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フィリップ・K・ディック「パーキー・パットの日々」を読む

 平均寿命の半分も生きてくると、折に触れて残された人生の時間の使い道に思いが及ぶことがある。及ぶだけで何をするわけでもないんだけど。そりゃ湯水の如く使える金銭を所有していれば世界の各地に出かけ、欲しいものを手に入れ、それはそれは優雅な生活を送るのにやぶさかでないが、すべては妄想です。

  じゃ、あと経済的に問題のない有意義な時間の過ごし方といえば、僕にとっては読書だろうか。まだ読んでいない本、そしておそらく読むことのない作品が無数にある。あと残り時間で何冊の本が読めるかはわからないけれど、色あせ、朽ち始めた精神を少しでも彩あるものに戻すためにできるだけ本を読みたいと思う。

 そうしてまだ読んでいない作品のうちの一冊を今日も読み終えました。ディックの「パーキー・パットの日々」

 

ディック傑作集〈1〉パーキー・パットの日々 (ハヤカワ文庫SF)

ディック傑作集〈1〉パーキー・パットの日々 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 僕は中学生でアンドロイドは電気羊の夢を見るかブレードランナーの原作)を読んで以来、 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

それなりにディックの作品を読んできたなーなんて思っていたけれど、出版されている作品を見るとまだ半分くらいしか読んでいないじゃないか!甘ちゃん!

 なんとかしてあと2~3年のうちにディック作品を読み終えたい。

 

 さて今回の本は短編集でした。そのうちいくつかの気になった作品をピックアップしたいと思います。

 まずは『変種第二号』。アメリカはソ連との戦争で(この小説が書かれた時代はまだ冷戦中)「クロー」という兵器を開発し、戦況を有利に進めていた。クローとは小さな金属製の球体で、鋭い歯が装備されており宙に浮いて敵を切り刻むというまるで映画「ファンタズム」に出てきたシルバーボール(ご存知の方だけニヤリとしてください)みたいな恐ろしい兵器だ。この機械は秘密の完全オートメーション制工場で生産され、しかも機械は独自に進化を遂げどんどん新種の殺人マシンを作るようになっていた。

 アメリカ軍のヘンドリックスはソ連軍に連絡を取るため一人危険地帯をゆくことになり、そこでデイビッドと名乗る少年と出会う。実はデイビッドはマシンで、人間を欺きひたすら殺戮をするようにプログラムされていた。ソ連軍はすでにデイビッドによって壊滅状態であり、ヘンドリックスは3人のソ連兵(ひとりは少女)と共に再びアメリカ軍基地へともどる羽目になる。ソ連兵によると、マシンはすでにデイビッドよりも更に精巧な人間そっくりのマシンを開発しているという。そして一度基地に入り込んだら殺戮をはじめるという。

 

 あれ、なんかこの話どこかで・・・そうだ!かなり昔に見たピーター・ウェラー主演の映画「スクリーマーズ」じゃないか!

スクリーマーズ [DVD]

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 たしかあの映画の原作はディックだったはずだ。果たして調べてみるとそのとおり。相手が人間なのかマシンなのかお互いが疑心暗鬼になり、殺し合い、最後には・・・。読み手もいったい誰がマシンで誰が人間なのか、全く見当がつかないままにハラハラし驚愕の結末を迎える。いやあ、面白いね。映画も面白かったしね。

 

 しかも次の短編はペイチェックだった。ああ、これベン・アフレックユマ・サーマンで映画化されたやつじゃん。

 アマゾンプライムで見放題なはずだが冒頭の部分で観るのやめてたんだよね・・・よし、原作読むぞ!

 技術者のジェニングスは大企業の機密を漏らさないために仕事が終わったあとは記憶を消去し、高額の報酬を得ていた。あるとき彼はレスリックという人物が経営する会社の事業を引き受けた。その期間、なんと二年。そうして記憶を失ったあとに彼が手にしたのは金ではなく、封筒に入った数個のガラクタだった!

 ジェニングスは茫然自失となる。なぜこんなものを?さらに追い討ちを書けるように彼は警察に逮捕されてしまう。レスリックの会社で違法な研究をしていたという罪状で!記憶のない彼は全く身に覚えがない。しかし拉致された彼はふと封筒の中身を使って車から逃走することに成功する。そしてその後も彼は封筒の中身を使って危機を乗り越えることになる。この小道具の使い方が実に痛快で、よくこんなアイディアを思いついたもんだと感心する。ディックすごい。

 

 短編が非常に面白かったので僕はすぐに映画を見た。え、監督ジョン・ウーだったの?いやあ、なんでこれ当時見なかったんだろう。まあ映画はかなりふくらませた内容でアイテム数も20に増え、サスペンス要素もあるのだが無駄にバイクでチェイスをしたりとジョンウー節も随所にぶち込まれている。当然、終盤で無理やり白い鳩が飛んできてジョン・ウーの作品には必ずどこかで白い鳩が登場します)笑った。タイムパラドックスを考えると何で?となる部分もあるんだけどそこはウーの力技でねじ伏せられる。原作よりもより大仰でハッピーな感じに終わってます。

 

 「にせもの」はいかにもディック的な短編。自分が異星人から送り込まれた自爆ロボットなのか、それとも人間なのかの区別がつかないという自我の境界が曖昧になり、悲劇的な結末を迎える話。

 

 そして表題作の「パーキー・パットの日々」はおそらく「タイタンのゲーム・プレイヤー」のひな形になった作品だね。

 この間読みました

 WIKIにはディックの傑作長編「パーマー・エルドリッチの3つの聖痕」の原型、と書いてあったのでそちらもアマゾンで注文しましたよ。

 

 火星人との戦争に破れた地球人はほぼ死に絶え、かろうじて生き抜いた人々は「まぐれ穴」と呼ばれる地下都市で細々と生きながらえている。地球人類を保護するために火星人は定期的に食料その他の物資を投下しているので地球人は暮らしに困ることはない。では動物園のような環境で地球人は何のために生きているのかといえば、人形を使ったゲームだった。の住人はパーキー・パッドという少女の人形とその家を模型で作り、人生ゲームのようなロールプレイング・ゲームでお互いの模型の備品や人形を手に入れることに夢中になっていた。

 あるとき、オークランドにあるまぐれ穴に住む住人とのゲームが成立し、主人公ノーマンは妻と2人で自分の住むピノールとの中間地点バークリーへ向かう。(タイタンのゲームプレーヤーでもバークリーは重要な都市だった)。そこで目にしたのは、彼らの常識を覆すような設定を持つコニー・コンパニオンという人形だった。

 人形に夢中になる人類の姿が哀しい短編だ。この話からは様々なメタファーを読み取ることができそうだが、めんどくさいので読み取りません。

 さあ、こんどはディックの何を読もうかな!

 

ディック的メタファーはゼロ

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ハンターズ・ラン 読みました。バディものSFだった

こちらの作品

3人の共作という珍しい形のSF 

ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)

ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)

 

 

  はるか遠い未来、人類は宇宙へ進出し、その無限の可能性に多いなる期待を抱いていた。しかし実際のところ、銀河は既に銀のエニェ・トゥルなどの他種族によって探査し尽くされており、人類は彼らが見向きもしなかった未開の惑星を開拓する状況に甘んじていた。

 そんな惑星の一つであるサン・パウロ(この物語はヒスパニック系が進出している惑星が舞台となっている)で鉱山掘師をしているラモン・エスペホは、ある日全く自由のきかない見知らぬ場所で目覚める。

 彼は成り行き上、飲み屋で執拗に同行の女性に絡んでいたエウロパの特使を殺害してしまったのだ。周りにけしかけられ、酔って調子に乗ったラモンは本来なら開拓地のドサクサで逃げおおせることもできるはずだったが、相手が悪かった。

 折しもサン・パウロには銀のエニェが航行途中で立ち寄ることになっていた。宇宙航行技術が発達したとは言え、光速で移動するのは限界がある。それはどんな異種族でも同様で、独自の技術を持つエニェさえも例外ではない。つまり数十年、場合によっては数百年に一度のエニェの来訪の時に特使が殺害されたのである。

 当局はメンツにかけても犯人を検挙するだろう。そこでラモンは、しばらくほとぼりが覚めるまで北の未開の地に出ることにした。

 ラモンは荒くれ者だった。酒を浴びるようにのみ、すぐにいざこざを起こし、彼の情婦のエレンとも喧嘩のしどおしだ。

 

 SFにしては珍しいことに主人公がヒスパニック系に設定されている。そして物語の舞台そのものも「惑星サン・パウロ」という名の示すとおり、ブラジル/南アメリカのイメージが前面に出ている。だからこの後、大森林の描写が出てくるのだけれど、当然読者はアマゾンの密林をそこに重ねるだろう。異星の物語というより、現実の南アメリカのジャングルの中で起きる事件のような感覚で読むという不思議な読書体験ができる。

 

 おんぼろのエアカーで未開の地に到着したラモンはある山腹に違和感を覚える。彼はそこに発破を仕掛け、爆発させる。するとなんとそこに銀色の金属面が現れた。明らかに人工物である。いったい誰が、何のために?なんとなく嫌な予感を覚えたラモンはその場を離れるが直後に四角い、白い箱のような物体が彼を追ってくる。ラモンはなんとかバンにたどり着こうとするが、彼の目の前で車は爆発しそこからの記憶がなくなっている・・・。

 そして目覚めたラモンは見たこともない異種族にとらわれていた。体調は二m以上はある、黒くヌメヌメとした、まるでカオナシのような異星人。オレンジ色の小さい目。そしてマネックと名乗る異星人と彼は喉にサハエルと呼ばれる肉の紐(この発想が出色)によって繋げられ、ラモンは逃げることができない。このサハエルはストーリー上重要な役割を果たしている。ラモンが反抗的な態度をとったり、笑ったり(笑いが禁じられる!)するとこのサハエルを通じて苦痛が与えられるのだ。まるで孫悟空の頭の輪と同じだ。

そして異星人はラモンに命じる。だいたいこんな感じです。

「お前には実行する職能がある、なぜならお前の存在意義はお前のタテクレウデを実行することにあり、それに疑問を持つことはお前がアウブレに傾いていることであり・・・・」

 このあたりは訳出するのにかなり工夫を凝らしたことだろう。異星人の考えを奇妙な文法と単語で表記しているのだ。そしてその試みはかなり成功している。

 

 結局のところラモンは3日前に異星人たちを発見した男を探せという目的を与えられ、マネックとともにジャングルを南下することになる。

 様々な逃走する男の痕跡を発見し、追跡するマネックとラモン。しかし少し読むうちに気づく。おや、この逃げた男ってラモンじゃないのか?何らかの理由でもうひとりのラモンが存在し、本物を追跡させられているのでは?

 

 果たしてその疑問は予測通りで、マネックと一緒にいるラモンはラモンの複製だった!本物のラモンは逃げる途中で指を吹き飛ばされたが、かろうじて逃げおおせた。そしてその指の細胞から作られたのがハンターラモンだというわけだ。ただ、この話のミソは個体をそのまま複製するだけではなく、経験や記憶までもそっくりそのまま移植されているという点だ。だからハンターラモンはまだ若く、本物ラモンとは多少の容姿の食い違いがあるのだがそれもいずれは彼そのものになるという。

 

 追跡途中にその事実に気づくハンターラモンは愕然とするが、マネックと肉の紐=サハエルでつながれている彼は自分の分身を追跡するしかない。しかし、本物のラモンはしぶどい男だった。まず彼らの乗る白い乗り物を罠で破壊することに成功する。

 船は使いもにならず、マネックもまた負傷する。仕方なく徒歩で追跡する彼らだが、ラモンはそのうちにサハエルを通じてラモンはマネックたちがなぜこんな辺境の星にいるのか、その理由を知る。マネックたちはなんとこの時期にちょうど惑星サン・パウロへ立ち寄った宇宙航行種族の銀のエニェの食料種族だったのだ。

 だからマネックたちはエニェたちに見つからないような辺境の惑星でひっそりと暮らしていたのだ。しかし、そこへラモンがやってきて彼らを発見してしまった。もしラモンが都市に辿り着きそのことを報告すれば種族の絶滅は必至だ。

 一方でラモンはエニェが辺境に人類を連れ出し、自由に活動させているのはマネックの種族を発見するためではないのかと考え始める。とどのつまりは人類もエニェに利用されているだけなのだ。

 

 このあたりからマネックとラモンの関係に若干の変化が見られる。このへんまで読んで僕はあ、これバディものだ!と理解した。いわゆる相棒どうしが活躍する話だ。その変形じゃん。

 徐々にラモンを追い詰めるマネックとハンターラモンだったが途中、森の凶暴な獣チュパカブラに襲われた際に、マネックはその獣と格闘になり、はずみでサハエルがラモンの喉から離れた。ラモンはその隙を逃さず逃げ出す。

 

 さてここからどうなるのか?なんと今度は本物のラモンと出会うのだ!しかし本物は若いハンターラモンを自分とは思っていないようだ。そして今度はこの二人のバディものになるのだ!

 

 物語はこのあと彼らに相当な試練を与える。二人のラモンは?マネックの行く末は?三人の叡智が作り上げたこの小説は思いもよらない展開を店、最後は粋な終わり方を迎える。

 とにかく異星の話というよりはアマゾンのジャングルを探検しているような錯覚に陥る、不思議なSF作品だった。

 

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無印良品の極楽浄土ソファ、ウチもにあります

   こんにちは。なるかみです。今日はなんですか。僕はもう50年近く生きております

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巷で評判の人をダメにするというこちらのソファ。様々な媒体やブログ等でもかなり取り上げられているので有名だと思います。

       www.youtube.com

 

 僕自身はそれほど興味はなかったんだけど、半年ほど前に妻が娘と無印良品の店に行ったときに現品で安く売っていたのがいたく気に入ったらしく、購入してきました。

             そこそこの大きさだけど、それほど重くはない

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           じゃ座るか!

                   でーん

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                 わー気持ちいー

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    めちゃめちゃ体にフィットするのです。これ考えた人、天才でしょ。

 子供も妻も僕もみんなこのソファがお気に入りで、休日は娘と一緒に座ってたりしました。あまりにこのソファを気に入った妻は

「もう一つ買う」

と宣言し、その通りに買ってまいりました。

                どーん 

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      さらにはオットマンも購入してしまうという。

          でも実際ほとんどこのオットマン使いません

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 それにしてもこの極楽浄土ソファの2セットはすばらしい。1つでも素晴らしいのですが、さらに2つ使うことによってこの上ない快適な状態に体を預けることができるのだ!

 

 おお!このフィット感!僕の体を僕の体の形のまま、優しく受け止めてくれるこのソファーは何者にも代えがたい!いつもでもこうしていられる、いやもうここから動きたくないよ。

             ダメ人間を作るというのも首肯できる

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 こう並べて寝ると、おそらくベッド以上に快適。なんてったって体にフィットするのだから!頭側のソファの方が若干硬いので、ほどよくバランスも取れている。僕はいま、極楽浄土にある蓮の池をお釈迦様と散歩している気分だ。雲の下から覗いて見えるのは地獄だろうか。あそこにいるのはカンダタだろうか。

                    もう動きたくないよ

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 僕は基本午後から仕事が始まるので、出勤前毎日30分ほど昼寝をするのですが、このソファが来てからというもの、ほぼこの形で寝てます。

                僕の寝姿見ても面白くないですよね

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 そして常に片手にはアマゾンキンドルファイアスティックを持ち、孤独のグルメ 

 を永遠にだらだらと見るという至福の時を過ごすのです。

              ゴロー、イ・ノ・カ・シ・ラ

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 あー面白いなあ。いつまでも見ちゃうなあ・・・あれ!もうこんな時間!むちゃくちゃ行きたくないけど会社行かなきゃ!異空間を通って!じゃ行ってキマース!

                         ぶわーん

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何だ今日の記事

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素晴らしき地方B級博物館/高崎市歴史民俗資料館バンザイ

 一回で書き終わるかなと思ったこちらの博物館の件、三部作になりました。最近ぶらっとプチトリップばっかですね。

 さて地方博物館の割に(失礼)充実しているこちらの2階で見たものをご紹介。

                 スリッパを脱げば上がれます

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 僕は相当数この手の昔の住居を再現した博物館に足を運んでいるけれども、ここはその中でもランクが高いと思います。向こうに飾られているのはインバネスコート。シャーロック・ホームズっぽい。そしてここにはこれまた沢山の昭和レトログッズがこれでもかという具合に展示されてます。

 2年くらいまでこの黒電話を我が家で使っていたという驚きの事実。ちゃんと機能していた

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 常備薬の箱がなんだかかっこいいぞ。

     ハエたたき、風情があっていいね。どこかに売ってないかな

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 そいういえば、何年か前までウチにも富士薬品の常備薬があったんだけど、ほぼ使わないのでいつも来る愛想のいい営業のおじさんにその旨を伝えたら「あぁーそうですかぁ・・・」と本当に残念そうな顔をしていたっけ。急にセンチメンタル!

 

 以下、急性昭和レトログッズ中毒になるくらいの量が展示されてます。

  スケートの紐結ぶ間もはやりつつ            こちらは殺虫剤だそうです

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  うわーこのテレビ欲しいよう!若い世代はすでにブラウン管とか知らない人がいるに違いない

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 こーゆートースターは僕が子供の頃にあった       これはパンを挟んで焼くのか?

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天体望遠鏡の隣にあるのはなーんだ?  正解:乳母車でした(ベビーカーって言わなきゃ通じない?)

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          このあたり、手当たり次第に写真撮りましたが、思い入れなし

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 さて民俗資料館さらにこんな展示まで!まあ、奥に風呂セットがあるわけじゃないんだけど。そういえば上野にある民俗資料館は番台があったな。

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興味深かったのは、女性は髪を洗う分、料金を多く取られたということ。

         下の「かみ洗札」というのを購入するんだって

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        もういい加減飽きて休憩してます

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         最後の間は高崎城の思い出コーナーです。

          城の復元模型があるがロクに見ていない。カゴには少々興味

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        残念ながらこのようなお達しが。江戸東京博物館のは入れたのにな

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さてようやくこの資料館も終わりとなります。結構時間潰せた!タダだし。またこの手の施設を探して制覇しますよ。

     入口にあった古い郵便ポスト。その横の注意書き。人はそんなに愚かだろうか?

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本日テキスト少なめ写真多め

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地方でひっそり博物館やってます/高崎市歴史民族資料館で収穫

 ネットでB級スポット扱いをされていい面の皮である「高崎市歴史民族資料館」。まあ、ある意味B級スポットですな。でもB級スポットのあの独特なヘンな空気感はないです。あくまで真面目なマイナー博物館です。

 今日はその2階へ上がります。

 でも踊り場にはこんなすごいものが展示されていた。何でも牛にかぶせたらしい。

             龍の目がギョロギョロと血走っていて怖いよ!

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        ヤッター!2階に着いたよ!さて何があるのかな。

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 いきなり履物屋がありました。

                  いらっしゃーい

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草履や下駄はファッションとしてのバリエーションの選択肢が少ないね。昔の人は鼻緒などにこって粋を感じさせたんだっけ?店の奥にはドイツ製のストーブがちんまりと納まっていた

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 戦時中の資料のエリアもありましたが少々ヘビーでした。万葉集の歌に託して家族にメッセージを送ったとか・・・。そしてとなりの部屋はすごかった。

       昔の教室がそのまんま再現されている。でも客ゼロ!  f:id:otominarukami:20180504213414j:plain f:id:otominarukami:20180504213619j:plain

 

 後ろにある当時の学習教材の展示は興味深いです

                この辺はもう僕の親世代になるな

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 そういえば僕の親父は戦争中あまりにひもじくて、友人たちとスイカ畑からスイカを盗もうとしたか盗んだかで、畑の持ち主ににえらい怒られた(おそらく殴られたのだろう)という話を昔していた。大変だったのだなあ、と自分の親の悲しい話を聞き複雑な気持ちになったことを覚えている。

 あと、親父は若い頃銀行勤めをしており、新品のスーパーカブに乗って営業をしていたのだが、ほどなく事故ってカブは大破、スーツはボロボロになったという話を聞いた時も同じ気持ちになった。

 

 こんなポスターを発見。

「児童教訓 平和の家庭 帝国児童研究会編」と書いてある。右下は御真影を皆で拝んでいるのだろうか。あと黒板に男の子が書いている字は「忠孝」だ。

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 さらにその下。戦前はこのように皆このように子供が親に礼儀正しい挨拶を交わしていたのだろうか。朱子学的生活が当時としては当たり前だったのでしょうか。昭和平成に生きた僕からしてみると想像もつかない。    

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     一日の節目節目で逐一親に礼儀正しい挨拶をしている子供達 

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 こういう生活があってこそ落合直文

 父君よ今朝はいかにと手をつきて問ふ子を見れば死なれざりけり

 という歌が実感として迫ってくるのだろうと思ったりしました。

 

こちらは教室の備品

      幻灯機に         石炭ストーブ      給食の食器とミルクポット

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             さてこれはなんでしょう

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        正解:弁当あたたる棚でした。よく見ると下に練炭?がある

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         きゃー!ダルマやハリボテの招き猫にに襲われるう!

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 お嬢ちゃん失礼な。全身真っ赤でひび割れてっけど誇り高き群馬の名産物ダルマをもっと正当に評価するべきですぞ。だるま弁当を食え!

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 怖いのでとなりの展示室へと逃げ込みました。するとそこはまた驚きの展示が。思わず「すごいなー」と声が漏れる。

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また明日に続く

 

 

    後、これは見たい!犬ケ島!超面白そう!ストップモーションアニメ好きとしては!

    www.youtube.com
www.foxmovies-jp.com

 

 

いや思いのほか展示が充実しすぎてまた明日に続きます

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充実の高崎市歴史民俗資料館/地方博物館の面白さ発掘

 僕は美術館や博物館が結構好きで、色々行きました。つい数日前も国立科学博物館で『人体展』を見学してきた。

こちらは大混雑 

www.otominarukami.tokyo

 でもね、こういうメジャーにはない良さがある博物館も色々あるわけですよ。ちょっと検索してみただけでも自分の住んでいる地域にこんなにたくさん博物館ってあるのか!と思うこともしばしば。

 今年のGW、僕なんと9連休でお金はないけど暇はたくさんできた。おかげで色々本を読んだり、どうしようもないデッド映画を観たりと非常に有意義に過ごしております。

 そして今日は特に予定はなかったんだけど、「埼玉・群馬B級スポット」で検索してみたところいくつかの興味深い結果が出て、その中でも一番有望そうなこちらに来てみたわけですよ。

 その名も高崎市歴史民俗資料館』

今日のお供は中2の娘。娘たち、いつも父の変な趣味に付き合わされる。報酬はスタバのラテでした。

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 ネットで調べてみたところ、昭和の暮らしの展示が充実しているとのこと。しかもなんと入場料は無料!建物は群馬のど田舎の官舎を移築したそうです。思いのほか大きくて期待が持てそうだ!

 

 中に入るといきなりこんなに広い。まずは廊下を進んで左手にある「氷」の幟が誘う『だがし屋』という展示室に入ってみる。

 ガラスのケースには土器が展示されている。群馬・埼玉はどこでもこの手の出土品が飾られている印象。ちょっと掘るとすぐに古代の遺物が出てくるのだ!

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「だがし屋」の展示はかなり充実!しかし地方マイナー博物館の常で、客ゼロ!

            今はGWですよ!僕の判断は正しかった

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 では展示をご紹介します。

こぢんまりしていて、あまり系統立てて展示されているわけではないんだけど、モノは結構懐かしいものがそろっている

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      上右のゲームやラジコンをもう少し詳しく見てみよう。

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「パーフェクション」とか、40代後半以上の方にとっては懐かしすぎるでしょう。それから右のラジコンのラインナップ、すごすぎ。僕は6輪タイレルフォードのラジコンをどうしようもなく欲しくて、お年玉を貯めて買ったはいいが、すぐに壊れてしまったという寂しい思い出があります。

 「ニュー魚雷戦ゲーム」もやってみたいなあ。僕の世代だとむしろ映画「バトルシップ」の原作(エレキゲームが原作ってすごいよね)となったゲーム、「ニュー・レーダーサーチ」のほうが親しみがある。ああ、僕の持ってたレーダーサーチ、どこへ行ってしまったのだろうか。死ぬまでにもう一度やりたい。

 

 あとは、とにかく古いものなら何でもいいから展示しちゃえ!という感じが漂ってくるものが多い。

          一応「食べられません」という注意書きがある

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マーガリンの箱とかキャラメルの箱が雑に置いてありました。ビッグレーシングはやりたい

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 さて結構楽しめた「だがし屋」のとなりの展示は「昔の暮らし」です。

         突如出現する囲炉裏。でも火は燃やせません  f:id:otominarukami:20180504190137j:plain f:id:otominarukami:20180504190549j:plain

     この部屋、あまりに情報量が多くて逆にささっと鑑賞するのみ

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 昔のくらしのとなりの部屋は高崎市内にあったという名曲喫茶「あすなろ」の展示が中心。奇しくも特別展示がこの「あすなろ」でしたが、いまいち僕の世代ではなくピンとこな。

 ご覧のとおり、やたらとボンボン時計があちこちに飾られている。もうすこしこの部屋が喫茶店ぽく演出されていたら良かったのにな。

         なんか押し入れみたいなところに無理やり蓄音機とか

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オープンリールなんてもはや若い人にはなんだか解らないだろうな。あと蓄音機も。

            オープンリールデッキ、昔のコンピューター感がすごい

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 あとは雑多に使いようもなさそうな楽器がテキトーに展示されていた。

       大太鼓、バイオリン、尺八という楽器としての共通性を見出すのは困難な状況

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 廊下には少し前に公開されたキングコング 髑髏島の巨神」と自衛隊スペシャルコラボポスターが貼ってあった。これ見て入隊する人いるの?むちゃくちゃ絶望的な戦いを挑んでるんですけど・・・。

          特に上官がサミュエル・L・ジャクソンだった日には

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    さて一階の展示を心ゆくまで堪能したので2階に上ります。

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2階はまた明日!

kakuyomu.jp

 

ブックオフ280円CDハンター/デビッド・ゲッタ・KILLERS・FPM・ビースティ・プライマルなど

   昨日に引き続き。ブックオフで買った安価で良質なCDの紹介です。

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 デヴィッド・ゲッタは数年前にリリースされて、売れたし、相当話題になってた。

            二枚組でお買い得。売れたCDは安くなる宿命

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 ジャケットは気になっていたんだけど、どうも僕の好みのエレクトロニクスではなく、アゲアゲというの?パリピー向けというのか?アマゾンでプライムで聴いた時の印象がそんな感じだったんだよね。

2011年の最新EDM(エレクトロダンスミュージック)

  でもなんというか2枚組というお買い得感が僕にこのアルバムを手に取らせてしまったのだな。まあ、思ったとおりヴォーカルアルバムはアゲアゲの、それなりにハッピーでチャラい感じのサウンドでうーん、失敗かとも思ったけれどなんとか我慢して聴くと中にはしっとりとした感じのものあって聴けた。

                 これは確かにいい曲だ

   www.youtube.com

こんなこと言ってるけれど、フューチャーされているヴォーカリストはその筋ではそうそうたるメンツのはず。2011年度のメインストリームミュージックだったのだろう。でも僕よく知りません。それよりもむしろ2枚めのインストアルバムは相変わらずのチャラさはあるものの、テクノ度が高くてよかった。まだまだ勉強不足。

 

 こういう凝ったジャケットは必ず何かしらあるに違いないと思ったらファンタスティック・プラスティック・マシーンのベストアルバムだった。

             こちらも二枚組で豪勢。シールもついていた

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 今や日本を代表する大物DJであるFPM、デビュー盤からすごかった。唯一無二のサウンド。FPMってちょっと聴いただけでも「あ、これFPMぽいなー」と感じるほどの個性がある。全然意識せずに何かのリミックスアルバムを聴いているときでもひょっとしてこれFPMのリミックスじゃないか?と思うと100%そうなのだ。で、こちらはほぼ知っている曲ばかりだったけれど、それなりのお得感はあります。

 下のビューティフル・デイズは間違いな名曲だし、「ゲームセンターCX」でレトロゲームをランダムに紹介するときに流れる「うーううーうーうー」というコーラスで始まる曲がFPMだと言えばああ、あれかと思う方もいるでしょうか。

     www.youtube.com

 

 

 THE KILLERSセカンドアルバム。

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アイアン・メイデンのポール・ディアノがやっていたキラーズとは全くの無関係です。今時ポールの方なんて、誰も知らないか!

                この曲でファンになりました

     www.youtube.com

 THE KILLERSは1ST、3RDと持っていて、最初イギリスのバンドかとも思ったほどのニューウェーブ色の強いバンドだ。で、バンド自身もイギリスで人気がある。キュアーのロバート・スミスを彷彿とさせる歌い方はまさにニュー・ウェーヴ。2枚持っているアルバムは素晴らしいのでこれは購入即決定。このアルバムも間違いなかった。それほど複雑なことをやっているわけでもないキーボードがいかにもニューウェーヴ的な味付けに貢献している。

          こちらがポールが歌っているメイデンの「KILLERS」名曲!

   www.youtube.com

 

 こちらもリリースを知らなかったプライマルスクリームの(わりと)最近のアルバム。

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 僕がプライマルを最初に聴いたのは「バニシング・ポイント」だ。あのころは色々なバンドが新しいサウンドを生み出していて、プライマルもそういうバンドの一つだった。ストーン・ローゼズにはいまいちハマれなかった僕も、プライマルはハマった。バニシング~アルバムのコワルスキーなんてムチャクチャかっこよかったもんな。

             ケイト・モスが出ている!豪華!

   www.youtube.com

で、さらにその後彼らはエレクトロニクス方面へ走り、まさかのエクスターミネーターというアルバムと、ケミカルブラザースとの関わりで、スワスティカ・アイズという名曲を生み出した!1STと全然曲調違うし!

                  このビデオもすごくない?

     www.youtube.com

あと、キル・オール・ザ・ヒッピーズってなんだかコーネリアスの69/96に曲調も、サウンドも似てる。

         ユガッタマネー!アガッタソウル!

     www.youtube.com

 

その後の「イーヴル・ヒート」アルバムも持っているハズなんだけど、ほぼ記憶なし。

 で、こちらはさすがにエレクトロをやり尽くしたからか、ストレートなロックに回帰している。 

 音楽的な新しさがあるかといえばそうではないけれども、水準以上のロックアルバムであることは間違いない。

 

 

 

 やたらとジャケットが豪華なビースティ・ボーイズのアルバム。

                   広げるとこんなに長いの

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トゥ・ザ・5ボローズ / TO THE 5 BOROUGHS (CCCD)

トゥ・ザ・5ボローズ / TO THE 5 BOROUGHS (CCCD)

 

  ビースティのアルバムを最後に買ったのがなんとハロー・ナスティでなんと1998年!そんなに昔だったのか!

                MCAがまだ元気だ・・・

     

スレイヤーのリフをサンプリングしたり、ハードコアパンクをやったりという姿はもはやこのアルバムには皆無で、なんだろう、パブリック・エネミーが出した新譜ですよ、と言われればああそうですかと思ってしまうような内容。ヒップホップ色がかなり強め。実はまだそんなに聴いてないっす。

 

 

 とこんな感じで買って聴いてます。大きなハズレはなかった!こんだけ買っても3000円くらいだから日本盤を一枚買うよりもかなりお得!これだからブックオフ280円コーナー漁りはやめられない。ひと月に一回はブックオフですかね!

 

最近同時にアマゾンでカーディガンズスーパーグラスの旧譜を安く買い集めるということをしていましたが、そちらはまた別項で記事書きたいと思います。

 

やっぱ音楽でしょ

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