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カクヨムにおける『ヘビーメタルと文芸少女』のいま 続編

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 僕は去年、娘とのやりとりがきっかけとなった「ヘビーメタルと文芸少女」という小説を半年かかって書きあげた。その後いろいろあって現在「カクヨム」という角川のWEB小説サイトに毎日投稿している。そして2月8日に以下の記事を書いた。さて、その後どうなったでしょうか。

 

 

otominarukami.hatenablog.com

 

 カクヨムでは現在第二回WEB小説コンテストというのを開催しており、せっかくなので僕も応募してみた。しばらくそのこと自体を忘れていたのだが、あるフォロワーさんが「予選通過してますよ!」という応援コメントをくれたのだ。

 えっ?!と思って確認してみると、確かに中間選考発表に僕の作品も入っていた。

kakuyomu.jp

 

”応募総数2690作品のうち、今回は読者選考によるランキング上位から選ばれた合計275作品が選考を通過いたしました。最終選考は、こちらの結果を元に各部門の選考参加レーベルによって進めさせていただきます。”

 

だそうです。おお!なんだか知らないけど少しドキドキしてるよ。僕の応募した部門は47作品が残っている。予選を通過しただけでも立派なもんだ。そのおかげか、多少人の目にも触れるようになったのか、ページヴューが増えました。

現況報告。

 

作者としてのフォロワー6人。

ありがとうございます。

 

作品のフォロワー20人。

よくも大量の作品の中から見つけ出してくださいました。本当にありがとうございます。

星29個。

3月1日現在のページヴュー1548。

 

 初回読者数は106なので、読み切ってもらえたかどうかは別として、100人以上の人に注目されたことは非常に喜ばしい限りです。

 まあ、ここまでくれば、書いた甲斐もあるものだ。

 

 ちなみに、この作品を書いて以来、「書く」ことに味をしめた僕はいくつかのアイディアを得て、他にも作品を書いた。

 そろそろこの「ヘビーメタルと文芸少女」も完結に近づいているので、引き続き次の作品も発表していきたいと考えている。今の時代、こういう発表の場があるということは僕のような人間にとっては非常にありがたい。

 

 作品はまさにクライマックス直前。最後のライヴシーンはかなり力を入れて書いた。手前味噌で恐縮ですが、自分でも読んでてなぜだかじんときてしまいます。

kakuyomu.jp

 

 

 

 

 

 

アマゾンプライムビデオスレイヴ

 ビル・パクストンがお亡くなりになったそうで。RIP

 

 唐突だが、僕は他の多くの人がそうであるように、生活をアマゾンにかなり依存している。CDを買ったり、本を買ったり、最近では4万近くもするオーブンを妻に注文させられたりして年間数十万近く払っているんじゃないか?

 まあ、それは大げさかもしれないがとにかくアマゾンはもう生活の一部になっているのだ。

 ちなみに他の生活の一部は楽天とゾゾタウン。実店舗で買い物をする機会が本当に少なくなった。以前はヤフオクもその一部であったが、評価500くらいまでいったところでぱったり止まった。ファイトクラブではないが、必要ないモノをわざわざ探して買う生活に疑問を持ったのだ。競るのも面倒くさいし。

 

 オークションをやめたのでヤフープレミアムをやめた。ネット上で解約手続きをする際、ヤフーはあの手この手でなんとか引きとめようと必死だった。「本当にいいのですか?」くらいの感じでいくつもの関門が待っていた。でもやめた。そうして浮いた金額をこんどはアマゾンプライムへとぶちこんだ。つっても年間3980円だけど。

 

 これがまたダメ人間製造サイトで、特にプライムビデオからは強力なトラクタービームが発せられ、それが僕を逃がしてくれない。恐るべきビデオのラインナップ。加入している方はお分かりだろうが、少し前の映画は見放題。ツタヤが町のレンタルビデオショップを駆逐したように、いずれツタヤもアマゾンプライムやHULUにとって替わられるだろう。

 プライムに入らなかったらまず観ないような映画も手軽にパソコンで視聴できる。借りるのであったら躊躇するような作品も少し見て飽きればやめたり後回しにできる。僕は「ホビット」三部作や「キャビンフィーバー」や「ロボコップ2014」や「地球が静止する日」や「カウボーイ&エイリアン」などおよそこの先見なかったであろう作品を見ることができた。なにせマウスをカチカチするだけで字幕版ならある程度先送りは自由自在だ。

 

 また映画だけでなく暇つぶしのバラエティも充実している。僕が今一番はまっているのはテレ東の「路線バスの旅」である。ずーっと見ちゃう!キンドルで見てたらこの番組のアイコンが出てきて子供が笑っていたらしい。「おとうさん、これ見てるんだ。」

 

 さらにすごいと思ったのは昭和の特撮番組の充実っぷりである。我々の世代なら誰もが知っている「ウルトラマン」や「仮面ライダー」から果ては「人造人間キカイダー」「変身忍者嵐」「仮面の忍者赤影」「宇宙鉄人キョーダイン」「ロボット刑事K」「カゲスター」「ジャイアントロボ」など、もうお腹いっぱい。一生かかっても見切れないっつうの!しかし特にその中でも「超人バロム1」には驚いた。

 僕は子供の頃バロム1が大好きだったのであるがその怪人の不気味さゆえに怖くて見られなかった回もあった。だって、普通、怪人って自然界に存在する動植物をモチーフにするじゃない。バロム1も当初はそうだったのに、中盤から何故か人体の一部に特化した怪人が出てくるようになったのだ。

 

 「~ゲルゲ」というのが怪人の名前なのだが、そのネーミングセンスがすごい。いわく「フランケルゲ」(フランケンシュタイン的な)オコゼルゲ(オコゼの怪人)など。上述したように、この頃はまだいいのだが唐突に21話から体の怪人が登場する。

 その名も「クチビルゲ」顔全体が唇。よくこんなの考えたな。どこかが狂っている。そしてこのあと続々と悪夢のような怪人が登場する。「ヒャクメルゲ」(百目ってこと)「ノウゲルゲ」(オロロロロ・・・とかうめく。それにしても臓器はまずいでしょ。)「ウデゲルゲ」(多くのサイトでも指摘されていたがフィーンガー!というのが口癖。指じゃないし。)「クビゲルゲ」に至ってはもはやホラー。腕の先に首がくっついている!

 ただ、もうこの年になって観ると怖い訳はなく、むしろ笑いどころやツッコミどころを探す見方になっている。設定の大胆さと間抜けさが新鮮!ウデゲルゲなど、村長になりすまして村を支配するという志の低さ。

 でも思わぬ発見もある。「ナマコルゲ」の回を見ていたら、水族館が舞台になっていたのだが、なんとそれが今は無き、「よみうりランドの水族館」だった!

 

 僕は子供のころ何度となくよみうりランドへ遊びに行き、その都度水族館やアシカショー、水中バレエなどを見たものだ。アシカショーは今でも健在で数年前に観たのだが子供の頃の思い出に比べて会場がいやに小さく感じた。

 

 さて、よみうりランドの水族館である。僕は今でもこの水族館の中や順路をありありと思い出すことができる。入ってすぐには、ウニなど磯に生息する生き物の水槽があり、通路右手の大きな水槽を見下ろすとアオウミガメとアカウミガメがそれぞれ所狭しと泳いでいた。そうして上りになっている通路を進んでいくと今度は深海エリアに突入し、生きてんだか死んでんだかわからないタカアシガニが出迎えてくれる。暗い通路を抜けると、水族館の頂上に当たるエリアでシーラカンスやノコギリザメの剥製が登場しその後はゆっくりと下り坂になる。熱帯魚の水槽を眺めたあと、最後に大水槽が登場し、そこには数匹のアマゾン!の巨大魚ピラルクが悠然と泳いでいた。同じ水槽にはワニもいたように思う。小学生の僕はとにかくこの大きな魚に言い知れない畏怖を感じていた。大人になってサンシャイン水族館に行ったとき、同様に最後の水槽でピラルクが登場したときは驚いた。でもほとんど見物人なし。

 思わず思い出をつらつらと書いてしまったが、この「ナマコルゲ」の回では他にも、モノレールや鳳凰をかたどった船など、昔のよみうりランドの風景が映し出されており、思わず僕は「おぉー!」とひとり深夜に歓声を上げてしまった。

 

 とにかくこのように僕は一日も欠かさずプライムビデオを観ている。そして今ではFIRESTICKも買おうかと考えている。それ買っちゃったらもうテレビとパソコンしか見ない未来が見えているので我慢していたのだがもうだめだな。残された人生の時間の一部をそうやって費やすのだろう、僕は。

 

 さて、本当は1円CDの記事を書くつもりが、思わず脱線した内容になってしまった。こんなに書いて、読んでくださる人、いらっしゃいます?

 

さて、なんと95話。そろそろ終わりも近いです。毎日更新。

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中学生の僕が書いたド下手スターウォーズ漫画

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  ↑ 

  どうです、かっこいいでしょ。以下のサイトでメタリカ風ロゴを作成できます。

   Generate your own Metallica logo

 

 まあ、それはそれとして、小学3年生の僕に引き続き中学1~2年生頃の僕の作品があるので暇つぶしに見ていただきたい。

 この頃の僕はちょうど「帝国の逆襲」や「ブラックホール」を観て、心がスペースオペラ漬けになっていた。絵が好きだった僕は、そのマインドをイラストとして表現するようになった。エイリアンの絵を教科書に書き散らし、ノストロモ号やシグナス号をノートいっぱいに書いた。しかし中学生の表現力は想像力に追いつかず、どうにも少し残念な形で発揮されることとなる。

 多少なりとも自分は絵がうまいと自負していた僕だが、今見ると別にそれほど大したもんじゃない。クラスで2番手くらいの位置だろう。このくらいの歳になるともっと上手い奴がいたのだ。恥ずかしさをおしてここに公開します。

まずこれ。なんだこれ。

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ロボットの手とスターデストロイヤー。エクゼクターの方ね。「帝国の逆襲」に出てきたインパクトはすごかったのだ。

 ロボットの手はおそらく映画「スペース・サタン」のヘクターに影響を受けたのではないだろうか。肩にはG51と書いてある。一方よく見ると手の部分に「IG8」と書いてあるので帝国の逆襲の暗殺ドロイド「IGー88」の方かもしれない。

 ちなみにヘクターはこんなロボット。


Saturn 3 - Hector the Robot

ハーヴェイ・カイテルが若い。あと、この動画のBGMに、エイフェックスツインがNINの曲をリミックスしたものが使われていた。どうでもいいけど。次。

 

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なぜか突然ロボット昆虫。どうしてこんなものを描いたのだろう。足の先がローラーなのも用途不明。次。

 

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カニだ。なぜ?とにかく生物をメカとして表現したかったのだろうか。次。

 

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ヒドイ。かろうじてXウィングと解る代物。どうやら描き損じのようだ。次。

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いくらかマシになった。エクゼクターの巨大感を表現したいのだろう。先がひん曲がっているが、重いのか?あと無理やりベスピンクラウドシティも描いてある。こんな場面は映画にはありません。次。

 

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「帝国の逆襲」にはデススターは出てこないよ。

 ご丁寧にファルコン号やタイファイターを拡大して見せている。誰に?もちろん将来の僕にだ!次!

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ライトセーバーにそうめんでも絡まったのであろうか。

「取れないよ!そうめん取れないよ!」

次。

ここから突然漫画形式になる。

実はもっとページはあるのだが、あまりに見ていて恥ずかしいものもあるので一部割愛している。エクゼクターに追われるファルコン号らしき宇宙船。

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ブラスターの効果音が適当すぎる。「SYYS」ってなんだ。「ZB!」って。次。

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セリフがどうにもダサい。しかも「光速移転」という漢字すら書けていない。よく高校受かったな。次。

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光速で逃げたファルコン号もどきを追うにせベイダー。巨大戦艦を自ら操縦。乗組員、一人か。

割愛したページにはなぜかファルコン号に乗っているボバフェットなども出てくるのだがホントにダサいのでお見せできません。

次。

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結局追いつかれるニセファルコン号。この構図、ご存知でしょう。巨大なエクゼクターの側をすり抜けるファルコン!

 高校生になった僕は、この雰囲気を味わうために自転車を高速で漕ぎ、コンクリの塀スレスレに走る、という危険行為をほぼ毎日していた。

 

      ド下手スターウォーズ漫画 

      

       おしまい

 

 そんな少年だったぼくはこんな大人になり、こんな小説を書いている。

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アマゾン1円CDハンターがゆく 10 ジャック・ジョンソン インビトウィーンドリームス

アマゾン1円CDハンター基本ルール

1 基本的に1円のモノを買う。

2 できれば聴いたことのないアーティストを選ぶ。

3 やみくもには買わずに星4つ以上で、軽く試聴をする。

4 ジャンルはなるべく不問。

5 3日に一枚くらいのペース、月に最低10枚は買う。

 

In Between Dreams (Japan/UK Version)

In Between Dreams (Japan/UK Version)

 

 

 ジャック・ジョンソン。ハワイ出身の元プロサーファーという、僕からしてみれば全くの異世界の人間がやっている音楽は、僕をやさしく包みこむ。

 僕は車通勤であるからして、必ずカーステレオで音楽を聴く。僕の音楽生活は基本的に車の中が中心なのだ。

 CDが好きなので必然的に車の中がCDだらけになってしまう。しかも、僕の愛車はコペンであるので非常に収納に苦労するのだ。気づいたらいつの間にか座席がCDだらけになっており、忘れた頃に座席の下や後ろから

「あっ!こんなとこにTOOLのCDあった!」

みたいなことがよくある。

 

 聴く曲はその日の気分に左右される。

 ゆっくり休んだり、気力が充実していたりするときは主にメタル系。デスメタルなんか最高。もしくはテンポが速くザクザクと調子のいいバンド、例えばスーサイダル・テンデンシーズとか、最近のシック・オブ・イット・オールなんかが良い。

 


Suicidal Tendencies Smash It Music Video Featuring Metal Mulisha

この曲むちゃくちゃ景気がいい。スーサイダルは他にもいい曲たくさんあるよ。

 

 でもそんな日ばかりじゃない。というかそんな日はむしろ最近少なめ。

 色々と疲れることばかり。そうするとそれに伴って気分も沈みがち。そんな時にはあまり激しい曲はそぐわない。落ち着いた気分になりたい。といっても、クラシックやジャズを聞くのも違う。ゆったりとした、心に響くモノが聴きたい。

 そんな市井の一人である僕を多少なりともほっこりさせてくれたのがこのアルバムだった。アコースティックギターは心地よい。そして、特に素晴らしいと思った曲はこちら。


Jack Johnson - Never Know

サビの流れるようなメロディは特筆もの。これは拾い物だった。

僕は一生ハワイに行くことはないんだろうな・・・などと一瞬思ってムダに悲しくなったりもする。しかし、それでもこういう音楽に出会えてよかったと思えるのでCDハンターはやめられない。

         1円で買って全く損はない!

 

 相変わらず勝手に連載中。そろそろ物語は佳境。

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かくれメタルを探せ!

 今日会社でパソコンから無線でコピー機にデータを流して資料を取り出そうとしたら、先に別の女性社員がコピーをしていた。現物コピーが優先されるので、僕の資料が出てくるのはその後だ。

 様子を見ると結構時間がかかりそうなのでヒマな僕はその場で頭を垂れ、腕をブランとさせ、軽くヨロヨロとふらつきながらゾンビのマネをして待っていた(ぼく40代、小学生二人の子持ち)。

 誰に気づかれることもなく、しばらくゾンビの気分に浸っているとようやくコピーが終わったのでそのまま資料が出てくるのを待っていたが一向にコピー機は反応しない。ゾンビ待ちも飽きたのでそばの人に

「いやーゾンビの真似しながら紙が出てくるの待ってたんですけど、出てこないっすね」

と言ったら

「そんなのわかんないよ、なにやってんの」

と爆笑された。

 自分でも自分のしてたことがバカすぎて同時に笑ってしまった。

 しかしそれでも資料は出てこない。おかしいと思い、パソコンをチェックすると別のコピー機を指定しており、エラーとなっていた。ゾンビ待ち、徒労!

 

 ふと気になったのは、この時僕がここでやったギャグを素直に面白がった人と、ほとんど無反応の人がいたということだ。

 そんなことは今までの人生経験で百も承知なのだが、価値観とは人それぞれなのだなあ。でもゾンビ待ちギャグ、普通笑うでしょ。

 

 そんでメタリカとガガの記事を書いたら何故か飛躍的にアクセスが増えていた。

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気合を入れた映画の記事とかそうでもないのに。何が良かったんだろう。「グラミー」「ガガ」「メタリカ」の組み合わせがタイムリーだったからだろうか。ひょっとしたら「だがしかし」を、マンガと勘違いしたのだろうか。正直、やっつけで書いたような雑な記事だったんだけどな。どこかにも書いてあったけど、ブログってこんなものなんだなあ。

 メタルの記事を書いているよりは、家電のレビューとか美味しいものをアップしたりすると人は見るのだろうか。僕にも多少の承認欲求はあるので、やはりアクセスが増えているとうれしい。でもやっぱり書きたいこと書いたほうが健全だよね!

 さて、かくれメタルのことなんだけど、つまりは、一見そうは見えないがヘビーメタルを聴いている人のことだ。 

 大学時代にはバンドサークルに入っていたから周囲の人間が色々なバンドを知っていて当然だった。しかし社会に出ると、それが当たり前ではなくなる。

 「メタリカ」、なにそれ?となる。ちょっと調べたらブラックアルバムは世界で五千万枚くらい売れているそうだ。すごい。世界で、ということだから、日本はどうか知らない。でも、メタリカ、20年以上前に代々木オリンピックプールでやったくらいだからそれなりに聴く人はいるはずだ。思い出すのは、原宿で下りて会場に向かう途中メタリカのライヴポスターが貼ってあったのだがそのキャッチコピーが「不当評価」だった。当時このキャッチが「バーン」誌上で物議をかもしていた記憶がある。

 昨年発売の「ハードワイヤー」アルバムはオリコンで5位だった。健闘している。

まあ、ある程度正当に評価されているのでは。でも来日講演は未定・・・。

 話をかくれメタルにもどすと僕が最近発見したかくれメタルは思いのほかすぐそばにいた。なんと同じ部署のUさんだった。かれは4歳ほど年下なのだが、ある機会に彼の車で移動することになった。エンジンをかけると小さい音でカーステレオから何やら音楽が流れている。なんか聴いたことあるなーと思ったらこれだった。


Judas Priest - Painkiller

一見非常におとなしく真面目そうに見えたUさんなのだが「ペインキラー」って!

嬉しくなって、なに!Uさんメタル好きなの?と聞くとどうやらオールドスクール系のメタルが好きだとのこと。意外!しかも娘もたまに聴くらしい。ウチと一緒。 

 会社の部署30人程度の中で1人かくれメタル捕獲!経験値1万アップ!

 

 さて、娘のクラスでは最近ご多分に漏れず「恋ダンス」が流行っているそうだ。娘は一度も聞いたこともないのだが、クラスの友達が五人くらいで踊っているのを観て歌を覚えてしまっていた。ちなみに僕はその曲を知らなかったので風呂でその曲を歌っていた娘に

「なにそれ、どうでもいい曲?」

と聞くと

「うん、どうでもいい曲」

だってさ。

 でもその後も耳から離れないのだろう、事あるごとに娘はその歌を歌っていたら、妻がキンドルでPVを見るようになっていた。たまたまそれが流れていた時に、娘がごはんを食べていて、

「なに、これ見てんの」

と言ったら

「ちがうよ、わたしじゃなくてママが見てるの!」

だってさ。

 そこでその後ベックの「LOOSER」を聴かせると


Beck - Loser

「そーあまーけーんでどー、あまるざーべいびー、そーわいどんちゅきるみー」

と歌っていたので「よし!」と思った。

 

常によろしく!

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グラミーでメタリカとガガ!だがしかし・・・

 今朝ワイドショーを見ていたら、グラミーの様子が映っていた。切り口はアーティストも反トランプ!?みたいなものでパフォーマンスにこぎつけてトランプ反対とか賛成とかを表明している人を取り扱っていた。ビヨンセとか色々出てきたんだけど、その中でレディー・ガガが歌っている様子が流れた。あら、どっかで見たおっさんと歌ってるなと思ったらジェームスヘットフィールドだった。

 

 ちょっと納得がいかなかったのは一緒に写っているガガには名前が字幕で出たのにメタリカのメの字もテロップに流れなかったことだ。日本のテレビでは結局今でもメタリカレベルでさえそういう扱いなのだ。いくらスリップノットオリコン1位になってもBABYMETALがウェンブリーアリーナでやってもメタルはメタル。

 テリー伊藤あたりが、「メタリカかっこいいすよね」くらいは言って欲しかったものだ。

 それはそうとパフォーマンスが気になったのでやたらとアップされている動画を見たらヒドかった。

 グラミーってこんなに音のバランス悪いもんかね?ドラムとベースしか聞こえない。あまつさえジェームスのマイクは音が出ない。ガガの伸びやかな声のみがバランスの悪い音の中で響き渡る。ガガすげえ。途中でダイヴしてるし、かなり張り切っています。

 最後にはご機嫌ななめのジェームス、マイクを蹴り倒してギターを放り投げている。そりゃそうだ。

 

でもメタルは最高。いつもの。

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ブレードランナーと僕の思いで

 今年の公開映画ラインナップがすごい。個人的にはひょっとして1998~1999年の頃の傑作ラッシュ(スターシップ・トゥルーパーズファイト・クラブマトリックスプライベート・ライアンなどが立て続けに公開された)に匹敵するのではと勝手に予想。

 

 思いつくだけで攻殻機動隊、エイリアン・コベナント、ダンケルク、ドクターストレンジ、メッセージ、トランスフォーマーアサシン・クリード、SWエピソード8・・・そして11月公開!「ブレードランナー2049」。


「ブレードランナー」の続編、映画「ブレードランナー2049」予告編が解禁

 

  今でこそ世界中に数多くのファンを獲得し、めでたく続編公開となる「ブレードランナー」だが、公開された当初は二週間くらいで打ち切られたと思う。僕はその公開当時、劇場で見た一人だ。今でもパンフを後生大事に持っている。

  以下、一応ブレードランナーを観た前提で書きますので、あんまりいないとは思いますが未見の方はネタバレ注意。

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 僕が「ブレードランナー(以下BR)」を初めて知ったのは、中学生のころ欠かさず購入していた今はなき映画雑誌「ロードショー」の記事だった。

 二ページの見開きだったと思うが、そこには例のあのロサンゼルスの未来風景と「髪をブラッシのように刈り上げた」と形容されていたハリソン・フォードの写真があった。ハリソンといえば、当時はハン・ソロインディ・ジョーンズといったヒーローを演じ、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。いつの間にこんな映画を撮っていたのだろうと僕は思ったものだ。しかも監督は「エイリアン」のリドリー・スコット!絶対に観る!と誓った僕は、映画館を調べるがBRは全国ロードショーではなかった。

 僕の住んでいた地方都市ではBRは上映されず、見られるのは都心の劇場だけだ。しかし運が良かったことに、ちょうど公開時期の正月には世田谷にある祖母の家に遊びに行くことになっていたので、そのついでに中坊の僕は一人渋谷の東急へ行ったのだった。

 東急の劇場は広かった記憶がある。映画が始まる前の期待感。そして劇場に流れるヴァンゲリスの「ブレードランナーのテーマ」。トクタカ、トクタカという金属的なシーケンサーの反復音にストリングスでメインテーマの旋律がかぶる。そしてティンパニのダンドンダンドンダンドン!という響きと共に、ストン!ストン!と挿入されるスネア。あまりに印象的なこの曲を僕はきちんと覚えていて、家にあったエレクトーンでそれらしく弾いては映画の場面に思いを馳せていた。

 しかしなぜかこの映画のサントラは長いあいだ発売されず、僕は長いことこのメインテーマに対して飢餓感を覚えていた。この曲、いつだったか車のコマーシャルにヴァンゲリスバージョではなく、ニューアメリカンオーケストラなるグループの演奏が流れていたがやはり本物には及ばなかった。結局サントラを入手したのは成人してからだ。

 

 そして当時の思い出。劇場は突然音楽が止まり、暗転。例のラッドカンパーの緑の木のロゴが現れるとウィンウィンという不気味な音と共にネクサス6が脱走して・・・の字幕が流れ、そして冒頭の壮大なスケールの夜のロスアンゼルスの光景が!ダグラス・トランブルの屈指の特撮シーンは今見ても素晴らしい。やがてタイレルピラミッドが現れ、カメラはひとつの部屋へと迫っていき、ホールデンがレオンをVKテスト(レプリカント識別のテスト)にかけようとするシーンへとつながる。

 僕は長年ビデオやDVDでこの場面を何回となく観たのだが、そのすべてはビスタサイズで画面の端が切られているヴァージョンだった。その後、ブルーレイを購入した時に初めて16:9の画面で見て、端っこの方からレオンが歩いてくるのに気づきちょっとした感動を覚えた。 

 ホールデンはレオンに撃たれ重症を負う。そしてデッカード登場。龍のネオンがバチバチいうタイミングもわかっている。

 屋台のカウンターでデッカードを呼ぶ日本人料理人とのやりとりがその筋では色々とネタになっている。僕はもう、そらでもこのシーンのセリフが書ける。

「いらっしゃい!なにしやしょうか?」

「ディス、フォー。」

「ふたつでじゅうぶんですよ!」

「ノー。ツー、ツー。フォー。」

「ふたつでじゅうぶんですよ!」

あきらめるデッカード

「アンドヌードル」

といってうどんを追加する。

「わかってくださいよぉ!」

 

 昔、大野安之氏の漫画に「THATSイズミコ!」というのがあったが、そこでのモブシーンに「二つで十分ですよぉ、わかってくださいよぉ」というセリフを見つけておぉ!と思ったことがある。僕も生活の中で、数を数えるシチュエーションに出会うときに、「ふたつでじゅうぶんですよ!」というギャグを何度か飛ばしたことがあるが、未だ誰もそれを理解してくれた人はいない。わかってくださいよォ。

 どうでもいいが、僕は”ヌードル”という発音を長いこと”アンドウドン”と勝手に解釈していた。

 僕はSWやエイリアンのような派手なSFアクションを想像していたのだが、予想に反して渋いディテクティヴストーリーが展開される。デッカードがどんなカッコイイ活躍をするのか、どんだけ銃をハンソロのようにぶっぱなすのかと期待して見ていた僕は少々肩すかしをくらった。後に手に入れた「メイキングオブブレードランナー」によると公開前のプレビズでも同様の反応だったようである。

 「強力わかもと」を始めとするアジア的ヴィジュアル情報がものすごいので退屈する暇はない。前半の派手な特撮は後半になるとなりを潜め、ゾラを殺し、レオンを倒して以降、むしろ地味な印象を受ける。

 JFセバスチャンのアパートでデッカードはプリスと対決する。バク転でデッカードを翻弄し、股に首をはさんだり、鼻の穴に指突っ込んだりしてデッカードを殺そうとするプリス。「笑っていはいけない鬼」の鼻フックじゃないんだから!

 ちなみに初めて僕はこの場面を見たとき、デッカードの首が反対側に回転するので「うわ、首折られた」と思った。実際は体ごと回転しただけなのだが当時は「何で生きているんだ?」と不思議ではあった。

 そして圧倒的に強いベイティーとの対決。デッカード弱い。セオリーとして最後にはデッカードがベイティーを殺すのかと思っていた僕はあのエンディングに驚いた。屋上のデッカードのなんと情けないことか。内股でびしょ濡れ、顔には恐怖がはりついている。この映画はヒーロー映画ではなかったのだ。

 

 思っていたものと全然違った展開に戸惑いつつも、僕はこの映画にすっかり魅了されてしまった。すぐに近所の本屋へ行き、小説を買った。

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 あまりにも有名なディックの「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」が原作。映画の公開に合わせてこの表紙になっているが、読み始めた中学生の僕はまたしても当惑してしまう。だって、映画の中身と全然違うから。スターウォーズやエイリアンの小説を読んでいた僕は当然映画のストーリーをなぞったもの、ノベライズを期待していたのだ。しかしこれは原作が先なのだ。だからストーリーも大幅に変えられている。いくつかの相違点をピックアップしてみよう。

 

 ●デッカードは離婚してはいない。

  妻のイーライと共に目覚める場面から小説は始まる。

 ●ムードオルガンなる小道具が登場

  この世界では気分をこの機械によって調節している。

 ●マーサ教という宗教が広く信じられている。

  エンバシーボックスというマシンを通じて人々はマーサなる老人が山へ登る体験を

  共有する。老人は石を投げられそれに当たればボックスを使っている人間も負傷す

  る不思議な機械。危ないじゃないか。こういう小道具で人間の感情移入能力がクロ

  ーズアップされているのだ。アンドロイドたちはこれを使うことができないらし

  い。

 ●バスターフレンドリーという司会者のショーが大人気。

  実はバスターはアンドロイドでマーサ教はインチキだと暴露する。

 ●タイレルコーポーレーションという名称は登場しない。

  ネクサス6を製造しているのはローゼンという企業名。レイチェルはレイチェル・

  ローゼンという名の18歳の女性としてきちんと出てくる。ショーンヤングのイメ

  ージと重なりにくい。VKテストで正体を見破られるのは同じだが、その場で事実を

  知らされる。レプリカントという呼称は映画のオリジナル。

  小説は最初は映画と全然違う動きをするが、このレイチェルをVKテストにかける場

  面はほとんど同じ。非常にスピーディな展開で思わず読み入ってしまう。

 ●デッカードは異様に動物に執着している

  この世界では(映画もそうだが)動物は貴重で、生き物を飼うことがステイタスと

  なっている。デッカードは電気羊を飼っており、いつかは本物を買いたいと思って

  いる。アンドロイドを三体処理し、その懸賞金で山ヤギの頭金を払って買うのだが

  後でレイチェルにヤギは殺されてしまう。不憫。この小説ではレイチェルはむしろ

  ヤな女である。

 ●JFセバスチャンは出てこない。ガフも出てこない。

  代わりにJRイジドアという「不適格者」と呼ばれる人物がプリスやベイティーをか

  くまう。ベイティーは妻がおり、プリスはレイチェルと同じ方のネクサスなので見

  た目、瓜二つということになっている。それゆえデッカードは自分がプリスを処理

  できるか葛藤する。逆にプリスを倒したあとはベイティーを割と簡単に処理してし

  まう。

 ●レオンは登場せずにフィル・レッシュというバウンティハンターが出てくる。

 「ブレードランナー」というのは映画の中だけで出てくる名称。あの「裸のランチ

 を書いたウィリアム・バロウズの同名小説があるのはその筋では有名。レオンのモデ

 ルと思しきソ連警察の刑事に化けたプロコフなる人物がいる。

 

 小説の中でもデッカードはお疲れ気味。賞金稼ぎを辞めたいと思いつつもやめられず、フィルレッシュがアンドロイドが組織したの警察で働いていた事実を知り、自分がアンドロイドかどうかを疑い、自分でVKテストを試す。存在の境界線に悩む人物はディックならでは。映画ではデッカードレプリカントかどうかは曖昧で、監督のリドリーはどうやらそうしたいらしいが、ハリソンフォードはそうしたくないらしい。まさにディック的な議論。続編ではそのへんは明らかにされるのだろうか。

 

 中学生でディックを読んだ僕はSFに興味をかなり持って、クラークとかも読んでみた。けれども正統派ハードSFに進む前に、筒井康隆に出会った僕はまた違う方向へと読書の興味が向いていったのであまりのめり込みはしなかった。

 高校になってハインラインの「宇宙の戦士」をなんとか読み通したがキツかった。その後、早川SFもそれなりに読んだけど、胸を張って自慢できるほどの量じゃございません。でも、今でも時々ブックオフの100円コーナーによさそうな早川SFを見つけると必ず買う。ぼちぼちと読んだ最近の中ではコニー・ウィリスの「航路」は出色の作品だった。これについてはまたいつか。

 

 その後も映画祭やディレクターズカットなどと、ブレードランナーが公開されるたびに僕は劇場に足を運んだ。そして昨日もこの記事を書くためにブルーレイを観たが、驚くべきことに何度でも見ることができる。

 

 さてブレードランナー好きならば大体この本は持っているでしょう。「メイキング・オブ・ブレードランナー」。

メイキング・オブ・ブレードランナー

メイキング・オブ・ブレードランナー

 

 

 ブルーレイのおまけにもメイキングがあって、この本を併せて読めば大体のことはわかります。いろんな記事の元ネタにもなっている。

 例えばデッカードは最初ダスティンホフマンが考えられていたとか、クライマックスのプリスがバク転するときのスタントは男性がやっているだとか、タイレルピラミッドは実はひとつしか作られなかった等のトリビアが満載。

 ああ、早く11月にならないかな。