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僕のカルチャーセレクトショップ

埼玉県立自然の博物館で説教三昧

 相変わらず埼玉県立自然の博物館で遊んでいます。


 昨日は入口のメガロドンとその他の動物シリーズでしたが、今日もその続き。昔海だったこの辺りからは、さまざなま動物の化石が発見され、それを復元した展示が充実。

 チチブサワラというマグロチックな魚が我が物顔。スイスイと縦横無尽に泳ぎまくって、観覧者に迷惑かけまくり。

                  おらーどけどけー!

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           おい!おい!おい!おい!

 竹中直人風に野太い声でサワラを呼び止め、ロマンポルシェ。にも負けず劣らずの説教を繰り広げる僕。

                  自分だけが生きてると思うなよ!

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                 すいやせん、以後きをつけます

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 分かればいいんだ、分かれば。

 サワラの説得にも成功し気分のよい50男。お、次の展示はなんだ?古代の曠野か?

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        メタセコイアの化石なんだって。かなり大きな木だったんだね!

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 しかし、その時多くの動物の恨みを買った挙句、ゾンビと化した父親が迫る!

                   あー、うー

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     ちなみに、タイプはオールドスクールなロメロゾンビ。

                 

                 きゃあ、誰か助けて!

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  「おいおい、君ら、博物館でふざけすぎじゃあないかな、もし。」

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「なんだと、象のホネのクセに!漱石の『坊ちゃん』に出てくる旧制中学の学生の口調を真似していることを、こちとらお見通しなんだからな!」

                   もはや説教ゾンビ

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   「おとうさん、お説教ばっかりしないでよ、わたし疲れちゃったよ」

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   「こらこら、お嬢ちゃん、そんなところに倒れ込んじゃあ、ダメだよ」  

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 「うるさい!ホネのクセに!私だって言いたいことはいくらだってあるんだから!」

                     説教ゾンビ感染

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      あはは、わたしやっぱりおとうさんの子だったことを再認識したよ

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 この後僕は向田邦子『字のないはがき』に出てくる父親のごとく娘の肩を抱き、おいおいと号泣!周囲の人が奇異の目で見ていました。

 

      こちらは昔の木だったっけな?とにかく太い。

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とにかく、のぼる輩が後を絶たなかったからなのであろうか、数枚こちらが貼られていました。

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 こちらは様々な鉱石が展示してあるコーナー。いくつかの物は磁力を帯びており、備え付けの磁石でそれを感じ取ることができる。磁鉄鉱などはかなり吸い付きが強かった。

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    埼玉県のゆるキャラ、「コバトン」が誘っている。コイツも後で説教します

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さてその後ろには何やら近未来的なヘッドセットがある。あ!これVRゴーグルじゃあないか!

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「うわーなにこれ!すごいよ!おとうさん。上を見るとドローンが飛んでるよ!」

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VRゴーグルというと、僕は真っ先にこのケン・イシイの名曲のPVを思い浮かべる。

                 今聴いても色あせない

   www.youtube.com

 

    おーし!お父さんも初VR体験してみマース。エクストラ!

         ドンツードンツードンツードンツー(テクノの四つ打ち)

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 うわーすごい、なんだこれ!

 僕はいま長瀞の石畳の上を自在に浮かんでいる。真上を見ると何故かドローンが見える。うぇぇ、ちょっと気持ち悪い。いやあ、でも思った以上にVRゴーグルってすごいね。あと数年したら僕の家にもあるだろうか。

 

まだまだ続くよ 

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埼玉県立自然の博物館で説教

 三連休でした。

 ということで初日は次女と長瀞にある『埼玉県立自然の博物館』へ行きました。


 雨が降っていて長瀞駅前はひっそりとしていたけれど、博物館は全天候型なので子供連れやカップルなのでそこそこ混んでいました。この博物館、今タイムリーです。なぜか。僕は以前この記事をやっつけで書いたのだけれど、最近になってそれなりのアクセスがある。

 字幕がホントしょうもない

 中国をはじめ世界で大ヒットだそうです。そりゃ中国人俳優使ってリサーチ万全だもの、これからますますこういったハリウッド映画は増えるに違いない。

 そして、この「MEG」の人間の主役はステイサムだが、当然サメである「メガロドン」が大フューチャー。そのメガロドンがなんと昔は埼玉で泳いでいたという!

                     ぐおー

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 この映画が話題になるかなり以前からこの博物館はメガロドン推し!入口にはこいつの実物大の歯が展示されてい。きっと数万人の人が記念写真を撮ったことだろう。

                まあ僕も撮ったけど

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 僕ここに来るのは5年ぶりくらいかな。まだ子供たちが小さい時に来たのだ。でも次女はほぼ覚えていないというので、じゃあ割と近いし行こう、となりました。博物館はとにかく楽しいよね。

 あれだけ話題になっている映画「MEG」だけれど、博物館は一切関知せず。さすが公共機関

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 さてメガロドンの歓迎を受け、館内に入るとまず最初に触り放題の剥製コーナーがある。一体何億回彼らは触られ続けたのだろうか。

             タヌキ、キツネ、ウサギ、サルなど種類も豊富

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           サルは、ストレスで毛が抜けていました

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 そうして彼らのあいだに実はこのような猛獣が飾られていたのだ。

               レイザーバック!カガミジシ!

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 鼻息荒く、ウリ坊を守るのに大興奮している様子。ブヒブヒうるさい。

       オラー!静かにしろ!中年男性のイラつきを見くびるなよ!

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        だから!人のいるところでは暴れてはいけないのだ!

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 小一時間若作りオヤジに説教を食らったイノシシ親子は、神妙な顔つきで山へと戻っていきました。

 

 イノシシにいうことを聞かさた僕はいい気分で古生物コーナーへと足を運ぶ。おお!海ユリの漂う古代の海。すばらしい・・・。

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    コイツは「ベレロフォン」という名のでかい貝。こんなのいたらなんかヤだな

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 娘は入口で借りた音声ガイドマシンをバーコードに当てて説明を聞いているのだけれど、エラーが多くてなかなか聞き取れない。たまにうまく再生されると結構な早口で何言っているかわからない時もあった。

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 一方の水槽にはアンモナイトがスイスイ。今もオウムガイが似たような姿で生きているよね。

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 すると、あろうことか、恐竜のホネがアンモナイトを加えようと大暴れ!

               

                暴れていると思ってください

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        大変だ。説教してやらなければ!

 

               だからー、公共の場でうんぬん・・・

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            すいません、以後、気をつけますんで

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 またしても動物をやり込めて気分のいい僕。

 そうそう、今日(9月18日)はそんな僕の誕生日です。あんまり嬉しくないけど。

 

         で、この間僕の部屋にこれが置いてあった。

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      なんだろうと思ってフタを見るとHappy Birthday 9.18と書いてあるではないか

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 え?どういうこと。えーっと・・ええ、すごくないか!

 頭の足らない僕は、365日分の日付が刻印されたカップヌードルが売り出されていて、妻がその中からこの日付を選んで買ってくれたのかと思っていたのだ。それにしても一年分の日付をつけて売り場に並べるなんてどうやったのだろう?

 ・・・よくよく考えてみれば、たまたま僕とカップヌードルが誕生日が同じだけでした。勘違いもいいとこだった。

 

 自然の博物館はまだまだ続くよ

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トイデジのギズモン(GIZMON)でノスタルジック写真 2

     今日もこちらのギズモンハーフDを使って撮った写真の話。

 

            最早使い方を忘れた。充電器もいずこへ?

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     少し離れた、とある町の七夕祭りに行った時の写真。

 

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 娘が持っているのは得体の知れないカラーボール(確かボールすくいとかいうやつでとった)なんだけど、彼女はこれをほしいままにすくって大喜びしていたっけ。そうしてここには撮っていないけれどたしか金魚すくいもしたはずだ。右手にカラーボールの袋、左手に金魚の入った袋でご満悦の次女。

 

             あ、金魚すくいで思い出した。

 

 まだ確か3歳くらいの次女はこの頃、家で空気の入りきっていない、しぼんだ風船をわしづかみにして、

「ウェッ、ウェッ、ウェッ、ウェッ!」

という掛け声とともに何度もふくらませたり、しぼませたりして遊んでいた。

そうして娘は数匹の金魚の入った袋を、それと同じ要領で

「ウェッ、ウェッ、ウェッ、ウェッ!」

といきなりやりだして、金魚が道路へドバー!

 慌てる僕、泣き出す娘。

 すぐに放出された金魚を袋に戻すけれど、魚たちはすでに瀕死。水もほぼ無くなってしまった。幸いすぐそばの金魚すくいで取ったので、テキ屋のおじさんに水を分けて欲しい旨を話すと、水と一緒に、いりもしない金魚を3匹くらいくれた。

 

 ちなみにこの頃僕の家ではちゃんと店で買った金魚を3匹飼っていた。僕はなんとなく魚をそばに置いておきたくて僕自身の趣味で居間に水槽を設置し、毎日眺めては少しリフレッシュした気分になっていたのです。

 ところが、この金魚すくいでもらった魚たちを同居させた次の日、先に飼っていた金魚、全滅!腹を水面に向けてぷかぷかと浮いているではないか。

 菌とかあったんだろうね。そうして残った数匹の金魚も毎日のように死んでいき、とうとうみんないなくなってしまった。水槽の掃除も大変だし、エアポンプのフィルタ交換とかも面倒だったのでこれを機に金魚飼育セットを廃棄処分。生き物を買うのって大変だよ。

 

 さて夏祭りの写真。他にもいくつかいいアジのモノがあったので載せておきます。

 

         炎天下でかき氷をねだる次女。ブルーハワイがお気に入り

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        シャッター商店街の雰囲気を漂わせている地方都市の一角で

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               道の真ん中で、長女

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 こちらはまた別の町のお祭り。お祭りは、よく行きました。ただ、それほど派手じゃないのでお祭り感ゼロ!ただの廃町探訪みたいになってます。

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              こんな凧、あげたとこ見たことない

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 そんな娘たちも今は14歳と11歳 

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トイデジのギズモン(GIZMON)でノスタルジック写真 1

 トイデジがいいなと思って昔買いました。

 トイデジっていうのはおもちゃみたいに小さくて、でもきちんとデジカメとして機能するカメラです。ただ、小さいので機能が詰め込めないし、その体躯に見合った画質の写真しか取れないけれど、逆にその画質に味があるわけなんですよ。非常に作りが小さくてホント、トイです。

 

     今はもう絶版となっているこちらのカメラ、ギズモンHALF D

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 なんとなく味のある写真を撮りたくて買ったのですよ。最初こそあれこれと面白がって撮っていたのだけれど、僕は普段遣いにサイバーショットを使用していて、それと一緒に持ち歩くのがだんだん面倒になってきた。あと、飽きた。

 

           ホントに手のひらサイズ。これで機能満載

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 だから今となっては一万円くらいで買ったこのカメラも、引き出しにぽんと放り投げてそのまま。もったいない。

 味のある写真ってもうアプリとかで加工できるし、やっぱり鮮明な画像の方が見やすいのです。特にフォトジェニックな写真が撮れるわけじゃないしね。でも、その当時撮った写真を見ると、それなりにレトロでノスタルジックな雰囲気をたたえた画像ではあります。

 

 

        昭和じゃないよ、平成だよ。トイデジ写真の雰囲気わかります?

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 確か2011年くらいの夏に凝って撮ったので、ほぼ夏の映像しかありませんし、子供たちを撮ったものばかりだけれど、確かに今見返すとぼんやりとした色合いがいいよね。とはいえ、今使おうとは思わないけどさ。

 

 というわけで、これを見たってなんの得にもならない写真を、敢えて僕のフィールドであるこのブログで載せてみますよ。しゃれたキャプションをつけたいのだけれどうまくいくでしょうか。

 

 

 

                「夏の迷子」

 

 

       地方の寂れゆく駅前の商店街では、ひっそりと七夕まつりが今年も行われていた

 

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    人影はまばら。やけに蒸し暑い日、屋台の売り子の声が蝉の声とともに虚しく響き渡る 

 

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     妙にきらびやかな七夕飾りが、なま暖かい七月の風に揺られ、さらさらと音をたてる

 

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     知らない街に迷い込んだような表情の幼い姉妹。親とはぐれたのだろうか

     

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   歩き疲れたのか、不意に涙を落とす姉。その様子を悲しそうな表情でふと見やる妹

 

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             歩き疲れた妹は座り込み、ひたすら氷を口に運ぶ

 

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     ふと前の店を見ると、絶妙な色合いの軒先。しかし彼女たちを気にする人はいない

 

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          そうして徐々に時間は経ち、すべての色合いが薄れてゆく

 

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   あ!ここにいたんだ!探したよお、お父さんは!よかったよかった

  

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 茶番は終了です。お気づきの方もいるでしょうが、あんなにちいちゃいカメラなのにモードがいくつかあって、白黒なども選べるのです。しかも上の写真はなんとセルフタイマー!

 明日はまた別の写真でお会いしましょう。

 

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受験古文参考書から無理やりネタ拾い

 Z会という有名な教育関係の会社があって、そこからこういう参考書が出ている。

古文上達 基礎編 読解と演習45

古文上達 基礎編 読解と演習45

 

  仕事柄何の気無しにパラパラめくってみると、この参考書、一番最初に載っている例文がいきなり面白くて笑ってしまった。そのことはかなり前にこちらに書いた。

www.otominarukami.tokyo

 そして、他の例文に関してもなんだか妙に面白いものばかりで、選定者の趣味がうっすら感じられる。古文に興味のない高校生を少しでも話のおもしろさで惹きつけようという趣旨なのか、それとも単にこういう話が好きでノリノリで選んだのか。とにかく僕はそのノリが好きでこの参考書を手元に置いてあるのです。

 

 いくつかの例文をご紹介します。

 例えばミエを張ってひどい目にあう婿の話。

 

 婿に入ったアホ男がしばらくは気取って過ごしていたが、カッコつけて少食を装っていた。しかし腹が減ってとうとう我慢できず、妻のいない隙に意地汚くもコメをつまみ食いしてしまった。するとタイミング悪く妻が帰ってきて、男は頬をふくらませたままどうすることもできなくなってしまった。顔は真っ赤、婿は話もしない。心配した妻はそれを腫れ物と勘違いして大騒ぎした挙句、その腫れ物を治療させようと医者を呼ぶところまでいってしまった。しかもその医者がヤブ!

 

「ゆゆしき御大事のものなり。とくとく療治し参らせん」とて、火針を赤く焼きて、頬を通したれば、米のほろほろとこぼれてけり。

 

 医者は熱した針を頬に当てるというバイオレントな治療を決行、その結果頬に穴があいてそこからほろほろとコメが出てきましたとさ、というヒドイオチ。

 

これは『沙石集』という有名な仏教説話集に収録されてます。なんか気持ち悪いね。

 

 次は成城大学で出題されたという話。

 

 あるひと、まだ朝まだき、宮へ参るに拝殿の天井にこちたくもうごめくものあり。いぶかしかりければ、よくよくこれを見るに、大きなる蜘蛛、己が糸にて人を巻き、首筋に食ひつきてゐたり・・・。

 

 ある人が朝早く宮中へ参上すると、なんと大蜘蛛に巻かれている人を発見!その蜘蛛は首筋に食いついている!ロード・オブ・ザ・リング」の大蜘蛛シェロブか!蜘蛛はそのまま逃げてしまい、糸にぐるぐる巻きにされている人を助けると、次のような話を語りだした。

 

 ・・・私は旅のものですが、泊まるところもないのでここを一晩借りようと思っていたところ、あとからもう一人疲れた顔をした琵琶法師がやってきたのです。お互いに旅の話をしていると、法師が優雅な香箱を取り出してこちらに投げて「これがよいものかどうか見てください」というではないですか。そこで右手にとってみるとトリモチのように張り付き、左手で押さえてもまた取れません。仕方がないので両足で取ろうとしたところ足もくっついてしまったのです!

 

 なんだか間抜けな話だけれど、この後法師は蜘蛛に姿を替えて襲いかかるのだ。そうして血を吸っているうちにあるひとに見つけられ命からがら助かったというわけ。香料の箱が罠になって、トリモチのようにベタベタだというところに独特の発想を感じる。出典は江戸時代の『御伽物語』。

 

 次に実戦問題16から。

 

 ある家で雇った女が、自らの首を取って鏡台にかけて化粧をしていたのを主人の妻が目撃し仰天。そりゃそうだろう。主人に相談したところ、下手に動いて恐ろしい目にあうよりは何人かに暇を出してその中の一人にしてしまおう、となった。妻がそのことを女に伝えた瞬間

「さては、何そご覧じて、かく仰せ候ふやらん」

・・・何かをごらんになってこのようにもうしあげるのでしょう!と豹変し、飛びかかってくる!しかし夫はこんなこともあろうかと後ろに控えており、刀で切り倒した。弱ったところをさらにメッタ斬り!なんと年老いた猫だった!

 

 問題文はここで終わり。これなんとセンター試験での問題文。出典は『曽呂利物語』というかなりマニアックな怪談集。

 

 死んだ妻が幽霊となって一晩だけ帰ってくる話などを挟んで実戦問題26は『宇治拾遺物語』、「柿の木に仏現ずる事」。

 

 昔、延喜の帝の御時、五条の天神のあたりに、大きなる柿の木の、実ならぬあり。その木の上に仏現れておはします。京中の人こぞりて参りけり。

 

 ある日突然、実のならない柿の木のてっぺんに仏が現れるという不思議な出来事。京の人はみなありがたがってお参りした。それが5~6日続いたある日、右大臣が末世に仏がいらっしゃるのは変だろ、と正装して高級牛車に乗って参上した。そうしてその仏を脇目もせずじーっと見つめた。すると・・・

 

 この仏しばしこそ花ふらせ、光をも放ち給ひけれ、あまりにあまりにまもられて、しわびて大きなる糞鳶の羽折れたる、土に落ちて惑ひふためくを、童ども寄りて撃ち殺してけり。

 

 この仏はしばらくは花もふらせて光を放ってはいたけれど、あまりに、あまりに見つめられてしなびて、羽の折れた大きな糞鳶(くそとび)となってその姿を現した。そのまま地面に落ちて、もがいていたのを子供たちが寄ってたかって撃ち殺してしまった。

 

 オウ、こちらもバイオレント!僕この話好き。仏の姿をして人々に崇められていた糞鳶の虚栄心が哀れだ。別に悪さをするわけじゃないんだから、少しぐらい多めに見てやればいいのにねえ。そして袋叩きの末に殺されるという。

 この話は右大臣の「いみじくかしこきひと」である様子をほめたたえているが、その一方でニセの仏をありがたがる人々の滑稽さも描いている。いつの世でも人はだまされるのだなあ。

  

 とまあ、いくつかの話を列挙しましたが、疲れましたのでこれにて終了です。また気が向いたらオモロー古典について書きたいですね。

 

話題がないときの古典だのみ

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昭和40/50年代ノスタルジィ 天井裏にいた小学生の僕 (改訂版)

 特に誰も気にしていない昔の記事の復刻です。

 

 屋根裏にあった自分の昔の教科書などを子供と一緒に見るのはとても楽しい。しかし、時に出現するテストを

「おとうさん、あんまり点数よくないね」

 などと我が成績を現在の彼女と引き比べられて少しせつない。彼女は優等生なのだ。

 小学校2年生くらいのテストがぼろぼろ出てくるんだけど、普通このくらいの学年なら100点が当たり前なのに、70~90くらいしか取れていない。昔の僕、出来があまり良くないようだ。

 さて、今日は理科の教科書から。   

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まあ、これといって目ぼしい内容はないんだけど、このページだけは目を引かれた。

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 異様なスケールをもってドロ水が海に注ぎ込む。なにこれ、怖い。まるでディザスタームービーの一場面のようだ。

 人はあまりに巨大なものを目の当たりにすると恐怖や驚きを感じるが、子供がこれ見たら妙な不安をかきたてられそうだ。

 

      そうして、僕が図工で描いたあまりにシュールな抽象画。

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     クスリでもやっていたのだろうか。トゥーマッチサイケデリック

     現代美術館に混ざって置いてあっても解らないのでは?

        この絵に対して先生の評価が裏に書いてあった。

 

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 評価も投げやり。きっとこんな模様を何十枚も見せられればそうなるでしょう。

 

 さて、これ、おそらくは小2か小3で担任の先生が詩の学習の時間、参考資料として僕らに配ったものだろう。自分の好きな詩人の世界観を味あわせたかったのかもしれない。

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 小学生低学年では誰ひとりとしてこれを理解することは不可能だったっだろう。先生も先生だ。よほどこの詩が気に入っていたのだったのだろうか。しかし!今の僕なら理解ができる。そしてあまつさえ、とんでもない間違いを発見。

             野村四郎って誰だ!

       正しくは『体操詩集』で有名な村野四郎ですよ!

              村野四郎 - Wikipedia

 最初にこのプリントを発掘したときの違和感たらなかった。こんな詩人いたっけ?と自分の知識に不安を抱いたものだ。そこ間違えますかね?

 

 まあ、それはさておき、僕の当時の国語のノートを見ると、無理やり書かされた間抜けな詩がいっぱいあったのでおいおいそちらもご紹介します。さて、次はまたプリントの裏の落書きの世界。「ヘンテコマンガ」。

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「へんてこバード」はきっとライディーンが元ネタだろう。壁にぶつかってぐにゃー。「つぎいってみよう」はおそらくいかりや長介。いかにも小学生低学年の発想。隣の鉄棒の漫画、このあとどうなったのかを猛烈に知りたい。

 

     いきなり出てきた切り絵。仮面ライダーXだ。

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 ガムテープの糊が数十年の時を経てベタベタ。ガムテープでX!敵の首領、「キングダーク」の圧倒的な大きさに、僕はおののいていたっけ。

 

     最後は切手の記事に触発されて自分なりに切手を発明。

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             もう少し拡大してみると

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 なにこれ、下ネタじゃん。先生はきちんとアメリカ切手とうちゅう切手、一万円さつ切手(意味不明)には丸をつけてくれているがそれ以外は低評価。まあ、丸する方もどうかしているけど。

 

そんな僕の小学生時代をもとにした作品

kakuyomu.jp

昭和40/50年代ノスタルジィ 屋根裏で見つけた小学生の僕 1 (改訂版)

 一年以上昔に書いた記事の復刻シリーズです。

 

 僕ぐらいの年になると、ふとした折に昔のことが懐かしくなって、ああ、あんなことやこんなグッズがあったなあ、と遡及不可能な過去への思いが生活の表面に浮かんでくることがある。そういう気分をなんとか満たすために僕は結構な昭和関係の本をあさったものだった。ざっと本棚を見たらこんだけあった。

     

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  こんな雑誌があるくらいだから、僕の年代にはこういう需要は結構あるだろう。

昭和40年男 2017年 04月号 [雑誌]

昭和40年男 2017年 04月号 [雑誌]

 

まあ、なんとなくこの雑誌は買ってないんだけど。

  さて、僕の母親はわりと几帳面に僕の資料を残しておいてくれた。以前実家に帰った時に大量にそれを発見し、一旦僕の家の天井裏に保管しておいたのだけれど、ついこの間なんの気なしにそれを再発見した。そこには昔の僕がいた!

 

 まずは以前、このような記事を書きました。

otominarukami.hatenablog.com

この中で僕の小3の時の漢字練習帳を紹介した。で、今回はさらに色々と紹介します。まず当時の社会の教科書がとってあった。

          

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 いかにもサザエさんの日常のようなひとコマ写真である。そうして中の見開きもいい味が出ている。

       

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 今やこんなに繁盛している商店街など、東京の一部にしかないだろう。僕の住んでいる近くの商店街はどこもシャッター商店街。たまにやっている時計屋とか、どうやって生活しているのだろうか。さて、続き。

    

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 これこそ昭和40~50年代といった風景か。僕は小学校時代は川崎市多摩区(現在は麻生区)に住んでいたのだが、例えば小田急柿生駅なんかはこんな雰囲気だった。

    

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 夏の暑さを凌ぐには、せんぷうき。丸みを帯びた、緑色の扇風機が僕の家にもあった。実は数年前までそれを現役で僕が使っていたのだが、さすがにコンセントがダメになって動かなくなった。あと、電話機も一年くらい前まではあえて黒電話を使っていた!さすがにそれも買い換えたけれど、夜中に間違ってジリリリーンとなることがたまにあって怖かった。

       

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 なんとも牧歌的なページ。スーツでこうばに行くのでしょうか。昼休みにキャッチボールとかしたら疲れちゃうでしょ!

  

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            描かれている車があまりにもレトロ。

   

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 こんなの、うちになかったよ。ぼうはんベルっていったいなんだろう?さて、ここまでは当時の教科書。さて、実際の僕の生きた証をおみせしましょう。

     

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 絵が好きだった僕、テストの裏に色々な落書きを残していた。いいぞ!小学3年生くらいの僕!このオリジナリティ溢れるマシン怪獣たちをもう少し近くで見よう!

        

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命名、「タンクーダ」。迷彩塗装が施されているのだろうか。一応関節とかメカニズムを小学生なりに考えているようだ。あと、変形するらしい(中央に描かれているタンク)のだが、あんなに小ちゃくなってしまうのだろうか?

      

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敵キャラらしき、「タイホーン」。ネーミングセンスがいいのか悪いのか。どうやら右の形に戦闘時は変形するようだ。よくこんなの考えたな。

     

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僕、こいつが一番好き。「グンカン・・・ク?」とり・みきの漫画とかに出てきそう。

 

 

今の僕の小説

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