けものの小和田君を二代目に指名し無理やり跡目を継がせようとするのだ。

 彼の意思とは関係なく、ぐうたら私立探偵や「五代目」と呼ばれるアルパカそっくりのなぞの男、先輩カップルなどが入り乱れて最後はいつの間にかファンタジックで、迷宮的な展開に突入。なんだこれ。ああ、でもそういえば基本森見作品はファンタジーだったなと思いながら最後まで読み通しました。そうそう、森見作品に欠かせない下賀茂幽水荘も登場するよ。

 正直『夜は短し歩けよ乙女』ほどの没入感や面白さはなかったけれど、日曜の午後のつれづれを紛らすにはうってつけの作品でした。

 

 そうそう、京都を舞台とする作品は万城目学氏も色々と書いているので不思議にリンクするんだよね。京大生が主人公だったり、登場する場所が似通ったりしているので。話の引っ張り方は万城目作品のほうが上手いと思います。

 これは読んだほうが良いですよ。問答無用に面白い

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

 

 

 そんであとTHE 1975をようやく今聴いています。とにかく良いね。

      このライヴはすごい。エンタメとして最高峰のレベルじゃないか

   www.youtube.com

 

   この曲で彼らを一気に好きになった。サウンドも80Sを上手く取り込んだ最先端

   www.youtube.com

 

 ああ、明日仕事やだなあ。

 

読まれても読まれても特になにもなし

kakuyomu.jp

 

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

 

 

BRING ME THE HORIZON『AMO』やDIRTY VEGAS、そしてOVERKILL

       最近入手のCDがタイトルどおりです。

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 まずは少し前に入手してから結構な頻度で聞いていたブリングミーザホライズンの『AMO』!

全英ナンバーワンも納得

  発売前から公開されていたこの二曲からして傑作の予感がしていたが、ブリングミーザホライズンのニューアルバムとして期待を裏切らない出来だった。

          ラストシーンはまんま「レイダース/失われたアーク」

   

             車の中で久々に大声で歌った

   

 前作からの流れからして、

個人的には彼らの最高傑作

きっと更なるエレクトロニクスの導入が図られているだろうと予測したけれど、全くそのとおりだった。オープニングは静かなエコーがかったシンセのメロディから始まり徐々にエモーショナルな展開になり、そのままプロモ曲の「MANTRA」へと流れ込む。僕のPCのしょぼいヘッドフォンで聞くのとは違い、車の中での大音量のこの曲はやはりかっこいいぜ!その後ほぼ打ち込みのエレクトロな「ニヒリスト・ブルース」などの曲が挟まれる。

               画像がケミカルっぽい

   www.youtube.com

 僕はこういう音については何の違和感もないからすんなりと聴けるけれど、もはやデスコアの面影を全くとどめていないこの音を初期のファンはどう受け止めているのだろう。

         初めて聴いたらこれを同じバンドだと思う人はいないよね

    

 うろ覚えなんだけど、どこかのウェブ記事でロッキンオン系のライターの人が最早ロックに新しい流れはなく、新しい試みはほとんどヒップホップから生まれていると言っていたが、僕も同感。そしてまたブリングミーザホライズン自身もそう思っていることが分かる。インタビューを読んでも然り。

nme-jp.com

そして実際のアルバムに収録された曲がそれを物語っている。この曲初めて聴いたとき、何も知らされなかったらヒップホップ系のアーティストの新曲と間違えてしまうと思った。

             オフィシャルでリリックビデオ出してるのね

   www.youtube.com

 どうです、まさか上記のデスコアバンドがこんなになるなんて。

 タイトルそのものが「HEAVY METAL」という皮肉な曲(最後にはそれヘビメタじゃないよ!と叫ぶ)

       このタイトルにラゼールというアーティストをわざと起用

   

があったりと彼らなりにロックの新しい姿を見つけようとさまざまな試みが感じられる。そうして最新PVがこちらの「MEDICINE」

        相変わらず悪趣味を前面に押し出している。娘には不評

   

 この曲のサビのバッキングセンスなんかは素晴らしいんだけどね。アルバムの出来とすれば間違いなく革新的で非常にクオリティの高いものなんだけど、どの曲もあまりに輪郭がはっきりしすぎているために飽きるのも早い。一部ではポップすぎという声もあるようです。

 正直一時期すごい聴いていたのに今あまり聴く気がしないんですよ・・・。いや、またそのうち間違いなくまた聴くのだけれど、デフトーンズやNIN、スマパン、そしてメタリカといったロックの歴史を作ってきたバンドたちの傑作のように何度聴いても飽きないのかというと、それは微妙なのだな・・・。それはひょっとしたら、僕の感性の衰えかも知れない。常に新しい音楽を聴きたいと思っている僕だけれど、20代の頃にあった「うお、こんな音楽聴いたことない!」という感動をもう久しく味わっていないのです。かといって前述のヒップホップにそれを求めるかというと、やはり僕の感性にはそちら方面は反応しないのです。チャイルディッシュ・ガンビーノなんかはいいと思うし、ケンドリック・ラマーはすごいけど、やっぱりバンド形態か、テクノ・エレクトロ方面が僕の好みなのです。

 

 つうことで、今頃知ったダーティ・ヴェガスを良く聴いているのです。 

 これ、ケミカルのプロモ見ていたらこれが芋づる式に出てきて、観たら僕好みのサウンドじゃないか。プロモも素晴らしい。

     すぐにアマゾンで調べたら結構昔のアルバムで1円じゃないか!すぐに購入。あっ、そうそう、今も流しながらこの記事を書いているのですがなぜか唐突にピンクフロイドの「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール」になっておや、と思った。

            「THE WALL」の曲

     

 こっちがモトネタ

     www.youtube.com

 そして不思議なものでこういうのは縁なのかねえ、近所のブックオフでセカンドアルバムを280円で発見。

CCCDって。安いし。

 

 あと、良質のスラッシュメタルが聴きたくて、ちょうど安くなっていたオーヴァーキルの「IRONBOUND」もアマゾン買い

 安定のオーヴァーキル

 愚直にスラッシュメタル一直線!ベテランの中でも傑作を常に生んでいる彼らは頼もしい。特にこのアルバム、捨て曲一切なしの名盤!

           ワーオ!かっこいいぜ!ドコドコザクザク!

    www.youtube.com

 結局BMTHよりもこっちのオーヴァーキルを聴いてしまうのはやはり僕の加齢による結果なのでしょうか。

 

これこそヘヴィーメタルだぜぇ!

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変なガシャポン「氷河期の僧侶」、あと土偶シリーズ

 ううう、ストレスで体が痛い・・・。生きるのがなかなか最近は辛い・・・。実生活に苦しむ僕はこのブログで現実逃避をするしかない。

 

 さてこの間、とあるスーパーで異様なガシャポンを発見した。「氷河期の僧侶」

              このガシャポンだけ異様なオーラ

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 最近のガシャポンはもう何でもアリだな、と思っていたが、正直センス無いというか、ギャグだけどすべってるようなのも沢山ありますよね。そういうのを得意げに持つのだけは避けたいなと思い生活していたけれど、さすがにここまでぶっとんでいるのは初めてだ。

こちらで詳しくはどうぞ

 

 そもそも「氷河期」「僧侶」の間にはなんら関連性がないでしょ。こうもり傘とミシンの結婚よろしく、もはやシュルレアリスムである。

 調べてみると、タカラトミーにはこういうヘンテコりんなグッズを作る「パンダの穴」というプロジェクト(サメフライとか、考えない人などの意味不明系ばかり)があるらしく、その中でも何度かボツになったものらしい。でもここまでくるとある種の詩的な雰囲気さえ纏うようになる。語呂の選択って大事だよね。全く関連のない二つの語句を繋げて新たな言葉の地平を開く。

 昔初めて中原昌也氏の、今はもうやっていないプロジェクト暴力温泉芸者という字面を見たときの印象に近い。

 ジャケットはいちいちおしゃれだが中身はノイズ系 。懐かしのデス渋谷系

OTIS

OTIS

 

 

 実はこのガシャポン、200円なのですが最初見たときはどうしようかと躊躇して回さなかったのです。けち。しかしこれを見て以来ずうっと心に引っ掛っていて、結局わざわざ回しに行ってしまった。さて何が出たか。

     全4種類。「気が付くと、そこは、氷河期だった」・・・寒くて気付くでしょ、普通

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 やはりこの前面に押されている虚無僧が欲しいところだけれど、そこは上手くいかないねえ、こんなんが出ました。

                  わはははなんだこれ

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               洟が垂れてるんだか、つららなのか

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 こちらの方、「念仏」という名前がつけられている。

 どこかで遭遇したらまたやってしまいそうで怖い。

 でも写真撮ったら満足して秋田!

 

 あと、この間娘といったビエンナーレで発見したものがあります。

         近代美術館の隣にある歴史博物館。

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    中にあるミュージアムショップ前に、ありましたよ、これが。

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 射幸心をあおられるじゃないか。

       土偶シリーズに弱い          おとうさん、どうせやるんでしょ

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        こちらは300円とちと割高です          なんだろうねこれ

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                これでした。

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      他にはこのようなシリーズがあるのだそうです。

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             一番欲しいのはこれかなー。

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 でもどうせやらないけどね

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『みいら採り猟奇譚』『真夏の死』『彼の生きかた』読む

  毎日お風呂で本は読んでます。新しい本を買うのも良いんだけど最近懐事情があまりよくないので「本棚にはあるけれどまだ読んだことのない作品」に手を出してみました。それがこちらの『みいら取り猟奇譚』『真夏の死』『彼の生きかた』。

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 『みいら採り猟奇譚』、これ多分20年以上前に買ったんだと思うんだけどなぜか読む気がしなくてずううっと本棚に収まりっぱなし。多分タイトルに引かれた買ったのだろう。僕は映画や本は予備知識なしに読むのが好きなのでこの本も先入観なく読み始めた。

 

 「猟奇譚」というタイトルからおどろおどろしい内容を想像していたのだけれど、思いのほか物語は淡々と進む。時代は昭和16年、戦争の影が忍び寄る東京で医者の娘比奈子は、昔から父が懇意にしている医者一家の長男隆志のもとへ嫁ぐ。

 この隆志という人物、40を過ぎてもなぜか独身だ。比奈子の相手としては医者とはいえだいぶ年が離れており、条件が悪そうだが比奈子の側にも事情があった。本来は比奈子は父親が養子としていた良夫という男性と結婚するはずだったのだが良夫は結婚前の比奈子が18歳のときに彼女の前で服毒自殺をしてしまうのだ。

 ただこの話、戦争を背景としてこのような事件が語られたりするのだけれど不思議と悲壮感がない。なんというか淡々と毎日がすぎていく様子が描かれる。

 比奈子は隆志と結婚する。夫は優しく医者としても優秀なのだが実は彼はマゾヒストだった。最初のうちは控えめに比奈子に自分を責める要求をしてくるのだが。徐々にそれはエスカレートしてゆく。とはいえ純文学小説なので特にこれといった具体的描写はあまりない。比奈子のほうも少しずつそういう夫の嗜好を理解し、彼の要求どおりさまざまな責めを与える。ただ肉体的に痛めつけるだけではなく、言葉の上でも彼を演劇的に責めているうちに二人の関係はより強固なものになってゆく。

 最後には疎開先の家で展開があっというものになり、え、こんな終わり!となる。

 多分読む人もほぼいないでしょうからネタばれすると、

 マゾヒストの最高の瞬間は一度しかない。それは愛するものに殺される瞬間である。最後は馬乗りになった比奈子が夫の首を布で絞めて彼の背中の棒立ちになり、夫はペガサスのように昇天する。

 どうです、新潮社から出ている純文学書下ろしの本ですよ。純文学といっても特に難しい描写があるわけではありません。読み始めるとスイスイ読めてしまう。何も知らないで読むって言うのは面白いね。

みいら採り猟奇譚 (新潮文庫)

みいら採り猟奇譚 (新潮文庫)

 

 

 写真左の銀色の本は三島由紀夫の短編集『真夏の死』。戦後の日本を色々な角度で切り取った短編が詰まっている。菊田次郎の話は由紀夫の文学観も体現しているようだ。あとは五人の破天荒な学生(それぞれの名前は倫吉、邪太郎、妄介、殺男、飲五郎というとんでもないもの)が主人公である『卵』という寓話がありこんな話も書くのだなと興味深かった。傍若無人に過ごす彼らの日課は朝食に必ず卵をイッキ呑みすること。そうしてある夜彼らはいつの間にか卵の支配する町へ連れて行かれ、何万という衆卵環視の中、弾劾される。しかしその最中その場所が巨大なフライパンであることに気づいた五人はその柄に飛び乗り、フライパンをひっくり返す。そうして町は割れた卵だらけになり、彼らはバキュームカーで卵を集め、毎朝卵を食べるのだ。何だこの話。

 このシリーズはあと『遠乗会』を持っていてそれもそのうち読むでしょう。あっ、そういえば僕『豊穣の海』を途中まで読んだんだけどそのままになっている。死ぬまでには読まなければ。

 天人五衰まで道は遠い

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

 

 

 あとは今さっき読み終えた遠藤周作『彼の生きかた』。

彼の生きかた (新潮文庫)

彼の生きかた (新潮文庫)

 

 どもりで不器用な一平は動物好きが高じて日本猿の研究者になる。不器用であるゆえに上手く生きられない彼に、世間は冷たく、幼馴染である朋子も彼の元から去ってします。猿のために一途に生きる彼の姿は神々しい。

 実在の研究者を基にしたフィクションですが、これが非常に面白かった。狐狸庵先生の文体は構えることがなく、不必要な描写も少なくシンプル。生き生きとした会話が連なり非常に読みやすい。これ誰かの文体に似ているなと思ったらああ、井上靖だなと思いました。井上先生も非常に読みやすく、かつ面白い。

 『しろばんば」は永遠の名作。洪ちゃとばあちゃんの話で自伝的小説

しろばんば (新潮文庫)

しろばんば (新潮文庫)

 

 『しろばんば』があまりに面白かったので当然こちらもすぐに読んだっけ。

 洪作のその後。どんどん物語りが進む

夏草冬濤(上) (新潮文庫)

夏草冬濤(上) (新潮文庫)

 

 

 今日は昼間時間があるので久しぶりにゆっくり記事がかけたなあ。次はハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』か、森見登美彦の『聖なる怠け者の冒険』をそれぞれ100円で入手したので読む予定です。

 

 本はお金がかからなくていいよね。こちらもタダですよ!

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群馬青年ビエンナーレでアートと化す

このビデオは見られるんだね。卓球の作品でセーフらしい。

www.youtube.com

さすがに「いちご娘」を初めとしたほかの曲は観られなくなっている。寂しいねえ。

 

さて、群馬青年ビエンナーレに行った話の続き。このへんはさらっと観ました。

石っぽい質感のオブジェの「ままごと」

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黒曜石かと思ったら樹脂の塊を叩き割って、そこにポールスミス的なセンスで着色した作品

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 僕とアートの融合。「君の名前で僕を呼んで』というパラドキシカルなタイトル

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                おとうさん!何かが浮いているよ!

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        実は糸で吊り下げられてるんですけどね。作者はカチョー?

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こちらは「DRIFT」というタイトル。下に山と積まれているのは陶片。

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 やたらとさまざまな陶器のかけらが積まれているんだけど、これ蹴飛ばしそうで怖い。当たり前だけどこの作品、展示ごとに陶器の位置が変わるよね。設置するときは、じゃらじゃらとうるせえだろうな。やっぱり本人が来てこの形にするんすかね。

 

  空間アート?無造作に丸められた模造紙になにやら言葉が書いてありますね。

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        こちらの作品は優秀賞だそうです。娘曰く「私にも作れそう」

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 タイトルは「あ、そういえば、踏みつぶしたあれは今、何を見てるんだ」だそうです。作家の皆さん、タイトルにもいろいろと工夫を凝らしていらっしゃる。でもたまに面倒くさいんだか「無題」っていうのもあるよね。

 

 さて今回の展示の中で一番インパクトがあったのがこちらの田中義樹という方が製作した「クリスマス害獣レース」。

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    僕としてはこの作品に大賞をあげたい。周りの観葉植物は全部ダンボール製      

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 他の作品を見ている間にも、作品下部に設置されているラジカセから四六時中

ハクビシンハクビシン!」(ちなみにさいしょたこ飯!たこ飯!と聞こえた)

とか

「まん、まんマングース

 とか

なぜかビートたけしの物まね声で

「アライグマ!アライグマ!」

と連呼する声が聞こえてきており、非常に気になっていたのだ。

     狂った夢の中のアトラクションのようだ。四匹の害獣がぐるぐる回り続けるのだ

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 レコードプレーヤーを改造したものに装置をとりつけ、それをくるくる回している。こんなものが美術館に飾ってあること自体がすばらしい。そして作品をよく見ると、30分ごとにレースが始まると書いてある。

「吊り害獣たちは30分に一度レースをするよ。他の作品をみて待とう」だって。吊り害獣ってなんだ

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 「春休みの思い出に 見逃すな」とご丁寧にタイムスケジュールまで作品の一部となっている

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 右の写真のパネルに書かれた

「死ぬのは いつも 他人 ばっかり」

「わんちゃん 散歩 短く がっかり」

というインディーズ系ラップミュージックのライムのような文言を頭に刻みながら待つこと五分、突如上のカラスと狸の吊り下げられているドリルの部分がタイマーで回り始めた。

        わかりますかね?吊り下げられたカラスと狸がぐるぐる、ぐるぐる

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 ほぼ客のいない土曜日の美術館に、シュールな動物たちのレースが開幕。しかも永遠にその勝負はつくことがない。「ハクビシンハクビシン!マン、マン、マングース!」の声がドリルの静かな機械音と一体化して辺りに響き渡る。今は僕らが観客となっているが、当然誰にも見られていないときにも彼らは回り続けるのだろう。果たしてそれは存在しているといえるのか?などとデカルト存在論を大声で叫びながら僕はいつのまにか夢中になって彼らを応援していました。

        カラスがんばれ!タヌキがんばれ!ハクビシンハクビシン

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 次のコーナーは映像インスタレーションがいくつかあったのだけれど、どうも僕の琴線には触れませんでした。やっぱり意味不明のオブジェが面白い。

 映像コーナーを抜けるとこのような真黄色の作品がその存在を主張。

 

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VOID=空間、虚無、無限というタイトルとは裏腹に、黄色の家々からは溶け出した異物があふれ出している。

            おとうさん、これシルバニアの家じゃない?

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 たしかに昔我が家にあったシルバニアファミリーの家のようだ。これ結構高いんだよね。あれですかね、お宝鑑定団的な店で中古の家を買って作品化したんですかね?

 

 さて他にも作品はありましたが僕も見ているうちに自らをアートとして表現したくなりました。僕よ!アートと化せ!以下の写真をこの曲と共に御覧ください。

 

          BGM:デヴィッド・シルヴィアンノスタルジア

    www.youtube.com

 

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      すいません、僕どうやら少し頭がおかしくなったようです

 

 

 

 

 

明日からの仕事が嫌過ぎてこんな終わり方

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群馬青年ビエンナーレで春のアート祭り 1

 プロディジーのキース・フリントが自殺し、電気グルーヴピエール瀧が逮捕された。僕の敬愛するアーティストが立て続けに事件性をもって報道された。二人とも名声と富を手に入れたにもかかわらず、人生が突如として激変。

 

 それに比べれば僕の生活なんてまだマシなのかもしれないがやっぱり新しい仕事はきついです。職場の人は親切ですが、その内容がね。

 転職して二週間、もうくじけそう。あまりに覚えることが多すぎて、以前の会社の100倍きつい!なんというかシステムがあまりにかっちりしていて、とことんルーズだった前職がなつかしい。ほぼ毎日業務研修、システム研修、DVDでの座学、OJTと情報過多で息がつまりそうだ。しかし戻るに戻れない。自分で選んだ茨の道・・・

 職種的には一応同じ業界なのだけれど微妙にターゲットが違っており、したがって仕事の方法が全然違う。言ってみれば、ロックバンドを20年以上続けていたのに突然ジャズバンドに加入した気分。もう泣きそう。しかもなんかね、役職に就くためにテストとかあるんですよ。A4の紙裏表にびっしりと書かれた語句を丸暗記しなければならない!

 そのテスト期限が昨日までといったん区切られたんだけど、あんまりやることが多すぎてパンク寸前だったので年下の上司に泣きついて、今月の28日にしてもらったよ。どうしてこうなった?

 まあここで愚痴をこぼすのがせいぜいなんですよ。転職したからって決して明るい未来が待っているわけではない。なんとか一年我慢して辞めてるかもな・・・。そのころこのブログを見返したらどんな気分だろう。

 

 そうして今日ようやく休み。少しでも日々の生活を忘れたくて、アートに触れたいと思い調べたところ、群馬県立近代美術館というところで「群馬青年ビエンナーレ」というのが開催されている。小5の娘と二人で出かけました。ここは以前も現代アート関連で行きました。

 一年前はまだ楽しかった


 この美術館は「群馬の森」という公園内に建っており、今日は暖かく風もなかったので非常に気持ちが良かった。まずはベンチに座りスーパーで買った弁当などで質素に昼食をとる、なるかみ父娘。

                庶民の休日を地で行ってます

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 食べ終わった後、園内の遊具で少し遊んでみる。これはどのくらいの上半身の柔らかさがあるのかを測定する器具です。

         おとうさん、なんだかやり方よくわからないね

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 この健康測定器具はどうでもよいのだけれど、説明の絵の人がなぜかスーツ姿。

              営業をサボってここで測定かね

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           おとうさん、ライドがあるよ!

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 あ、組織票で数年前にゆるキャラグランプリを取ったぐんまちゃんライドだ。しかし残念ながら3歳から6歳までしか乗れません。

       大人用のライドをつくれ!と声高に叫ぶ哀愁のライダース中年

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            おとうさん、これ何?

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 ああそれはね、その丸い部分に座った子供を、今君の持っている取っ手を回すことで猛スピードで回転せしめる仕組みの遊具だよ。

 折りしもその後、若い親子がやってきて猛スピードで回転させ、そのあまりの勢いにちいさな男の子が上空100メートルほど吹っ飛んでいきました。

 

           ああ!梅がきれいだなあ!

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    でもおとうさん、あんまりこの梅匂いがしないね             

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 僕はこの時点で碩学の父親として

「春の夜の闇はあやなし梅の花色こそみえね香やはかくるる」

(春の夜の闇は訳がわからんよ。梅の花の色を隠そうとしても、香りまでは隠すことができようか、くらいの意味)という歌を披露したかったのだが、断片的にしか思い出すことが出来ず、「えーと、梅の花はさ、夜は暗いけれど匂いがするっていう歌があるんだよ・・・」とうろ覚えの中途半端な知識を披露。恥ずかしくて一回空に逃げました。
                   すぐ戻ってきたけど
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さて長い前置きを経て、ようやくたどり着きました、群馬青年ビエンナーレ2019。

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       見てみて、こんな角度でもわたし立てるんだよ!

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 危なーい!お父さんがまるっきり見当違いの場所で支えてあげるから気をつけなさい

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 軽い茶番のあと、大人300円(中学生以下無料)を払って入場だ!今回は2階で開催されてます。

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 この手の現代アート展覧会のいいところは、撮影がOKだということ。動画はNGですが写真は作品名を紹介すればよいそうです。それでは若き才能を見ていくことにしましょう。のっけからインスタレーションの連続。現代アートはおもしろいなあ。

       手の映像が上から映し出されてます。特にインタラクティヴということもなし

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こちらの作品はこんなタイトルです

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         そうしてまずすごいと思ったのはこちら。

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「世界素」だそうです。これ全部スタイロフォームという断熱材を加工して作ったらしい。気の遠くなるような作業の結晶。本当に細かいところまで緻密に作られている。

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               よくこういうことを思いついたよね

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     ペットボトルのふたの外れた部分まで再現。これどのくらい時間かかるのだろう

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    細かいところを見始めるとキリがないけど、ピン一本まで気合が入っている

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      アートというよりは職人技みたい。蝶が壁にピンで留められていた!

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今日はここまで。また明日!

 

久しぶりにゆっくりと記事書きました


 

 

ケミカルの新ビデオ「We’ve Got To Try」よすぎ

 相変わらず何かと落ち着きのない毎日を過ごしていますがそれでも生きてます。

 まずほぼ誰も興味のない私の近況は職場の研修に尽きます。前の会社がかなりいい加減な社風で、それは良さでもあったんだけれどだからこそ業績は右肩下がりになった。平均年齢が50を超えている会社に活力は望めない。一方新たな会社はものすごくシステマチックに研修が組まれていて誰でもそれを受ければ一定のレベルに達することが出来るようになっている。本来会社ってこうあるべきだよね。受けるほうは大変だけどさ。

 業務の最後に一日の振り返りという課題で結構な文章を入力する作業があるのだけれど、このブログで自分勝手に文章力を鍛えた甲斐があって苦もなく書ける。初日から大量に書いたテキストを社長に褒められましたよ。

 

 まあ何とか一ヶ月頑張って役職に就きたいと思います。そのときはまた大変だろうけど、今は目の前の課題を一つ一つこなすだけですね。

 

 さて毎日12時以降に帰宅風呂入ってすぐ寝るという生活をしていると予想はしていたものの、ゆっくりブログも書けない。ようやく明日休みなので夜更かしですよ。

 辛気臭い話ですいませんねえ、本来は「おもしろみ」「無駄なインテリジェンス」とか「役に立ちそうもないどうでも良い、けれどなんか笑っちゃう」という内容を自分なりに標榜しているこの「音楽と本」久しぶりに更新。

 

 しょぼしょぼする目を無理やり開いてYOUTUBEとか観ていると新たなケミカル・ブラザースのビデオ「We’ve Got To Try」が公開されていた。

    www.youtube.com

 うわあーやっぱりケミカルっていいなあ!

 二十年以続いているのに新曲が全然色あせないもの。この曲も然り。イントロから32秒くらいのフレーズがプライマル・スクリームのキルオールヒッピーズかと思った。

         この曲で言えば0:52くらい。暇な方は聞き比べて御覧なさい       

    

  

 途中のベースがぶわぶわ言うところとかもうすばらしいの一言。そうしてなんといっても相変わらずビデオが面白すぎる。犬を訓練してF1に乗せて、そうして最終的には移住可能な惑星に送り込む!最後は犬の子孫に犬が語るという「猿の惑星」のパロディ!やっぱり一流のアーティストには一流のビデオが似合う。

 

 ケミカルの曲の魅力のひとつはそのベースラインのセンスの良さだね。ディストーションがかかったドライブ感あふれるフレーズが曲をぐいぐい引っ張っていくやつ。例えば、これ。

          ぶんぶかぶんぶん、ぶんぶかぶんぶん

    www.youtube.com

 これ、まさか手弾きじゃないとは思うんだけど、そういう雰囲気に近いものがあって打ち込みなのに、奇妙に有機的な息遣いをしている。

 

 そしてあまりにも有名なこのブロックロッキンビーツもかっこいいベースのフレーズとドカドカいうドラムがものすごいグルーヴをかもし出している。

   その昔、リーバイスの立体裁断ジーンズをキムタクが履きこなすCMでがんがんかかってたっけ

   www.youtube.com

 眠くなったのでこれでおしまいですが。

早く発売されないかな

 

最近イッキ読みした人がいるらしく一時期ぐんとPV伸びたけど急に10139でとまった

kakuyomu.jp

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ノー・ジオグラフィー

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