音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

ZOZOで服を売って買って売って

 以前ゾゾタウンで服を売った。

otominarukami.hatenablog.com

 

 思いのほか買取価格が高く、23点で20000円近くのゾゾポイントをもらった。現金で受け取ることもできるのだけれど、僕の場合どうせまたゾゾで買うので一割増でポイントをいただく方を選んだのだ。

 

 売った服は何年もかけて集め、かつ相当な金額を使っているのだけれど、失うときは早い。まあ、着ていないものばかりなので置いてても仕方ないよね。そうして溜まったポイント、すぐに使っちゃった。早。

 

        そうしてポイントはこちらの服になりました。

                まずはコートとブルゾン。

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 どちらもZOZOUSEDです。というか、もうここでしか服が買えない。

 おじさんだからこそ鮮やかな服を着たいと思い、きれいめプルーのステンカラーコートを即買い。ブランドは「BLUE WORKS」、トゥモローランドのオリジナルですかね。最近はセレクトショップが色々とオリジナルラインを展開しているのでわかりづらい。お値段はなんと6000円!安い!元値は4万円ほどだからお買い得だ。状態もすこぶる良い。以前ご紹介したマッキントッシュコートのような質感と形。

   何故かこの記事よく読まれている

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 日陰で色がくすんでいるけれど、本当はもっと綺麗な水色。派手かなと思ったけれど、実際着てみると思いのほか違和感はなかった。黄色とかだとちょっと恥ずかしいけれど、赤とか青なら大丈夫ですかね。こちらは毎日チェックしているZOZOUSEDの「本日発売」コーナーで見つけたとたん購入。

              フードは少し子供っぽいので取り外すかな・・・

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 もう一方のブルゾンはギルドプライム×ヒュンメルというブランドどうしのコラボ。

                めちゃめちゃ僕好みのデザイン。

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 ギルドプライムは、かのバーバリー(ライセンスが切れて売上が大変らしい)を取り扱っていた三陽商会の展開しているブランドだ。この会社のメンズラインのデザインは洗練されていて、なおかつ無理のない値段設定(それでも高いけど)であるので僕はライセンスが切れる前の「バーバリー・ブラックレーベル」の服を10年くらい前まではよく買っていた。

 

 実際ブラックレーベルって本家バーバリーの名前を借りただけで、デザイン的には関係ないんだけど、それ以前の「バーバリーラシックス」という名前の頃から僕は気に入っていて、独身の頃は伊勢丹とかでスーツを買ったりしていた。

 もうその値段では絶対に買うことはできないけれど、腐ってもバーバリーの名前を冠しているだけあり二十年近く前のスーツはしっかりしていて、デザインも英国風でトラディショナルであるから今も十分に着ることができる。

 僕は当時、青のストライプの入ったウールのスーツを血眼で探していて何軒も店を見たあとに理想のスーツを見つけた!と喜んだものだ。

 

 三陽商会バーバリーを失ってからマッキントッシュフィロソフィーなどを展開しているけれど、僕はオリジナルラインのラヴレスやギルドプライム、エデュケーション・フロム・ヤングマシーン(ヤングじゃないけど)といったおそらくブラックレーベルと同じデザインチームが手がけている服が好きだ。つっても数年前に一度、代官山の店舗に行ったきり実際には訪れて買うことはありませんけど。こうやって少し安くなった服を毎日目を皿のようにしてゾゾで探して買うわけです。

 

 こちらは一万円で売り出されていたのだけれど我慢して値段が下がるのを待ち、9000円になったところでライバルの多さにビビリ(20人くらいがウォッチリストに登録していた)、残ったゾゾポイントすべてをつぎ込んで購入。実は同じ服が少し以前に楽天で出品されていたんだけれどあっという間に売れてしまったという経緯もあって、一期一会の服、買ってしまおう!となったわけです。

ものすごく作りがしっかりしていて、「高い服だ」と思えるディテールもある。

このジップの持ち手(YKKなのはご愛嬌。RIRIとか使っていたら良かったんだけどね)、ゴム製で持った時の感触が良い。

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 ファ板などではギルドプライムとか「ふーん」みたいな扱いをされるけれど、僕にとっては十分素晴らしいブランドです。お金もないのにヴィトンとか買ってもね・・・。

 

 さて、この二点ですでに19、000ポイントのうち16、000ポイントを使ってしまったわけですよ。残りはどうしたかというと、こちらを購入。

よく知らないとこのショルダーバッグとザラのシャツ。合わせて3000円位。ショルダーは新品。

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 僕は普段遣いはショルダーが一番楽だと思っているんだけど、このショルダーの留め具の使い勝手がいまいち悪く「うーん」て感じ。

 

 あともう一点はプレッジというブランドのネルシャツを800円で買ったんだけど、サイズがちいちゃくてパンパンだった!おかしいなー、確かめたんだけどなー。

            じゃ、売るっきゃないっショ!

ということで味をしめた僕は柳の下を狙って再び着ない服をかき集めて売ることにしました。まずこちらのミスターオリーヴのモッズコート。

 背中のターゲットマークに一目ぼれして大枚叩いて買ったはいいのだけれど、なんだかサイズが微妙に大きく野暮ったくってあんまり着なかった。あと、生地が固くて車の運転に不向き!きっとゾゾならそれなりに買い取ってくれるだろうと踏む。

      あとフードがゴワゴワしていて首に擦れていたい、という致命的な欠陥が。

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そのほかダイエットブッチャースリムスキンのブルゾン、ビームスのジャケット、WJKのパンツ等が屋根裏にあったので売ることにする。

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      さて、ゾゾからはこのように一番大きい箱が送られてきた。

               アクセサリー袋も入っていた。

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 服を詰めたあと、まだ若干スペースが空いていたのでラコステのシューズを一生懸命ゴシゴシ荒い、十年以上使っていないタグホイヤーの時計も売ることにする。

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 さて、ぱんぱんに夢を詰めた箱を業者がやってきてゾゾヘと運ぶ。一週間後、結果はどうだったか。

 

メールが来ました。

 

【2017年12月7日】ZOZOポイント付与の手続きが完了しました。
ポイント付与予定日:2017年12月7日(木)
【お取引内容】
査定点数:13点
売る:7点
返却:6点
ZOZOポイント合計(税込):17,274ポイント


 内訳を写真に収めなかったんだけど、コートが6900円、ダイエットブッチャーやビームスは2~3千円?くらいだったかな。こんなもんかな。WJKのパンツは思いのほか高かった。

 逆に意外だったのはタグホイヤーが「需要のないブランド」ということで買取不可だった!なんで?二万円くらいになると思っていたのにな。ちなみに一生懸命洗ったラコステはやっぱり買取不可でした。

 じゃ、またこのポイントで服買うかな!

 

服のこともホンの少し

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WE ARE THE PRODIGY! ザ・プロディジー無双 3

 「THE FAT OF THE LAND」というモンスターアルバムをものした彼ら、しばらく停滞する。リアムはDJアルバムを発売。

 

リアムの音楽的ルーツが垣間見れて興味深い。ロック色が強い。

Dirtchamber Sessions 1

Dirtchamber Sessions 1

 

 

 またMCのマキシムもソロアルバムを発表。

 このCD、持ってません。 

Hell's Kitchen

Hell's Kitchen

 

 

 このアルバムのインパクトはとにかくPVにつきる。スカンク・アナンシーのSKINをフューチャーしているんだけど、とにかく彼女がこわい。

             目から何かが生えてるんだけど!

    www.youtube.com

  

 そんなことやっているうちにリリースされたシングルがこちら。

               ビデオは面白いんだけどね。

    www.youtube.com

 

 正直、音楽的なインパクトは薄れてしまっている。メディアでも評判は散々で作りかけていたアルバムを破棄するという事態に彼らは陥る。そうやってリリースされた次のアルバムがこちら。

 タイトルが長い。なんかダリの絵みたい。

オールウェイズ・アウトナンバード・ネヴァー・アウトガンド

オールウェイズ・アウトナンバード・ネヴァー・アウトガンド

 

 

 うーん、ロックアルバムとしては高水準なんだけれど、プロディジーのアルバムとしてはどうかな、というのが当時の感想だった。一曲目から「ナチュラルボーンキラーズ」などで有名な女優のジュリエット・ルイスがヴォーカルを取るなど、従来のメンバーのキース、マキシムが参加していない。

 

             完全にテクノではない、インダストリアルソング。

     

www.youtube.com

 このアルバム、僕個人の感想としてはプロディジーのアルバムの中でも一番とっつきにくい。曲の放つ攻撃性がすごくて聴いていてヒリヒリするのだ。それはシングルを酷評されたリアムの怒りの結晶が散りばめられているからか。とにかくパンキッシュで刺々しいサウンドなのだ。

 

こちらの曲も同様の攻撃性に満ち、ディストーションのかかった声が刺さる。ビデオも少々狂っている。

     www.youtube.com

  

 正直このアルバムにはそれほどハマれなかった僕は「プロディジー、もう終わりなのかな・・・」などと勝手な判断を下していたのだけれど、2009年に彼らは再び世紀の傑作を発表する。『インベーダーズ・マスト・ダイ』!

 すごいタイトル

インヴェイダーズ・マスト・ダイ(DVD付)

インヴェイダーズ・マスト・ダイ(DVD付)

 

 

先行シングルの「OMEN」を聴いた瞬間、「今度のプロディジー、すごそうだぞ」という予感がひしひしと感じられた。

      無条件でカッコいい。テンションコードでベースが下がるところの心地よさ。

     www.youtube.com

  この曲を作れるのはやはりプロディジーしかいない!今をときめくCROSSFAITHもこの曲をカバーしているし。

                    わりとそのまま。

     www.youtube.com

 

 このアルバムはとにかく捨て曲がない。僕は「FAT OF THE LAND」って数曲聞かないものがあるんだけど、このアルバムに関してはあまりにトータルの完成度が高くて何度も聴いてしまうのだ。

 

この一曲目からのワクワクする感じ!そして「WE ARE THE PRODIGY!」という宣言が鳥肌ものだ!    

     www.youtube.com

 

                プロディジー流のノリノリロック。

     www.youtube.com

 

こちらは懐かしの早回しヴォーカルサンプリングがされており、昔のプロディジーサウンドを彷彿とさせる部分も感じられる。

                    私を病院に連れてって!

       www.youtube.com

 

 プロディジーを知らないあなたが、もしアルバムを聴こうと思ったならば、僕は「THE FAT OF THE LAND」よりもこちらをオススメします。とにかくアルバムの統一感があって、曲の粒もそろっているから。実際、僕の会社の同僚はこのアルバムを聴いて「カッコイイっすね!ダビングしてください」と言ってきた。普段、音楽を聞くような彼ではないのだが、そういう人からしても優れたアルバムなのだ。

 

 さて、今一番新しい彼らのアルバムはこちら。

    もはや円熟の極み

The Day Is My Enemy

The Day Is My Enemy

 

 

 こちらも完成は当然ながら高い。

           最初のリフがトリッキーで不思議なリズム感

   www.youtube.com

 

            なんだこのビデオ。へんなの。

   www.youtube.com

 

 こちら、インベーダーほどは聴き込んでなくて、あれ、こんな曲あったんだ状態。久しぶりに今夜聴きます。

 

              プロディジー無双 おしまい

 

読んで読んで読んで

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WE ARE THE PRODIGY!  ザ・プロディジー 無双2

きのうのタイトルがスペルミスで「PODOGY=プロドジー」となっていた。恥ずかし。

今日は彼らの初期の作品群から。

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 プロディジーの2NDアルバムに大ハマリした僕はすぐに1STを購入。

エクスペリエンス

エクスペリエンス

 

 

 このアルバムはまだテクノ/レイヴ/トランス色が強いけれど、すでにして彼らのあの中毒性のあるリズムパターンが完成されており、大音量で聴くと頭がくらくらするほどのグルーヴ感。

まだこの頃はキースはそこらへんのアンちゃん。今のカリスマの微塵もない。リロイ、ダンスは上手い。

     www.youtube.com

 

 ちなみにかなり昔に「タモリ倶楽部」で彼らの「FIRE」が取り上げられて、大爆笑した記憶アリ。

「へんなおっさゆうたこんどはいいじまにしよほかにしよほかにしよほかにしよ」

  FIRE、すごいいい曲なんだけどな。この頃、こういうラガ的なフレーズが多い。その一方で「チャーリー」のようなテレビ番組から取ったセリフを効果的に使う曲とか。

    この曲に限らないんだけど、最初の頃っていろんなミックスがあって訳がわからない。

      www.youtube.com

 

 その後、2NDのリミックスアルバムが発売され、

  僕はこの三枚とマキシシングルをとっかえひっかえ聴いた。初期の彼らの姿が堪能できる輸入盤のビデオも買った。

 エレクトロニック・パンクスというタイトルは言い得て妙だ。キースの顔はまるで亡霊のよう。あっ、あの一時期、一部で話題になったホラー映画じゃん。

            ンボボボボォ!少女生贄か!

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   ンボボボボォォ(見てません) 

少女生贄(字幕版)

少女生贄(字幕版)

 

 このポスター、何度見ても笑う。考えた人、天才だな。

 

 さて、プロディジーはその後どうなったか。そう新着PV、「FIRESTARTER」がMTVで公開されたのだ!

              めちゃくちゃ衝撃的な曲&ビデオ!ヘイヘイヘイ!

      www.youtube.com

 

 初めてこれを見たとき、あれ、プロディジー、ヴォーカル入れたの?!と思ったらなんとキースがとんでもない髪型になり、ボーカリストとして登場していたのだった。

 それ以上に曲の斬新さは群を抜いていた。例のミニマルなテクノのリズムはナリを潜め、ギターのフレーズとジャングル的なリズム、そしてキースの異形っぷり。

 

 プロディジー、すげえ!僕は僕の予想をはるかに超えた境地に達した彼らに驚愕したのだが、続く「BREATH」はさらにそれを超えるインパクトだった。

         この曲は僕の聴いた無数の曲の中でもベストソング!

  www.youtube.com

 しかしここまで来ると、さすがにリロイはいらないよね。みんなそう思っただろうな。こうなると一刻も早く新譜が聴きたくて仕方がなかった。そうして届いたのは期待を裏切らない歴史的名盤「THE FAT OF THE LAND」。

 

The Fat of the Land

The Fat of the Land

 

 

 一曲目からの「スマックマイビッチアップ」のテンションがすごい。

      このビデオ、当時相当物議をかもした。覚悟して見てください。酒飲みすぎ!

    www.youtube.com

 

  このアルバムから彼らは「デジタル・ロック」などと呼ばれ、(略してデジロック)その言葉がロキノンとかの音楽雑誌の表紙をよく飾っていたっけ。もはや死語とかしているけれども。とにかくそんな言葉を生み出すほど彼らの勢いは尋常ではなかった。だいたい1000万枚売ったって!こういう音を世界中の人が聴いているのは素晴らしいことだ。

 しかし、強烈なアルバムを作ったあと、いったい彼らはどういう方向へ行くのだろうか?という疑問が起こる。それは彼ら自身にもあったようだ。

 続きはまた明日です。

 

ロックはロック

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WE ARE THE PRODIGY ! ザ・プロディジー無双

   久しぶりに大物について書きたいと思います。それはザ・プロディジー

 

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 20年以上も前!ザ・プロディジー「POISON」を初めて聴いたとき、特にそれほどのインパクトがあるわけじゃなかった。

  いや、今見るとすごいインパクトなんだけど、当時はぶつ切りでしか見られなかったから。

     www.youtube.com

 

 1990年代後半に深夜放送されていた「BEAT UK」という番組は僕にたくさんの音楽を教えてくれたけれども、その中でもかなり大きい収穫だった。少し高速回転をさせた「アガラポイズン! アガラポイズン!」というフレーズと、薄暗い部屋の隅でドラムを叩く男。この男こそ、プロディジーの音楽そのものであるリアム・ハウレットだった。

 翌週のチャート紹介にもこのポイズンは流れ、どうにも心にひっかかったので 僕は新宿レコファンで彼らのセカンドアルバム「MUSIC FOR THE JILTED GENERATION」を購入した。

                      永遠の名盤 

Music for the Jilted Generation

Music for the Jilted Generation

 

 

 僕はその頃新しい音楽が聴きたくて聴きたくて(今もそうだけど、当時の方がその欲は強かった)、あらゆるジャンルをむさぼり聴いていた。そうしておぼろげながら自分の聴きたいロックミュージックの理想をぼんやりと心に描いていた。 

 それはナインインチネイルズのような、メタルギターとテクノロジーを合わせた全く新しいタイプの音楽だったのだ。いわゆるインダストリアルサウンドと呼ばれるその音はミニストリーやフィルター、スタッビングウェストワードといった形で音楽シーンを席巻していたけれど、プロディジーは全く別の方面からのアプローチだったのだ。

 

 彼らはもともとレイヴカルチャー(クラブで大音量で音楽をかけ、怪しげなドラッグをやって踊り狂うような感じ?)方面で活躍しており、全て打ち込みのテクノ/ダンスミュージックだった。当時メンバーはリアムの他にはダンサーが3人いた。ダンサーって!つまり音楽的貢献はしていないということじゃないのか?すごいね。

 

 ダンサーはキース、マキシム、リロイという3人だったのだけれど、

    上段ネコの目がマキシム、縞々野郎がリアム。下段長髪がキース、ベレー帽がリロイ。

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 3RDアルバム「ファットオブザランド」の頃キースがヴォーカルをとりカリスマ性を増し、マキシムもMCとして活躍していたのに比べると、リロイの存在意義は薄れ、本人もそれを感じたのだろう、結局リロイは脱退。実際全員、目を見張るほどのダンステクニックでもなかったしな・・・。

 

 さて、初めて「JILTED~」アルバムを聴いた時の感動は大きかった!こういうサウンドが聴きたかったんだ!という喜び。

                中ジャケットがまた素晴らしいイラスト。

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       おーい君!馬鹿な真似はやめなさーい!インディ・ジョーンズじゃないんだから!

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            うるさいんじゃコラー!切るぞ!切るぞ!

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 不穏な効果音の「イントロ」から半音上げ下げのベースのフレーズが繰り返されるミドルテンポの一曲目『ブレイク&エンター』

          チキチキツルルチャチャというハイハットの刻みの心地よさよ。

    www.youtube.com


 初っ端から「おお、僕は新しい音楽を聴いている!」感がひしひしと感じられるのだ。八分以上ある曲なのに少しも飽きない。そして途中に挿入されるガラスが割れる音!これがまた絶妙な間で入るのだ。

 プロディジーの初期の曲にはこういうセンスのよい効果音があって、それは後の大ヒット曲「BREATH」でも、剣を振り回す音やしのぎを削る音として聴くことができる。

 引き続きギターのズクズクというリフで始まる「THEIR LAW」で「こいつらは本物だ!僕はいま歴史的なアルバムを聴いている」とまで思ったものだ。実際そういうアルバムなのだけれども。

 さらにはこの後、この頃のプロディジーの特徴であるテクノ+ドラムンベースのリズムを基調としたファストナンバーが怒涛のごとく繰り出されるのだ。1STの流れを汲むこれらの楽曲は高速道路を走りながらで大音量で聴くのが一番ふさわしい。

 

 当時僕は、独身で暇を持て余し、しょっちゅう東京の友人の家へ関越道に乗って2週に一度は訪れていたのだけれど、その時のメインBGMがプロディジーのこのアルバムとアンダーワールドの「二番目のタフガキ」だった。

 ドンツードンツーという規則正しい四つ打ちのバスドラを基調に、さまざまに細かなリズムのフレーズが絡む曲をかけて車を運転する僕はまるでトリップをしているような感覚になっていた。もちろん、事故は起こしてませんよ!安全運転で!

 

 ちなみにこの間、カンニバルコープスの新譜を爆音で聴きながら車を運転していたら、後ろの車が同僚だと気付いた。その時僕は休みだったのでそのまま別方向へと行ったのだが、後日「凄い音で曲が漏れてたよ」と言われた。

 

 とにかくプロディジーのこの時期の楽曲はリズムのアイディアが溢れており、それがあまりにも心地よくていつまでも聴いていたいと思えるような名曲ぞろいなのだ。

 ニルヴァーナの「VERY APE」をリアム自身が弾いてサンプリングした「VOODOO PEOPLE」は屈指の名曲だ。

           後のペンデュラムミックスはどうも・・・

      www.youtube.com

      どっとこた、つかたった!どっとこた、つかたった!

 もう全部のリズムが天才的で、特にブレイク部分のいつまでもタメ続けるスネアの16分音符の心地よさは他にない。このフレーズ、元ネタがあるんだけど(というかプロディジーの初期曲のほとんどがDJのリアムの巧みなサンプリングにより曲が構成されている)それをかなり巧みに加工してうまく使っているのだ(Johnny Pateの You're Starting Too Fast )。さらにはツェッペリンの「ホールロッタラヴ」のフレーズも使われているが、加工されすぎて全然気がつかない。

 こちら、そのメイキング。リアム本人の作成ではないけれど。それにしてもこういう曲のつくり方を彼らはしているのだ。

             ホールロッタラヴの必要性、あるの?

    www.youtube.com

 この頃の彼らのサウンドはオルタナティヴではあるがまだテクノっぽいところも残っていて、僕はその暴力的なテクノサウンドをひとり「暴力テクノ」(ださい)と呼んで聴いていた。そしてここから遡って1STを聴くわけだ。

 

              続きはまた明日です。

 

          時代を感じさせるCGのプロモである「ONE LOVE」。

   www.youtube.com

 

フォロワーさんが49人になって、奇しくもこのブログの読者数と同じ。別に何の意味があるわけではないですけれど。

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なんとなく消せない迷惑メールたち

以前こちらの記事を書きました。

 www.otominarukami.tokyo

 

 

 これ以降も相変わらずヘンなメールは毎日僕の携帯に届いている。しばらく来ないかな、と思っていると一日15通くらいドサッっと来て閉口するときもある。でも最近はとりあえずタイトルを見て少し面白なものをチェックしてしまう僕。結構ストックが溜まったのでここで再び放出します。

 

 まずは短文系のやつ。とにかく、知り合いの女の子の感じを演出し、どうにか返信させようというタイプ。でも僕の場合、悲しいかな勘違いする相手の心当たりがいない。

    

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   いや、ナニもないですけど・・・           忙しくもないですけど・・・

 

 とにかく交流の多い人は勘違いして返信するのだろうか?数千万通出せば、一人くらいはいるかもしれない。事実、たまにお金を騙し取られている方もニュースでいるし。

     

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       もはや意味不明。           メール送ってるのに返信しないという体らしい

             

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               こっちが聞きたい。

 

 以上が短文系のやつです。他にもほぼ同じ文面のものが来るのだけれどさすがにうざったくなって消去。とにかく勘違いを誘おうとしているようだ。

 

         次は射幸心煽る系。これはよくあるよね。

       いくらなんでも旨みがありすぎる。「お得な情報館」って何?

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 次は意味不明系。コンピューターが誤訳してヘンな文になったのかな?外国人が考えた日本語がこうなったのかな?

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 クールニュースって何だ。文法めちゃくちゃ。     「さみえんむへたしき」が頭から離れない!

 

 そうして最後はストーリー/キャラ系のもの。このメールの特徴はそれなりに人物設定と世界観が構築されていることだ。

 

         勝手に命名麗子さんシリーズ」。

 

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「麗子」さんって名前、一昔のお嬢様って感じ。これを作成した人物の中ではそのイメージなんだろうな。それにしても、どうやって赤い糸的なものを感じたのだろうか。

 

           次に送られてきたのはこれだ。

          あなたの未来のハニーって言われても・・・

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 ちなみに「プレゼント」とはメールアドレスのことだ。なにそれ。しかし麗子嬢からのメールボムは次々と到着する。だが少し期待している自分に気づく。わくわく。

 

 今度は私の家「星川家」に来いという。とにかく何とかしてこちらに連絡を取らせたくて仕方がない。右の一番最後の「迎いに行く」という送り仮名の間違いがヒドイ。

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コカコーラの自販機」というタイトルなのに、なぜか文面はタバコの自販機。だいたい、どこにあるの?しかもそこに行ってもいないのに、勝手に予感されているのだ。

 

            もしかして、超能力者?

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     結局行かないとなると、こちらを特別扱いしてくる。

      私の隣に立てる権利って何?仕事って何?もしかして総理大臣? 

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    特別な仕事をなされているからか、結構気前が良さそうだ。

「金銭などに関しては全て私が負担しますので」だって。あと何故か必ず最後の「。」は「。。」になっている。

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 かと思えば突然自分は誕生日だと報告してきて、しかもお誕生メールを要求。自分で送ってくれってもうムチャクチャ。

     

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      「なので」という文法的に間違った接続詞を何とかしていただきたい。

 

    そうやって無視し続けていたら、とんでもなくシュールなメールが。

 

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 一体、どんだけの花を用意したのか。つうか、花占いって。「来る、来ない、来る、来ない」って?そうして最終的にブチキレられた。なんかわけもなく叱られている。

 

    「このような行動が心にどういった影響を及ぼすかぐらい」などと悲痛な訴え。

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 それっきり麗子嬢からは連絡が来なくなった。それにしても一体どういう人物がこれを作成したのだろうか。一度会って話をしてみたい気もするけど。

 

 

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知育アプリの間違った楽しみ方

 アプリ紹介記事は数あれど、これを紹介している人はどれくらいいるだろうか。

           うわー、超楽しそう!別名「わおっち」。

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 これは『ファミリーアップス』という、幼児向けの知育アプリです。

 まだ下の子が幼稚園くらいの時に僕はKINDLEを手に入れてあれこれと遊んでいたのだけれど、当然子供が興味を示すわけです。しかし僕の妻はこういうものには厳しいのでなるべく触れさせないようにしていたのだけれど、唯一これだけを一日10分程度ならと許しが出ていたのだ。

 様々な実在する企業の工場や店舗で「働く」こととはどういうことかを学ぶアプリだ。このアプリ、毎月更新されて、娘はその度にやっていたのだけれどそのうちにあまりに簡単でやらなくなっていた。彼女は今はもうマインクラフトしかやっていないのだけれどそれも1日15分、と決められている。

 

 マイクラ、一時期熱心にやってこちらが驚くくらいのワールドを作成していたけれど、最近は本を読むほうが面白いらしくあまりやっていないようだ。

 それはまあ良いことなのだけれど、ある日たまたま娘が例のファミリーアップスを見て「おとうさん、これ昔よくやったよね」というので久しぶりにやってみよう、となった。

                ガソリンスタンドで働くぞ!

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 こちらのガソリンスタンドのゲーム、お客さんの注文通りにガソリンを入れたり、洗車をしたりと様々な作業をする。きちんと注文に応じて仕事をこなせば「にこにこ!」という声と共にニコニコポイントがたまるという仕組みだ。

 しかし、給油の量を間違えたり、洗車のコースを間違えると「うーん」という失望の声と同時に残念フェイスマークが表示される。

 

          子供の心を傷つけない程度の残念さ。うーん。

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 僕はこの残念フェイスと「うーん」という声が面白くて、わざと満タン給油を頼まれたのに少ししか入れなかったり、

        「満タン」願いします!と言われても少ししか入れないと・・・

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            車の上部に「うーん」フェイス。

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 シャンプー洗車を頼まれれば超高級ワックス洗車をやったりと顧客の意向を無視した作業を繰り返しては笑っていた。

 

      洗車をお願いします!          一番安い「せんしゃ」を頼まれても

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  勝手にわっくす・せんしゃだ!ぼったくれ!          結果「うーん」マークで爆笑。

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 娘もこの「うーん」ギャグ連発に受けて、僕がそれをやるたびにゲラゲラ笑っていた。だからいつまでたってもこのゲームポイントがたまらないで終わらない。

 

 その後、しばらくして僕が席を外していると娘のいる方から「うーん」という声が聞こえてきてこちらが笑わされることしばしば。

 はい、間違った知育アプリの楽しみ方、終わりです。

 

 

 

 さて、映画『KUBO』を見て以来、ライカスタジオの作品をもっと見ようと思い、まず手始めにいていなかった『パラノーマン ブライス・ホロー』を見た。当然面白かったのだけれど、実はライカスタジオの作品で日本では公開されず、ブルーレイすら発売されていない作品がある。それが『ボックストロールス』だ。

   こんなに面白そうなのに公開されず、ブルーレイも日本未発売って。

   www.youtube.com

BOXTROLLS

BOXTROLLS

 

 

 ダークファンタジー(というかライカという会社の社風?ひいては社長のトラヴィス・ナイトの意向か。ちなみにこのトラヴィスという人物、ナイキの社長の次男なんだって。金持ち!)ばかり作っているライカスタジオだけれどもこちらも予告編だけで期待が持てる。日本はあんまりこういうの受けないのでしょうか。「ナイトメアビフォアクリスマス」もかなり後になって評価されていたしね。

 それで日本版が出ていないので仕方なくアマゾンで注文しました。アメリカから早く届け!

 

一億人に読まれろ!僕の小説!

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悪魔学について 色々な運命の額の模様など

 二十代の頃、悪魔学に少々興味があった。

 別に本気で信じてサバトを開いたり、魔法陣を描いたりするわけじゃないですよ。きっかけは澁澤龍彦氏の『黒魔術の手帖』だった。

黒魔術の手帖 (河出文庫 し 1-5 澁澤龍彦コレクション)

黒魔術の手帖 (河出文庫 し 1-5 澁澤龍彦コレクション)

 

  澁澤氏との出会いはこの本が最初だ。そうしてこの後僕の人生が少し左右されるくらい影響を受けた。今でも敬愛しています。

澁澤龍彦展にこの間行った話

otominarukami.hatenablog.com

 

 この本を読んで以来、人間の尽きせぬ想像力というものに興味を惹かれたのだ。よくこんなにも様々な世界を人は描けるのだなあと。そうして澁澤氏の著作以外にも神田の古本屋街で悪魔関係の書籍を見つけるとお金もないのに、モノによっては数千円を出して何冊も買い集めた。その一部がこちら。悪魔学だけではなく、なかなか物騒なものもありますけど。

僕は理性的な人間ですよ!!純粋にアカデミックな興味で集めた。実はそんなに読み込んではいない。

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『死刑全書』なんて子供が嫌がって本棚に裏っ返して収めてある。まあ、まともな神経なら見るものではないですね。実際そんなに見てない。若気の至り。とにかく、かくも人間というものは恐ろしい一面があるのだなということです。ちなみにどれも一冊2000円以上はしていた。よく買ったな。

 

 その中で特に高額の書籍がまずこちらのその名も『魔法 その歴史と正体』だ。

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        裏表紙に載っていた定価。5150円って。まだ消費税5%。高い! 

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 とはいえ実際あんまり分厚くて全部読む気にならない。持っているだけで当時は満足していた。ぱらぱらと拾い読みをする程度。でも時おり挿入される図版は興味深く、様々な悪魔の絵が紹介されている。

               そ

 

 ベヘモス(デスメタルバンドにベヒモスというのがいる)マルコギアス、ビュエル、等、聞いたことがある名前からベルゼブブとか色々ヘンな名前までついており、更には役割や性格設定などもされている。人間の想像力、すごい。

 さて、その中でかなり間抜けな図版があります。悪魔とは関係なく、観相学について書かれた章で、額に現れた印によってその人間の運命がわかるというものです。

              

図版をそのまま載せると宜しくないだろうから、僕が模写したもので解説しますね。

まずはこちら。

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     戦いに成功する男子の額       虚弱な男子の額

 

 だいぶ未来が限定されている観相学だ。そもそもこんな額のヤツいる?でも、これなんかまだ普通です。あとに載っているのはもっとマニアックな運命。では次どうぞ。

 

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     喧嘩好きで人殺しの男子の額     温和で成功する男子の額

 

 なにそれ。ていうかほぼ一緒じゃん。三本線が下にあるか上にあるかで随分と評価が違うじゃないかい。ていうか、こんな書いたような額のヤツいる?いる?

 でもですね、そんな常識は通用しないのですよ。次。

 

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     惨死の運命にある男子の額     聖職を予言する高貴な男子の額

 

惨死の運命」って。嫌すぎるでしょ。あと聖職の額って上の二つとどう区別するの?僕の絵が下手なのではなくて、本当にこういう図なのです!当時の人間は本当に信じていたのか?そもそもこんな額のヤツいる?次で最後。

 

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    頭部を傷つけられる運命の男子の額     変死する男子の額  

 

 描いたの?ねえ、これもう描いたでしょ。「頭部を傷つけられる」って、そもそもがもう傷ついてるし。こんな額のヤツがいたらゲラゲラ笑う。

 でも今の感覚ならばそう思うかもしれないけれど、中世の人間はこの図を見て戦慄していたかもしれないよね。

 

 久々にパラパラとこの本を読んでみると、中世の魔女狩りとか、結構恐ろしい事柄が詳しく記されていた。特殊な能力を持つ人間が迫害されるというそのテーマって、つい先日鑑賞した『パランノーマン ブライス=ホロー』で描かれていたのと全く同じだった。

           「KUBO クボ」を見たあと、やっと観られた。面白い!

      www.youtube.com

 

 この映画の書籍もフィギュアも全然売ってない。

 

      ちなみにこんなに絵を描きました。何やってるんだろうね。

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少し表記が変わった?

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