音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

デフトーンズ!DEFTONES! イェー!

        デフトーンズ、出るたび即買いを続けて二十年。

 

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 僕が初めてデフトーンズを聴いたのは、今まで何回か紹介している、この「7WODS」のビデオでだ。

 

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 なんだ!このかっこよさは!イントロからのワクワク感がすごい。そうしてサビのSUCK!SUCK!SUCK!SUCK!の連呼と中間部のブレイクダウン、すべてが完璧。すぐにでもマネがしたいレベルじゃないか!

 

 かれこれ二十数年前のことだ。僕は調布のアパートに住んでおり、モラトリアム生活を満喫していた。就職もせず、若さという不渡り確実な手形だけを元手に、バンドでメシを食うなどという途方もない夢を僕は見ていた。

 まあそれは青春の蹉跌としてほろ苦く僕の心の片隅に巣食っているだけで、皆さんには一ミリも関係ありません。興味もないでしょ。それよりもデフトーンズ

 

 どうして調布のアパートを思い出したかというと、そのアパートはMTVやテレビ神奈川が視聴可能で、ネットが普及する以前の洋楽の情報源としてかなり重宝していたのだ。

 そういう環境で初めてみたビデオが「7WORDS」だった。僕は新宿マルイヤング館の隣にある狭い雑居ビルに入っている、ほぼ毎週通っていたレコファンへと走り、すぐに1STアルバム「アドレナリン」を買った。

 

Adrenaline

Adrenaline

 

 

 ジャケットが・・・。

 一曲目からの「BORED」がいきなりのノコギリでギコギコと切り刻むようなステファンの奏でるリフで始まり、重く厚いバンドギターサウンドとヴォーカルのチノの少しディストーションがかったヴォーカルが圧倒的に迫ってきた。

 

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 同時期のKORNと同様、速い曲は一切やらずにグルーヴとリフで引っ張っていくスタイルはニューメタルの新時代の到来を告げていた。これにリンプビスキッズが加わって、シーンはとんでもない活況を呈するわけだ。アルバム全体はかなりとっつきにくいかも知れない。でも収録曲の「ENGINE NO9」をスーサイドサイレンスみたいな若いバンドがカヴァーしており、なんだか嬉しくなる。今はなきミッチが歌う。

 

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 ただ、このファーストアルバムは完成度においては何かが足りない気がする。KORNが1STで既にそのスタイルを確立していたのに比べてデフトーンズはまだ模索中という印象なのだ。

 しかし、2NDの「アラウンドザファー」で大化け!

 

Around the Fur

Around the Fur

 

 

 サウンドはより太くなり、とっつきにくいリフはさらに凶悪になるが、サビで叙情性を表現するというデフトーンズ節がここに確立!一曲目の「マイオウンサマー」を爆音でお聴きいただきたい。SHOVE IT!SHOVE IT!

 

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 デフトーンズの凄さはどのアルバムもいわゆる「スルメ盤」であるということだ。彼らのアルバムは一度聴いただけではその全体像や凄さをリスナーは掴めない(少なくとも、僕はそうです)。何度も聴きこむうちに、少しずつその深さが理解でき、その都度新鮮な驚きと感動が得られるのだ。

 

 大抵ロックバンドって時期によってこのアルバムはイマイチ・・・っていうのがあるじゃないですか。KORNだってHEADが抜けてしまってからの失速が甚だしかったし(あくまで個人の感想ですよ。最近再加入してまた良くなっている)、リンプもウェスが抜けてからは酷かった。まあ、リンプは『ゴールデンコブラ』で大復活を遂げたけど。

 そういう中でのデフトーンズは一貫してスタイルを崩すことなく、毎回高いクオリティのアルバムを僕らに届けてくれたのだ。

 

 2NDアルバムに戻ると、ブレイクポイントだと思う名曲「BE QUIET AND DRIVE(FAR AWAY)」は文句なしにカッコいい。リフなんて三つくらいしか使っていないのに、うねりのあるグルーヴ感がとてつもない勢いで迫ってくる。

 

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 こういう曲をバンドでやりたいなあ。やるにはもういい年だけれど。

 

                    つづく

 

メタル!

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アマゾン1円CDハンターがゆく 12 MEW/MINUS8/VIOLET VISION/ブラジリアンドラムンベース

アマゾンで1円で売っている良質のCDアルバムを、よく知らずに買うこの試み、久しぶりです。今回は4枚ほどまとめて紹介します。

 

まずはインディーギターロックバンドMEWとVIOLET VISIONというテクノユニット。

 

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 左がVIOLET VISION。ジャケットからはどんな音楽なのか皆目見当がつかない。

 実際聴いてみるといろいろやっているエレクトロニカユニットという印象。エイフェックスツインぽさのある音が飛び交うサウンドもあれば、ドラムンベース、四つ打ちテクノなど幅広い。全体的に金属っぽさを感じさせ、どことなく無機質で冷たい印象を受ける。いいんですけどね。

 

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 硬質なドラムンベースにオリエンタルな女性のあーあーいう声が乗る不思議な曲。

 

 闘牛士のほうがMEWというギターバンド。デンマークのバンドなんだって。北欧系。でもメタルじゃなくてね。聴いてみるとなるほどそう言われればそんな気も(適当)する。とはいえ、これはよかった!

 一曲目からカッコいい。本当に僕の知らない音楽は無数にあるんだなあ。

 

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 どことなくYESのジョン・アンダーソンを思い起こさせる優しい歌声と、複雑なドラムのリズムに爽やかなギター。かなり凝った曲だ。

 この他の曲もなかなか粒ぞろいで、最後はストリングスをバックにミニマムな波動が徐々に押し寄せる壮大な曲でアルバムの幕を閉じる。

 

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 長いんだけど、僕、延々とこういう同じフレーズを畳み掛けてくる曲、結構好きなんだ。古いけれど、ルパート・ハインの「ON THE WATERLINE」とかもこんな感じ。

 

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 UKロックが好きな方はオススメです、MEW

 

 次にクラブジャズ系統のMINUS8とブラジリアンドラムンベースのコンピアルバム。

 

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 ドラムンベースのほうは後半は結構よかった。つつたん、つたつったん、という基本的なリズムに僕の好きなブラジリアンフレーバーが振りかけられた疲れた時には心地よいサウンド。

 MINUS8はもうどうしようもなくお洒落なラウンジミュージックが目白押し。ジャケットからしてオシャレですよう、と主張が強い。まあ、これでゴリゴリのメタルとか来られてもねえ。ヘルメットのジャケットじゃないんだから。

 

 最近はなんだかんだであんまりCDも買ってない・・・直近で新発売で買ったのってBANDーMAIDだけだしなあ。

 来月はNINもCDで出るみたいだし、ああ、そうだ知らないうちにガービッジが新作出してて、しかも佳作!

 

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  みんなもういい年だけど、サウンドはちっとも古びてないぞ!ブッチ・ビグなんてもうおじいちゃんだけどね。買ったほうがいいですかねえ。でも今や現代は色々なサービスがありすぎて、例えばアマゾン一つとってもプライムミュージックで事足りてしまうという。その中でますますCDとか売れないんだろうなあ。でも僕はやっぱりマテリアルとしてのCDの所持という喜びが刷り込まれているのでまだまだ安安CDを探しますよ!

 

               一円で買っても損はない!

 

 あとおまけ。

 前回の旅行でダンゴ4兄弟に遭遇。

 

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 で、シャレッターズという人たちが歌ったその曲がこれだったんだけど、よく出したな。不思議だが訳のわからない力に動かされて世に出てしまうものが無数にあるのだ。

 

元祖だんご4兄弟

元祖だんご4兄弟

 

 

 これ、もはや廃盤でYOUTUBEにものってなくて。で、まあそれは別にどうでもいいんだけど、僕この曲をどこで知ったんだっけ、と思い返してみた。

 それはもう20年以上前だと思うんだけど、だんごやの「たかのチェーン」が僕の実家の道路を隔てて斜向かいのテナントに入ったのだ。

 何が嫌だったかって、オープン当日からこの「元祖だんご4兄弟」を爆音で流していたのだ。

 

 だんご、だんご、だんごホントは4兄弟・・・って知るか!

 

 毎日毎日昼間(僕は仕事が午後からなのだ)これを聴かされてうんざりしていたのだが、一週間くらい経った早朝のことだ。朝5時くらいだろうか、突然

             キキー、ドカーン!

 という大きな音が聞こえた。なんだ、事故でも起きたのかと思ったが、眠かったのでそのまま寝てしまった。そのうちにピーポーの音とかが聴こえてきて騒がしくなったので外に出てみると、なんとそのダンゴ屋に軽トラが突っ込んでいた。当然店はボロボロ。運転手は逃走。というか、後で聞いたところによると盗難車だったとのことだ。

 だんご屋の隣に入っている美容室で話を聞いたのだが、何らかのトラブルでヤクザが店に突っ込んだらしいのだ。実際にこういうことがあるんだねえ。

 当然、店は閉店。僕の心にだんご四兄弟のフレーズを残したまま。

 

 なんだこの話。

 

 

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G-SHOCK好きの話

  前回G-SHOCKのことを書きましたが、残りの機種も紹介します。 

          さて、だいぶ昔に買った機種はこちら。

 

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 左がアナログマッドマン。マッドといっても「MAD」の「狂っている」意味ではなく、「MUD」の方ですね。泥に強いという。

 

     www.youtube.com

 

 俺の名前はマッドだよー。

 失礼しました。ご覧になってわかるように、加水分解でボロボロになってしまった・・・。GSHOCKの中でも数少ないアナログモデルで、これもメンインブラックシリーズというやつを真似てカスタムした代物。フロッグマンの次に気に入っていたんだけど、長いこと使わなかったらボロボロに。

 

 GSHOCKって結構、ベゼルとかベルトとか高いんだよね。しかも電池交換も、わざわざカシオまで送るので3000円くらいかかる。町の時計屋さんなら700円くらいなのになあ。

 まあ、僕はそれが惜しいのでダイソーボタン電池を買ってきて自己責任で裏蓋を開けて電池交換してますが。ググれば交換の仕方を教えてくれるサイトがあるので結構簡単。

 ただ、マッドマンの隣にあるDW5700、通称スティングモデル(元ポリスのスティングですよ。彼が一時期していたのでこのモデルの人気が出た)は裏蓋が特殊でいわゆるスクリューバックというねじ込み式なんですよ。

 一応アマゾンとかでスクリューバックを開ける器具は売っているんだけど、こちらには挑戦する気はしない。かといって3000円でカシオに送り返すのもなんかね。どんだけケチなんだ。

 

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 これなんか機種の名前すら忘れた。テキトーなGファンな僕。

 しかし実はこれが最初に買ったモデルだったりする。でも安物だったので特に思い入れはなく、白いスプレーをぶっかけて真っ白モデルにしてみたり(そのスプレー全部剥がれ落ちた)したのだがどうにも形が気に入らなくて結局ほとんど使っていない。きっとこれからも使わないんだけどもったいないね。

 

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 お、イルクジモデルだな、と思った人もいるかもしれません。

 いわゆる一世を風靡した「イルクジモデル」とは、世界のどこかで毎年行われるイルカ・クジラ会議という会のコラボモデルです。

 イルカやクジラにほとんど興味のない僕らも、このクリヤーボディには憧れたものだ。特にフロッグマンのイルクジモデルは当時Gファン垂涎の的で、かなり手に入りづらかった。

 

products.g-shock.jp

 

 このモデルをとんねるず石橋貴明氏が番組でこれみよがしにはめていたのを覚えている。芸能人っていいなあ、などとアホみたいに僕は当時思ったものだ。

 

 それはそうとして、僕のスケルトンGに戻ると、実はこのモデルもなんちゃってイルクジで、実はワールドカップモデルというそんなにはレアではないモデルにイルクジ

ベルトとベゼルを取り付けたものなのだ!

 文字盤に浮き出るサッカーをするカラスの絵がお分かりでしょうか?

 

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 着せかえたグレーのベゼルとベルトはどこへ行ってしまったのだろうか。

 

 なんなんだ、お前の持っているのは大したモノないじゃん。と思われているんだろうなー。でもどうせ興味ない人にはイルクジとかわからないしね。ついでにもう一つなんちゃってモデルを紹介します。

 

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当時六本木にあったR?HALLというディスコとのコラボモデル(の自作品)。下の楽天で売り切れているモデルが本物。ちょっと違うね。

item.rakuten.co.jp

 

 当然、当時はこのR?HALLモデルもプレミアがついていたので(今はずいぶん安い。でももういらない)白黒のクールな配色が気にはなっていたものの、手が出なかった。しかし、雑誌の端っこに載っていた海外製品がこれに非常によく似ていたので確か15000円くらいだったかな、注文しました。ただ、ベルトの色合いがダサかったので自作したんだよね。

 池袋のキンカ堂にわざわざ行って手芸用品を物色し、ベルトにふさわしい生地を購入して男の手芸でこのベルトを完成させたのです。

 

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        もう少し拡大すると、結構アラがわかる・・・

    

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 当時は独身で結構暇だったんだな。30男が一人部屋で針をちくちくと刺していたのだ。きもち悪。

 

 さて、いんちきGばかりでしたが最後は本物ですよ。

 

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 こらは正真正銘Gショック25周年記念フロッグマンちょっと昔のモデルとデザインは変わっているけれど、フロッグマンの遺伝子は受け継いでいる。また、タフソーラー(いわゆる太陽電池)採用なので電池交換いらず。重厚なケースもうれしい。

 今でもアマゾンで買えます。 

 

 ただ、値段が・・・59、900円って。この値段じゃ買えません。

 僕はこの25THフロッグマンを1万2千円で入手しました!

 別に特別なツテとか友人に譲ってもらったとか、オークションではなく、近所のハードオフでたまたま出会ったのだ。僕はこの値段を見て一瞬目を疑ったが、ゼロの数は間違っていなかったので即、購入した。

 昔はハードオフも時おりこういう掘り出し物があったんだけど、最近はあんまりないなあ。

 今も時たまGも欲しくなるんだけど、最近のデザインってなんか未来的であんまり好きになれないんだよね。なんというか、子供の瞬足とか、新型のプリウスに見る感じ?わからないですかね。おじさんはどうやら昔風のデザインが好きなようだ。では、また。

 

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読まれたり、読まれなかったり

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箱根父娘ふたり旅 海賊船と関所

 海賊船に乗って芦ノ湖を遊覧するなるかみ父娘。雨に降られずにすんで幸運。

 

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 芦ノ湖海賊船はプラス数百円払うことにより、豪華な船室で優雅な旅を満喫できます。

 

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 でも娘は外に出たがり、ほとんど船室にはいなかった。風に吹かれてなんだか体力を奪われる僕。

 そのうちに船は箱根町港へと停泊。ここには関所が復元されているというのでお昼がてら下船。

 

 駅前にはおもしろオブジェを擁する喫茶店があった。「しばらく営業を休みます」という札がなんともいえない寂しさを醸し出していたよ。

 

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  あとからきた中国人観光客が大胆にもこのカップを抱えて飲む仕草で写真を撮っていた。僕もやればよかった。

 駅前にはいくつもの飲食店が軒を連ねてはいたけれど、どれもイマイチ食指が動かないような店ばかり。結局港前の新しい建物に入っているレストランで箱根とは無関係な洋食ランチでお昼をごまかす。今回の旅は、あまり食には恵まれませんでした。

 

 さて、少し休んで関所方面へと向かうと、途中異様なオーラをビンビン出している店があった。

 

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 なぜだかソフトクリームが数十種類もあった。そうして店の中はいろいろなフィギュアが飾られ、かなり混沌とした様子。そうして一見インディアンのような風貌の方が店番をしている。しかも最初僕はその人を男かとおもっていたらおばちゃんだった。失礼しました。

 となりの雑貨屋も色々なモノが雑然と売られている様子。ちょっと入るのには勇気が必要だ。

 

 娘 「この店なんでも売っているね」

 

 店の前にも、ただただ困惑するような演出がなされている。

 

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 どうやらかなりのタイガースファンらしい。おもしろ写真スポットと理解し、正しい写真を撮りました。娘は少し混乱している様子。「このぬいぐるみ、なんなの?」

 

 さて、その先には大きなお土産センターがあり、そこを通らないと関所へは入れないシステムになっている(後で気づいたんだけど、別のルートもありました)。

 

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         駐車場入口では、忍者がスマホをいじっていた。

 

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    これを見た小さな女の子が「にんじゃだー!」と大興奮していた。

 

 ところで箱根は箱根細工が有名だけどお土産センターの入口にも巨大な箱根細工を発見!

   

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         おとうさん、これどうやって開けるの?!

 

 あちこち調べた結果、横に細い軸のようなものがあり、そこを引っ張ると蓋が空いたではないか!

 

       さて、中にはなにが入っているんだろう!わくわく。

 

 

 

 

 

 

 

   

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            なんでもないものばかりだった。

 

 どうやら開けてはいけないパンドラの匣だったようで、開けた瞬間、この世の禍のすべてが飛び出してあたりは絶望に包まれた。

 

 なんとか禍を封印することに成功した我々父娘はようやく箱根関所に到着。それなりに凝っている施設です。

 

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 当時の関所の様子が忠実に再現されているのだけれど、そこにいる馬や人々が大変なことになっていた。

 

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 すべての生き物がジャミの呪いで石化しているではないか!ストロスのつえを探しに出かけなければ!

 

 石と化した人にがんどうを当ててふざけるお父さん。今に痛い目にあうわよー!

 

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 出女を閲する人見女(改め婆)。なにやら身体的特徴を色々と確かめている音声が流れていてなんとなく不気味。

        

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 正面から見たときの、女の顔の悲壮感がすごい。そして改め婆の顔が、もう。

 

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  少し落ち込んだ気分で隣の建物へと移動する。獄屋だそうです。

 

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 僕も中に入ってオモシロ写真をと思ったのだけれど、なぜだかここは人気で娘の写真のみ。あと取り扱いに困るサイトの告知がされている。「極悪自慢サイト」って。

 

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 「おつとめ、ご苦労様です!」と湯を沸かす足軽に対してねぎらう僕だったが、石なので当然無視。

 

 裏に回ると、とんでもないところに施設が作られているのに気づく。

 

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 ええ!ここを登るの!?ここでもういいんじゃない・・・

 「おとうさん、せっかく来たんだから昇ろうよ!」

 相変わらず父親の数十倍の体力の持ち主である娘はどんどんと昇っていってしまった・・・。

 

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 これは天国への階段か?と自問自答しながら、ともすれば諦めそうになる僕の心を見透かしたような札が途中にくくりつけてある。

 

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 冷たく突き放され、ほとんど半泣きで頂上にたどり着いた僕を待っていたのはこんな眺めの場所でした。

 

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ふと物見櫓の方に気配を感じたので振り返ると・・・

 

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    うん?だれだろう・・・?

   

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              よう昇った。やればできる。

 

 遠藤憲一らしき人が僕をいたわってくれた。心なしか微笑んでいるようだ。

 

 さてあとは関所資料館というところがあるはずだけれど。その前に休憩處を発見。どうしようもないオブジェと記念写真。

 

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 そうそう、知ってますか、「元祖だんご4兄弟」。柳の下のドジョウとしか思えないこの歌を聴いたとき、言いようのないショックを僕は覚えたものだ。

元祖だんご4兄弟

元祖だんご4兄弟

 

  ダンゴ本当は4兄弟・・ってなんだ。YOUTUBEにさえ上がってませんでした。

 

 さて、あとは資料館のみ。

 ちなみにこの関所には関所のアイドル「おたまちゃん」がいる。

 

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 実はこの「おたまちゃん」がそうとう食わせ物で、アイドルとか言っておきながら、資料館で流されるVTRでは、とんでもない話の主人公だった。

 こんな感じで絵とテロップが流れてた。

 

 おたまちゃん(12~14歳くらい?)は江戸に奉公に出ていましたが、あまりのつらさに奉公先を逃げ出して関所破りをしてしまいました。

 

 しかし柵に引っかかって動けなくなっていたところをお役人に捕まってしまったのです。

 

 その後、おたまちゃんは「ヲイタイラ」という場所に連れて行かれ・・・

 

                ごくもん

             (花びらに血が飛び散る描写)

 

となってしまいました。おわり。

 

 これを見ていた他の家族の6年生くらいの女の子が「うぇ・・マジで」とむちゃくちゃ引いていた。そりゃそうだ。

 一応こちらのページにもそのいきさつは書かれています。
www.hakonesekisyo.jp

 

「おたまちゃんは獄門(死刑)となりましたが現代の蘇りアイドルとして活躍しています」

 じゃないでしょ。また、資料館の中にあったおたまちゃんのモノローグも

 「わたしが磔にならずに獄門で済んだのはお役人様が少し罪を軽くしてくれたのかなー?って思ってます」

 と自分の死刑を鳥の羽より軽く語る内容だった。

 この他にも獄門やら磔の様子を描いた当時の残酷な絵巻物が飾られたりして、少々気味が悪い。

 

  娘も

 「おたまちゃん、殺されちゃったの?」

 と聞いてきたので

 「そうだよ。ごくもんだってさ。それにしても扱い軽すぎるよね」

 と少し小馬鹿にした感じで語ったら、

      

         僕がごくもんになってしまいました。

    

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 さて関所も全てを見たので再び遊覧船に乗って桃源台港を目指す。船の中にはなぜだか3Dアートがあったが、写真を撮っているのば僕らだけだった。

 

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            いよいよ港に着く頃には疲労の極み!

 

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 もう無理です。しかし僕はここから3時間車を運転し、娘を無事家へと連れて帰らなければならない。

 かてて加えて、帰りの小田原厚木道路では今までに経験したことのないほどの集中豪雨が!10メートル先も見えなかった!警報レベルの雨だったらしい。マジで命の危険を感じました。

 でも娘はぐうすか眠り込んでどこ吹く風。よく育てよ!

 

 

こんな子になるだろうか

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箱根父娘ふたり旅 ロープウェーで大涌谷 

 恐ろしい霧の中から怪物が飛び出したりもしましたが、なんとか多少晴れて、大涌谷行きのロープウェイに乗ることができたよ。でも霧は上に行くほど凄い。

 

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 視界は悪く、当然晴れていれば見えるはずの富士山も見えなかった。情報によると大涌谷も霧で見えないらしいが・・・

 

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      見えました!スゲエ、大涌谷

 

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 大パノラマに僕も娘も大興奮。大枚100円払って覗いた望遠鏡の先には、大涌谷で働く人の姿が!大丈夫なの?

 

 ロープウェイはここで一旦乗り換えて早雲山駅に向かう。大涌谷の上を通るのだ。ワクワク、オオワク谷!

 

 しかしふざけてしょうもないダジャレを言っていると、入口でこんなものを渡され、多少の緊張感に包まれる。

 

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山性ガスによる事故防止のため、ご心配な方は、ゴンドラ内ではメディカルシートで口や鼻を覆うようにしてください。

 

 ・・・だって。

 少し前は、話題になってたしな。まあ使わなかったんだけど。

 

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            いよいよ大涌谷上空へと突入。

 

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            一心に見る子供。ふざけるお父さん。

 

やっぱすごいね。さすがのキングオブ観光地。小学生の時以来の記憶を軽く超えてきたよ。自然って偉大なんだなあ。それにしても、あの煙の中、人働いているからね!

 

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 ちなみに、終点の早雲山駅、何もありませんでした。ただのケーブルカーとの接続駅。ロープウェイのメカニズムは理解できた。でっかい歯車!そうそう、こんなのが駅前にあったよ。

 

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 僕が小学生だったら「ああッ!アトラスカブトムシだ!」と大騒ぎしていたろうに、誰ひとりとして見向きもされずひっそりと生きていました。ちゃんとエサやってんの?

 

 再び大涌谷駅へと戻る。懐かしいメダル販売機を発見。需要あるのか?

 

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 くろたまご館という観光施設の前にある、くろたまごオブジェ。いい写真が撮れた。

 

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 ここはかなりの観光客で賑わっている。外国人の数が多く、帰りのロープウェーは中国人家族に囲まれる。

 

 さて観光地特有でしか買えないものを発見。まずは娘が「おとうさん、世界一当たるんだって!」と教えてくれた恋おみくじ。

 

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 「わたしもやってみようかな」と言い出す娘だったが、君にはまだ早いと却下。

 さて、この土産店ではここでしか買えないものがたくさんあった。

 

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 銃にかくれてよく見えないけれど「宇宙の安全を守るヒーロー」という素晴らしいキャッチコピーが書かれている。火星人の絵も愛嬌たっぷりだ。

 

         「シャンバー」も売っていた。

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 2000円って微妙。急激に変わる山の天候に備えて売っているのだろうか、シャンバーを。

 

 僕はもう少し大涌谷を堪能したかったのだが、娘は海賊船に乗りたすぎて下山。海賊船は30分間隔で運行されているのですぐに乗れます。

 

 

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 ちなみに芦ノ湖周辺観光は乗り放題パスがお得。一人トータルで千円くらい安くなるので浮いた分をシャンバー代に当てることも可能。

 そうそう、このあと雷雲が接近してきたとのことでロープウェイ運休になっていた。山頂に取り残された人いるんじゃないのか?どうやって帰ったんだろう。

 

まだ つづく

 

 

夏休みの思い出に

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箱根父娘ふたり旅 彫刻の森と落描き

 旅行とは無関係なんだけど、フジロックエイフェックス・ツインすごすぎ。

 

    www.youtube.com

 

 ライヴというよりは光と音の洪水。しかも凶悪な。この形だともう曲を知っている、知っていないは関係ない。そして後半10分は曲の体裁を保っていない。音楽の破壊と混沌。ノイズの嵐と明滅するライト。時おり挿入されるビデオの写真は野々村議員にYMO松居一代って。これってライヴする国ごとに話題の人物の写真を入れ替えるわけだよね。それも大変だ。

 それにしても、これは現場にいたら強烈な体験だっただろうなー。でももうきっと僕、体力が持たない・・・。

 

 さて、まだまだ続く箱根の父娘旅の記録。

 人がゴミのように見えた塔を下りて移動するとそこには、彫刻の森のアイコンとなっている「ミス・ブラック・パワー」が静かに重々しく、確かに存在していた。

 

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 まあ、でもこれはこれで、って感じですか。なぜならそのそばに、もっと間抜けなアイツがいるからだ。

 

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                 でーん

 

 「密着」というタイトルのアントニー・ゴームリーという人の作品。

 ウェブサイトには夥しい数の人体彫刻の写真が掲載されている。自分の型をとって作ったんだって。昔、テレビで見たことある。それにしても、この形すごいよね。近くに寄ってみるか。

       

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           なんだよー、そんなに見るなよー

          

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           やーめーろーよー

 

 かなり露骨に嫌がられたので娘とそそくさと移動することに。でも面白度ではこれがナンバーワンなのでは?歩いていると、手に乗って熱唱する人を発見。

     

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          心配ないさー

         ・・・と聞こえた。娘も手に乗せてみた。

 

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 なんか普通の感じ。イマイチですね。つまませたりすれば良かったのだろうか。その近くに目玉焼きのオブジェ兼ベンチを発見。すると子供はととと、と走っていって

     

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               おとうさん、これなーんだ

 

 と、またしても僕を笑わせる。順調に育っているぞ。パパも負けてらんないぞ!

        

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                  でーん

 

 後ろの人々は完全無視。いよいよ50の大台が近づいてきた男の生き様です。

 

 目玉焼きで彫刻の森は極めたと確信したので宿に移動。平日だったので、箱根の山が見える和洋室の広い部屋に泊まれた。

 

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 「わたし、旅行で一番楽しみなのはホテルなんだ」と身も蓋もないことを言われる。

 夜は案外暇なので娘とトランプをする。娘は最近覚えたスピードを気に入り、何度も勝負を挑んでくる。小学生とはいえ、瞬発力があるので3回に1回は負けるおとうさん。10回以上スピードをやらされ、さすがに飽きたので(僕が)「絵でも描こうかな」と描いた絵がこちら。

 

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 早速学習の成果が出ている。ここまで描いて娘が「おとうさんが続き描いてよ」と言うので雀にスーツを着せた絵を描いた。すると娘はそれに刺激されたのか、さらに描き足して、こんなふうになりました。     

      

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                   ↓

 

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          元ネタはこちら。0:42あたり。

 

    www.youtube.com

 

         面白いでしょ、僕のこども。全体像はこちら。

 

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       こうして一日目の夜は更けました。明日も晴れるかな!?

 

       ・・・と夜8時半に寝て、6時ころに起きて外を見ると・・・

  

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               なんですかこれ。ミストか。

 

 驚くほどの濃霧に包まれる仙石原界隈。これで芦ノ湖へむかうなんて怖すぎる。知らない道だし。命の危険を予感する僕。

 

                   つづく

 

なんだか知らないけど、急にPVが増えてた。このブログの効果、多少あるみたい。人気がなくて更新止めてて、執筆もそのままになっていたんだけど続き書くかな・・・。ストーリーはできてるんですよ。でも読まれないことにはね・・・。

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箱根父娘ふたり旅 彫刻の森へ 2

 引き続き彫刻の森での不思議な世界。

 鯉にエサを食わせまくったあと、林の中を抜けようとすると突如現れた不気味な影。

  

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              うわ、モモンジイだ!

 

            昔読んだ妖怪図鑑の恐怖が蘇る!

 

 ・・・しかし作品プレートを見ると、西行と書いてあった。

 まさかの漂白の詩人に、こんなところでお目にかかろうとは。妖怪と間違えてしまって、すいません円。

 

       心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ

 

 娘に対して得意げに三夕の歌の一つを暗唱してみせるも、殆ど聞いていない。なぜなら彼女はその先にある施設に対する期待値が異常に高まっていたから。その施設とは。

 

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 はい、いんちきムーミンみたいな(失礼)ミロの彫刻の向こうにあるのがそれです。では中に入ってみましょう。

 

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 なにこれ。すごい。全部網で出来ています。で、子供はこの中に入って思う存分遊べるという体感型のアート。子供に大人気!中に入るとこう。

 

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 これ子供は楽しいよね。でも子供があんまり自己破壊的にやたらめっぽう駆けずり回っているので、時にぶつかったりしている。

 その日は鼻血を出したのか、ティッシュを鼻に当て、おじいちゃんや兄弟に、冷やすためなのか顔中お茶のペットボトルを当てられている子供がいた。大事には至らなかったようだが、怖いね。一応監視員の人がいて、危険行為は注意される。

 

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               おとうさーん!揺らして!

 

 よおし!と子供の要求に全力で応える僕。やめてー、というくらいのレベルで前後に揺らす。ゲラゲラ笑う子供。ああ、ここに来てよかったねえ。しかし・・・

          

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  すぐに体力の限界がやってきて、そのまま即身仏と化すアラフィフおとうさん。

 

 娘は延々一時間半ここで遊び続け、最後には知らない男の子たちと友達になって走り回り続ける。子供の体力底知れない。

 

 お腹が流石にすいたので一旦、レストランへと向かう。エントランスがまたかっこいい。

 

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 横の部分に「のぼらないでください」と書いてあったが、いきなり登っている男の子がいて、母親に「ひらがなでのぼらないでくださいって書いてあるんですケド!」と怒られていた。

 ここで彫刻の森での食事について。

 レストランは二つ。一つはバイキング形式の食べ放題。大人1980円!ここでそんな大枚払って、お腹いっぱい食べないでしょ。しかも夜泊まるんだからホテルのご飯が食べられないよ。そこでもうひとつの洋食レストランへ行くが、メニューが10種類くらいしかない。スペアリブ、カレー、パスタのどれか。しかもそこそこ高い。観光地だから仕方がないね。

 子供はあんまり食べられないだろうからお子様カレーにしたら幼稚園児に出すようなセットで「カレーが甘い」と言ってほとんど食べない。結局僕の頼んだスペアリブを半分くらい食べてカレーセットは無駄に。

 まあ、正直食事はイマイチでした。節約するならお弁当でもいいかも。

 

         さて食事のあとは「ピカソ館」へと向かう。

 

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 道すがら、「俺あんまりピカソ好きじゃないんだよなー」などと言っている人とすれ違う。

 僕は「好き嫌いを言えるほどピカソの作品について知っているのだろうか」と思っていたら子供が

 さっきの人「俺あんまりピカソ好きじゃないんだよなーって言ってたね」だって。その後しばらく娘とふたりで「俺あんまりピカソ好きじゃないんだよねー」と言うギャグが流行る。

 

 ピカソ館は撮影禁止でした。僕は「シンバル遊び」という彫金作品がお気に入り。

       

       さて、ピカソ館の前には大きなお花がいらっしゃる。

 

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 この作品はピカソではなく、フェルナン・レジェという人の『歩く花』という作品。知らなきゃピカソの作品かと思うようね。

 

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            君たち、ちゃんと鑑賞しろよー

 

 歩く花にもたしなめられたので、近くのロマンスカー・ギャラリーへ。館内はカフェが併設され、冷房が効いて快適。しかも二階には、おもしろ彫刻(失礼)がたくさんある。中はこんな感じ。

 

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 小田急ロマンスカーといえば、やっぱり僕は手前のオレンジ色の車体。小学生の時、よく利用した小田急柿生駅で「ピンポンパンポーン」と鳴らして通り過ぎるロマンスカーを「かっこいいなあ。乗りたいなあ」と思いながら眺めていたっけ。

 

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   彼女の名前は「アリサ」。細くて足が長い。ベルボトムがイカしている。

 

  その後、隣にある足湯で一休み。温泉なので気持ちがいい。

 

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 しかし、僕はこの時嫌な予感がしていた。というのは、この先にピサの斜塔のような「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻」という高い塔がそびえ立っているから。写真を撮り忘れました。

 実は疲労困憊の極みにある棒はその塔をスルーしようと目論んでいたのだが

「おとうさん、昇ろうよ!」という娘の鶴の一声で渋々入館。塔を下から見上げると荘厳なステンドグラスに囲まれていた。

 

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 ここはバベルの塔か。果てしなく続く螺旋階段に、軽いめまいを覚える僕。

 

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 そんなことはお構いなしに、どんどん昇る10歳児。四十歳近い年の差は歴然。おとうさんをまってくれー。

 

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     ここまで来ると、もはや引き返すこともできない。こわいよ。

 

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         汝、この試練に耐えなば、うるはしきさまを見ん

 

 うすら笑いを浮かべる顔に、意味不明の言葉を投げかけられ、必死に昇る僕。やっと頂上にたどり着くも、限界。もう死にます、さよなら。

 

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 まあ、死なないんですけれど、確かに上に昇るとうるはしき景色は広がっていた。

 

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         ふと下を見ると、先ほどの足湯が見える。

 

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           おとうさん、人がゴミのようだよ!

 

 会心のギャグで僕を笑わせる娘。よくぞここまで育ったもんだ。

 まだまだ盛り沢山です。旅行っていいね。

 

 

 いまだに読んでくださる方がいて、ひっそりとPVが4100超えてた。うれしい。まだの方も、どうぞ。僕の会心のヘビーメタル文芸小説です。(メタルを知らなくても読めます、多分)

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